Archive for the ‘映画ネタ’ Category

となりからみたトトロ 宗教編

水曜日, 11月 14th, 2012

幸福の科学のアニメ『神秘の法』がアカデミー賞の長編アニメ部門に出品されることになった。かなり衝撃的なニュースだったけれど、アカデミー賞に出品できる作品の条件はかなり厳しい。大前提である「ロサンジェルスで一週間以上公開された商業映画」という条件を満たすだけでも難しい。『神秘の法』の出品は「幸福の科学は全世界で支持されています!」という実績作りに必死な『神秘の法』の執念が実った結果だろう。

そうなると疑問が湧いてくるのは、海外でもそれなりに評価を受けている『借りぐらしのアリエッティ』ではなくて『コクリコ坂から』が出品されたことだけど、これも『借りぐらしのアリエッティ』が日本公開と北米公開の差が一年以上あるため出品資格が無いのが原因とのこと。

そういえば海外でも高い評価を受けている『Shall we ダンス?』はアカデミー外国語作品賞を狙える可能性が高かったんだけど、日本テレビが公開終了後に比較的早い段階でテレビで放映してしまったためにアカデミー賞の出品資格の「テレビで放映されていない」をに引っかかってしまった。日本テレビは目先の視聴率を優先させてしまい大魚を逃した形になった。

『コクリコ坂から』も『神秘の法』もアカデミー賞ノミネートは絶対に無理なので、今回の出品は形だけのはず。でもアカデミー賞は比較的外国の宗教に寛容なので『神秘の法』のほうが有利かもしれない。


日本の宗教アニメというと、海外では『となりのトトロ』が宗教映画として見られる場合がある。これは結構話題になってしまったネタらしく、宮崎駿自身が「となりのトトロは宗教映画ではありません」と否定している。日本人から見れば『となりのトトロ』は宗教映画だなんて珍説なんだけど、外国人から見れば確かにそう見えるかもしれない。そんなシーンを集めてみました。

父親がメイとサツキをトトロの居場所に連れて行くシーン。彼らが鳥居をくぐった先には寂れた神社があり、そこにご神木がある。このご神木の根本がトトロの住家だ。
3人はご神木にお辞儀をして、メイがトトロのお世話になったことにお礼を述べる。父親がご神木について「むかしは人と木が仲良かった」と説明するシーンがある。「むかし」っていうのは、もののけ姫でタタリ神が殺される前ですね。
そしてこれが海外の人が『となりのトトロ』を宗教映画と勘違いしてしまう原因。ここでメイとサツキがお祈りをしているように見えてしまう。実際は「雨宿りさせてください」とお願いしているだけだし、合掌しているのはお地蔵様に対する礼儀だ。まあお地蔵様は一応仏教由来なので、宗教的解釈は間違っていない。
ちなみに迷子になったメイはお地蔵様のところにいるので、ここが伏線のように感じる人もいるかも。
これもお祈り?
ここはナンマイダー。確かに宗教そのものですね。しかし自分の宗派すらよくわかっていない俺にとってお経とは、創価学会のなんみょうほうれんげーきょーと、それ以外くらいの認識だよ。

まあたったこれだけど、それで宗教映画だと思ってしまう人がいる。メイとサツキが日本人に見えないこともあって、西洋人のメイとサツキが日本で神様と出会う物語だ!という解釈まである。

原因は宗教観の違いで、「お祈り」は神へ捧げるものと明確になっているのに対して、日本人にとって「お祈り」はわりと漠然とした概念なので『となりのトトロ』で「お祈り」が出てきてもイチイチ気にしたりはしない。

それにキリスト教圏だと異形のモノって神の使いか悪魔の使いのどちらかなのが一般的なんだけど、日本の異形のモノは現世の何かが変化したものだったりする。トトロは昔から日本で生きていた生物だし、ネコバスは猫⇒化け猫⇒ネコバスと変化していったモノだし、マックロクロスケはススが変化したものだ。もちろん西洋にも妖精という概念はあるし、トトロ=妖精というのが海外の一般的な解釈なので宗教映画という解釈はほんの一部だ。でもトトロ=神の使いという解釈をする人もいたりする。

日本人から見れば『となりのトトロ』の宗教的描写は仏教と神道がごっちゃになっていて「宗教」を感じさせるものではない。都会から来たメイとサツキが田舎の古い文化に触れあう程度のものだ。でも『となりのトトロ』は日本人の森林に対する思いを元に作られていて、その思いはケルトの森林信仰に近いものがあるので、完全否定することも無いと思う。

宗教映画として完全否定したいのはやっぱり『神秘の法』で、あれは宗教映画じゃなくてカルト団体の普及促進用の映画だということは広く海外の人に伝えていきたいですね!


ちなみに海外版のトトロはなんとネコバスが喋る(というか音声機能がついている)。ネコバスの電光表示版は日本語なので、海外の人は読めないのでネコバスに喋ってもらわないとしょうがない。

[amazonjs asin=”B007UMRRUM” locale=”JP” title=”となりのトトロ Blu-ray”]
[amazonjs asin=”B004S0VP70″ locale=”JP” title=”借りぐらしのアリエッティ Blu-ray”]

『夢売るふたり』のラストシーンについて

火曜日, 9月 25th, 2012

夢売るふたり

『夢売るふたり』を観たけど、すごく良かった。阿部サダヲと松たか子演じる夫婦が結婚詐欺(実際はちょっと違う)に手を染めるというストーリー。脚本・監督である西川美和が初の女性映画を撮ったんだけど、西川美和の女性の人生を見つめる視点が怖すぎるよ。特に巨漢の女性:ひとみ(江原由夏という女優が好演!)のエピソードが素晴らしく、彼女に関するセリフ全部に体中がゾワゾワする感覚を味わった。

さて、この映画のラストシーンはちょっとわかりにくい終わり方なんだけど、俺なりの解釈を書きます。ネットをちょっと調べた感じでは俺と同じ解釈の人がいないので、あまり本気にせず読んでください。以下ネタバレ。


注:完全なネタバレです!


映画のラストシーンには伏線があって、それは松たか子がドブネズミを凝視するシーンだ。詐欺に手を染めてお金を稼いだ阿部サダヲと松たか子は、念願のスカイツリーが見える店舗の購入と改築にこぎつける。二人の夢が叶いそうになる一方で、松たか子はその状況に不安を感じている。そんな時に松たか子がドブネズミを見つけてじーっと見つめるのだ。このドブネズミは松たか子の状況のメタファーだと思う。松たか子は不衛生でコソコソ生きるドブネズミが自分の姿であることに気が付いたのかもしれない。

そしてラストシーン、刑務所に入った阿部サダヲは見えるはずの無いカモメを見る(感じる)。空を飛ぶカモメは希望のメタファーなのかな、阿部サダヲにはまだ希望が残っているのかもしれない。そして同じく港でカモメを見る松たか子、つまりこの夫婦にはまだ通じ合う部分が………と言いたいところだけど、映画のファイナルカットで松たか子が見るのはカモメじゃあない。観客と目が合うんだよ。

『夢売るふたり』は全編に渡って松たか子の視線がポイントになるんだけど、最後に松たか子が観るのが観客なんだよね。登場人物の謎の視線で終わるという点では同じ西川美和作品の『ゆれる』と似ているんだけど、『ゆれる』と違って物語的な深い意味は無いと思う。劇中で松たか子はずっと他人の人生を見続けてきた。ラストシーンで観客はそんな松たか子に自分も見られるという不思議な感覚を味わせられるのだ。

[amazonjs asin=”B000KIX658″ locale=”JP” title=”ゆれる DVD”]

もう一つの『追憶売ります』:コブラ復活!

月曜日, 9月 10th, 2012

トータル・リコール

リメイク版の『トータル・リコール』を観たけれどイマイチだった。リメイク版『トータル・リコール』には新しい設定として労働問題が登場しているけど、あくまでも設定なので本編で深く関わるわけでもない。20年前のSF映画たちが描いていた映像世界を現在の技術で再現するというチャレンジにも面白みを感じることができなかった。斬新なアイデアとして名高い「現実なのか夢なのかわからない」も、使い古されていてもはや新鮮味を感じなくなってしまった。時代が進化してしまったということか…。

トータル・リコール

大仏=デカいというのはもう世界共通の認識だな。

『トータル・リコール』の原作はフィリップ・K・ディックの中編小説『追憶売ります』だけど、この『追憶売ります』は漫画『コブラ』の第一話でパクられている。これは『追憶売ります』のgoogle関連検索用語は「コブラ」だったりするほど有名な話だ。しかしこのコブラの第一話は単なるパクリで片付けるのはもったいないほど素晴らしい出来だったりする。寺沢武一が描いたコブラの第一話:『復活!コブラの巻』はこういう話だ。


金持ちは惑星旅行に行く未来の時代、サラリーマンであるジョンソンは毎日同じような日々を過ごすことに退屈さを感じていた。安月給のジョンソンはトリップムービー社に行くことにした。トリップムービー社は自分が望む夢なら何でも見させてくれるサービスをしている。スケベなジョンソンは、自分が美女に囲まれたハーレムの王で宇宙怪獣を倒すスーパーマンみたいな夢を希望する。受付嬢は呆れるが希望の夢を見せてくれるという。

トータル・リコール

受付嬢が特徴的!というのは『追憶売ります』でも重要な要素だったりする。

こうしてジョンソンは大冒険のトリップムービーを見る。自分がコブラと呼ばれる一匹狼の海賊で、外見は超ハンサム。左腕に備えた無敵のサイコガンで次々に悪党を倒す。宇宙を飛び回り数々の惑星で大冒険をするのだが、コブラは海賊ギルドとの戦いの最中にキャプテン・バイケンを仕留めそこなってしまう。

トータル・リコール

週刊少年ジャンプでサラリーマンが主人公というのも珍しいな。

夢を見終わったジョンソンは宇宙海賊コブラのトリップムービーに大満足するが、受付嬢は「そんなの出てこない、美女にモテモテの夢のはず」と否定する。なぜ?とりあえず満足したジョンソンだが、帰宅中に夢の中で戦ったキャプテン・バイケンとそっくりな男と会ったので笑い出してしまう。しかし男は「そうさ、俺はキャプテン・バイケンさ」と言って、ジョンソンに銃を突き付けてコブラのことを聞き出そうとする。ジョンソンは「これも夢か?」と焦り出すが、そのときジョンソンの左腕が破れてサイコガンが出現してバイケンを撃ち殺す。そしてジョンソンは失われていた記憶を思い出す。自分がコブラだった過去を。

ジョンソンがトリップムービーで観たのは夢ではなくて、過去の自分の記憶だったのだ。海賊ギルドとの戦いに嫌気がさしたコブラは、3年前に整形手術を受けて自分の記憶を消して平凡な生活を送っていたのだ。しかし今の顔も海賊ギルドに顔が割れてしまったので、コブラは再び大冒険の日々に戻るのだった…


これがコブラの第一話だ。映画『トータル・リコール』で一番キモである「これは現実なのか?それとも夢なのか?」という点は『コブラ』ではほとんど使っていない。『コブラ』オリジナルのアイデアで抜群に面白いのは、宇宙で大暴れするコブラは平凡な生活を望み、平凡な生活をしているジョンソンは宇宙で大暴れする生き様を望んでいるという点だ。このアイデアは普遍的なので現代でも十分に通じると思う。あと本当のコブラは超イケメンで、わざと変な顔に整形したというのも面白いね(注:整形後のコブラの顔はいつもニヤケているだんご鼻)。

トータル・リコール

宣伝用に作られたトータル・リコール社のウェブ・サイト、ミニスカ着物姿の受付嬢が案内する。夢の職業一覧に「ビデオ・ゲーマー」があって笑ってしまうが、これはX-boxとのタイアップキャンペーン。それよりも「スポーツアナウンサー」があるのが嫌だ。日本人だったら誰も織田裕二にはなりたくないよ!

オマケ:トータル・リコール アイドル編

[amazonjs asin=”4150118639″ locale=”JP” title=”トータル・リコール (ディック短篇傑作選)”]
[amazonjs asin=”4840113203″ locale=”JP” title=”COBRA 1 (MFコミックス)”]

やり直しになる映画シリーズ

土曜日, 5月 5th, 2012

映画にはリブート(再起動)っていう言葉がある。今度公開される新スパイダーマンみたいにシリーズを無かったことにしてやり直すことだ。今回はそんなリブート作品を集めてみたよ。

アメイジング・スパイダーマン

スパイダーマン

サム・ライミ版(3本作られた)

スパイダーマン?3 [Blu-ray]

ボンクラテイストを強めにしたこのシリーズ超好きだったんだけどなー。『スパイダーマン4』がキャンセルとなったためにスッキリした完結は迎えなかった。

アメイジング・スパイダーマン(2まで決定)

アメイジング・スパイダーマン

『スパイダーマン4』がキャンセルとなったためにリブートされることになった。監督は『(500)日のサマー』で長編デビューしたばっかりの人。

バットマン

バットマン オリジナル・ムービー(1本作られた)

バットマン オリジナル・ムービー (劇場公開版) [DVD]

1966年版、オープニングで「荒唐無稽の楽しさ、バカバカしさを愛する人にこの映画を捧げる」とメッセージが出てくるほどのバカ映画。

ティム・バートン&ジョエル・シュマッカー版(4本作られた)

バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲! [DVD]

監督が代わるのはまだしも、バットマンを演じた俳優もコロコロ変わるんだが……でも一応同じシリーズ。『Mr.フリーズの逆襲』が失敗したためにシリーズ終了。

クリストファー・ノーラン版(3部作で完結予定)

リブート

『ダークナイト(2008)』はアメリカで興行的に大成功を収め、映画史に残る名作として扱われている。リブート作品の成功例だろう。

ハルク

アン・リー版(1本で終了)

ハルク 【ユニバーサル・Blu-ray disc 第1弾】

この作品の大失敗によって台湾出身アン・リーはハリウッドでの仕事が不可能になると思われたが、『ブロークバック・マウンテン』で見事に復活。

インクレディブル・ハルク(アベンジャーズに転職)

インクレディブル・ハルク [Blu-ray]

今度はアベンジャーズの一員として復活した。監督はフランス出身のルイ・レテリエ。

スーパーマン

カーク・アレン版(映画は2本作られた)

1940年代のスーパーマン。映画以外にもアニメやラジオとかいっぱいある。

ジョージ・リーヴズ版(映画は1本作られた)

1951年のスーパーマン。ジョージ・リーヴズは「スーパーマンの呪い」でも有名。

クリストファー・リーヴ版(4本作られた)

スーパーマンIII 電子の要塞 [DVD]

一番有名なのはこのシリーズ。1978年~1988年の映画。だが著しく出来の悪いスーパーマン3とスーパーマン4を無かったことにされて21世紀にリブートされる。

スーパーマン リターンズ(1本で終了)

スーパーマン リターンズ [Blu-ray]

リブートというよりもスーパーマン2の直接の続編だけど、イマイチな結果なので終了。

Man of Steel)

リブートして2013年から始まる予定の新シリーズ。監督は『300』のザック・スナイダー。

パニッシャー

ドルフ・ラングラン版(1本で終了)

パニッシャーがヤクザと戦う映画。

トーマス・ジェーン版(1本で終了)

パニッシャー [Blu-ray]

パニッシャーが駐車禁止する映画。

レイ・スティーヴンソン版(1本で終了)

パニッシャー:ウォー・ゾーン [Blu-ray]

どれも1本でシリーズ化に失敗しているので、逆にシリーズに思えてくる。頑張れぱにっしゃー!。

ゴジラ

昭和ゴジラシリーズ(15本作られた)

【東宝特撮Blu-rayセレクション】 ゴジラ(昭和29年度作品)

ゴジラシリーズは何度リブートしても第1作の設定が不変で、無かったことになるのは第2作目以降なのが特徴的だ。つまり「1954年に放射能で巨大怪獣になったゴジラが日本を襲った」という事実だけは絶対に変わらない。

平成ゴジラシリーズ(7本作られた)

【東宝特撮Blu-rayセレクション】ゴジラ<昭和59年度作品>

昭和ゴジラシリーズを無かったことにして、1954年のゴジラ第一作の直接の続編として製作。1984年のゴジラはビルのほうが背が高い。そして1995年にゴジラはメルトダウンする。でも世紀末にリブート!

ミレニアムシリーズ(5本作られた)

ゴジラ2000     -ミレニアム― [DVD]

昭和ゴジラシリーズも平成ゴジラシリーズも無かったことにした。ミレニアムシリーズは毎回リブートがかかっているので、それぞれ独立した作品だ。

ゴジラ×メカゴジラ [DVD]

ただし『ゴジラ×メカゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』だけは繋がっている。

ゴジラ FINAL WARS)

【東宝特撮Blu-rayセレクション】 ゴジラ ファイナル ウォーズ

最終作でも再びリブート。というわけでゴジラのリブート回数はなんと6回!

ゴジラ 3D

GODZILLA [DVD]

残念な結果となったエメリッヒ版ゴジラだけど、ハリウッドゴジラもリブートの計画が進んでいる。『ゴジラ 3D』が2014年公開予定。

デアデビル

ベン・アフレック版(1本で終了)

デアデビル/ディレクターズ・カット [Blu-ray]

駄作だったけどスピンオフの『エレクトラ』はもっと酷い。
2014年にリブート予定。

ファンタスティック・フォー

ティム・ストーリー版(2本で終了)

ファンタスティック・フォー:銀河の危機 (特別編/初回生産分限定特典ディスク付・2枚組) [DVD]

この画像の一番左のおっさんが主人公のゴムゴム人間なんだけど、ジェシカ・アルバの陰に隠れている。リブート予定あり。

ハムナプトラ

ブレンダン・フレイザー版(3本で終了)

ハムナプトラ2/黄金のピラミッド   (ユニバーサル・ザ・ベスト第8弾) [DVD]

こんなのリブートしなくてもいいのに…。リブート予定あり

ピンクパンサー

ピーター・セラーズ版(8本作られた)

ピンクパンサー2 [DVD]

主演のピーター・セラーズが途中で亡くなったので、別の人を主演にしてシリーズを続けた。

スティーブ・マーティン版(2本で終了?)

ピンクパンサー コレクターズ・エディション [DVD]

新ピンクパンサー2には日本人も出ているんだけど話題にならなかったね。

ジャック・ライアン・シリーズ

ハリソン・フォード版(2本作られた)

パトリオット・ゲーム スペシャル・エディション [Blu-ray]

この作品の前にアレックス・ボールドウィンがジャック・ライアンを演じた『レッドオクトーバーを追え!』があったんだけどね。

ベン・アフレック版(1本で終了)

トータル・フィアーズ ― スペシャル・コレクターズ・エディション (初回生産限定版) [DVD]

ずっとプリクェルだと思っていたけど、これもリブートらしい。

ガメラ

昭和ガメラシリーズ(8本作られた)

昭和ガメラ Blu-ray BOX I

子ども向け怪獣映画だから仕方ないとはいえ、幼稚すぎて俺は嫌いなシリーズだ。

平成ガメラシリーズ(3本作られた)

【BD-BOX】ガメラ トリロジー 平成版ガメラ3部作収録(2枚組) 北米版(ブルーレイ)(PS3再生、日本語音声OK)

うって変わってこちらは傑作シリーズ!90年代を代表する日本映画シリーズと言ってもいい。

平成ガメラ新生版(1本作られた)

小さき勇者たち~ガメラ~ スペシャル・エディション [DVD]

平成ガメラ3部作が大人向け過ぎたので、こちらは子供向けであることを強調した。でもヒットせずに終了。

仁義なき戦い

深作オリジナル五部作(5本作られた)

仁義なき戦い [DVD]

1973~1974年にリブートかけつつ6本も作られたシリーズ。当時の日本映画のパワフル過ぎ。

深作新シリーズ(3本作られた)

新 仁義なき戦い [DVD]

このシリーズは直接的にはストーリーが繋がっていない。深作以外が監督した別作品も3本ある。

エヴァンゲリオン

劇場版シリーズ)

新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 [DVD]

テレビシリーズのラストを無かったことにして映画で完結させようとした。

新劇場版シリーズ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]

エヴァンゲリオンのリビルドらしいが、まあリブートってことにしても良いだろう。2013年に完結する予定だが…。

虹をつかむ男

山田洋次監督・西田敏行版(1本で終了)

虹をつかむ男 [DVD]

プログラム・ピクチャーとして作ったのに第一作でいきなり失敗したためシリーズ終了。

山田洋次監督・西田敏行版(1本で終了)

虹をつかむ男 南国奮斗篇 [DVD]

スタッフも主役も変えずにリブートするという珍しいことやって、また失敗。これでシリーズ終了。そういえば大沢たかおの築地魚河岸三代目シリーズも一作で終わったね。

あと『宇宙戦艦ヤマト』もリブートっていうか設定のちゃぶ台返しが酷いことになっている。『プレデターズ』はリブートのつもりだったらしいけど新シリーズの続編が作られる予定はない。『トランスフォーマー』も2014年に公開される第四作がリブートという噂もあるけど、ある程度は繋がっているらしい。


リブートじゃない作品も載せたりしたけど、リブートやらリメイクやらリビルドやら言葉の定義付けもめんどくさいのでそこらへんは適当。これからも延々とリブートは続くんだろうな、遠い未来には『アバター』もリブートされるかも?


さて、今回のエントリは『Bootleg Vol.0』で俺が書いたコラム『リブート!~繰り返される映画たち~』から解説を全部削除して、最近のリブートを足したものです。『Bootleg Vol.0』が欲しい人は……残念ながらもう入手方法は無いと思うけれど、Bootlegの最新号は2012年5月6日に文学フリマ会場で発売されます!

2011年のワースト映画

日曜日, 1月 22nd, 2012

映画秘宝の2011年 映画ベスト&トホホに参加させてもらいました。すでに発売済みの映画秘宝3月号に「破壊屋」名義で載っていますので、興味がある方は是非チェックしてください。

ところで映画秘宝のトホホは三本しか選べなかったので、ワーストテンをここに載せます。

第一位:プリンセス・トヨトミ

あまりにもくだらなさすぎる。堤真一と中井貴一の演技合戦が台無しになるほどの駄作。おっぱいと天然ボケを振りまくだけのヒロインに驚いたけれど、それが映画オリジナルの設定だと知ったときはもっと驚いた。どういう意図でこういうヒロインにしたんだ?いや意図はすごくよくわかるけどさ。

第二位:わさお

犬の難病モノ展開に口あんぐり(老衰だけど)。典型的な地方自治体の経済活性化映画なので自治体イベントのトライアスロンのシーンが長い。こういう映画って地方イベントを延々と写しているから嫌だ。『八日目の蝉』も島のシーンが長かったね、良作だから気にならなかったけど。

第三位:こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~

人情モノとして面白い。っていう評価はわかるんだけど、香取信吾のキャラクター演技がすべてをブチ壊しにしていた。あとこんな偶然の連鎖が許されるのなら(リンク先ネタバレ)人情話が盛り上がるのも当然だ。

第四位:DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?

興味がないものを観続けるのはキツイけど、これは観た俺が悪い。でもだれ映上位だったから仕方がなく…。

第五位:映画 怪物くん

アメリカ映画に疲れつつあった俺に「日本映画に比べれば何でもマシさ!」という現実を見せてくれた。

第六位:手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく

ブッダは人間救う前に東映を救ってやれよ。何度も映画化してくれるんだから。「シリーズ映画にするつもりが一作目で大失敗!」という点では『エラゴン』を上回る。

第七位:アントキノイノチ

まだDVDが無いので似たようなタイトルで。

前半の展開は結構好きだけど、後半のトンデモっぷりで一気に珍作へ。クライマックスのアレ(リンク先ネタバレ)は俺もやってしまったので、感動よりも笑いをこらえるのが大変だった。っつーかアレでどうやって感動しろと。

第八位:あしたのジョー

プレミアムDVDのジャケットには力石がいない。DVDの購入者を山Pファンのみに絞ってある。

これも前半がまあまあなんだけど、後半で一気に駄作へ。力石戦も酷かったけど、クライマックス(リンク先ネタバレ)はもっと酷かった。

第九位:僕と妻の1778の物語

脚本はまあまあなんだけど、この設定でなんで140分もあるの?

第十位:ランウェイ☆ビート

東京ガールズコレクションの文化祭バージョン。登場人物たちがファッションショーに憧れる情熱が全く伝わらないのに、クライマックスで大金かけたとしか思えないファッションショーが始る。かわいい服を着る楽しさよりも、ファッションの空虚さが表現されていたよ。

日本映画

全部日本映画になってしまった。2011年はアメリカ映画と韓国映画が勢いをなくしてその代わりに良作の日本映画がけっこうあったんだけど……。駄作で比べると日本映画の状況の悪さが継続中なのがよくわかるね。

日本映画はどれも状況説明している前半は面白いんだけど、後半になるとつまらなくなる。

テレビ局映画

テレビ局映画というよりもジャニーズが関わっている映画は、一般の観客のことを無視していて辛い。

テレビ局映画はバラエティ番組っぽい演出で映画を否定しているようなシーンが面白くて、真面目に映画やっているシーンのほうがずっとつまらない。『怪物くん』でその現象が顕著だった。盛り上げる=ダラダラ時間をかけて演出するというのもテレビ局映画最大の欠点。

テレビ局映画の最前線『アンダルシア 女神の報復』が意外と面白かったのは収穫だった。

外国映画ワースト

駄作を並べるとどうしても日本映画だらけになってしまうので、外国映画限定で。どれもそんなに嫌いじゃないので無理やりここに挙げた。だから駄作じゃないよ。

  1. エッセンシャル・キリング
  2. パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉
  3. 世界侵略:ロサンゼルス決戦

『エッセンシャル・キリング』は『アンナと過ごした4日間』の監督の最新作。観ていて修行僧を眺めているだけの感覚に陥った。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』よりも、ジョニデがヤバいことになっている。ロブ・マーシャル監督も『善き人のためのソナタ』の監督もジョニデと組んだ途端にハリウッドの平凡な監督になり下がる。

ここ数年圧倒的に面白かったアメリカ映画だけど『世界侵略:ロサンゼルス決戦』を観た時は「あ、ID4やアルマゲドンの時代に戻ったな」と思った。『世界侵略:ロサンゼルス決戦』はFPS(アメリカでずっと流行っているゲームのジャンル)の影響が強いんだけど、今はFPSがどんどん発展している時代なので、こういう映画観るよりもFPSやっているほうが面白い。

好きなんだけど…

監督:スティーヴン・スピルバーグ、脚本:エドガー・ライト、
製作:ピーター・ジャクソン、音楽:ジョン・ウィリアムズ、撮影:ヤヌス・カミンスキーという俺のオールスターが俺の大好きな原作を映画化した『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』がつまらなかったのは残念無念。

『戦火のナージャ』が三部作の真ん中だとはいえ、リンク先ネタバレで映画が終わったのは悪い意味で衝撃的。IMDBでめっちゃ評判悪いのも納得。

でも2011年は発狂するほどつまらない駄作がなくてホッとしたよ。