03/06/28 映画の壺(ハリー・ポッターと秘密の部屋)、映画の感想更新
ブルー・クラッシュ ★★★★
「サーフィン一筋に青春をかけている少女、彼女の夢は大会で優勝して有名サーファーになること。その日のために毎日大波相手にサーフィンをしている。そんなある日、彼女が勤めているリゾートホテルにアメフトのスタープレイヤー達が休暇で泊まりにやってきた。その中の一人のハンサムでスーパースターのクォーターバックがヒロインに惹かれて「僕達にサーフィンを教えてくれ」。ということでアメフト選手とホテルのメイド(+女子中学生)達がサーフィンで合コン。そのままヒロインとクォーター・バックは恋に落ちてラブラブに・・・」
思わず製作陣の首根っこつかんで「てめえら俺の共感得るつもりあんのかよ!!」とガクガク揺らしてやりたいストーリーですが、実は意外にも硬派で面白い。ドラマは凡庸でしたがオススメできますよ。
この映画ではサーフィンはファッションでもレジャーでも地獄の黙示録でもなくて、あくまでも過激なスポーツとしてとらえています。僕にはあの波は色と形がキレイなだけで、あとは台風情報の波と全く同じに見えました。今まで数々のサーフィン映画がありましたが、この映画に一番近いのは「パーフェクト・ストーム」ではないでしょうか?
相当な労力をかけたと思われるサーフィンの撮影とCGは素晴らしいの一言で、サーフィンするヒロインの顔を波の内側から写すというとんでもないカットもあります。映画としてサーフィンを演出している一方、生身の迫力も重視していてバランス感覚が優れています。編集が下手なのが本当に残念。
で、この映画はどこが硬派なのかというと、「プリティ・ウーマン」のアンチテーゼになっているんですよ。
「マイ・フェア・レディ」から始まって「プリティ・ウーマン」で完成された女性向け映画のスタイルというものがあります。女性の幸せの象徴を素敵な男性の存在と定義して、女性が変化(change)していくスタイルです。そして「私を変えてくれる」男性の条件は「金持ち、ハンサム、優しい、社会的地位がある、私に夢を与えてくれる、夢以外のモノも与えてくれる」という僕達には絶望的な条件でした(”達”つけてゴメンナサイ)。
「ブルー・クラッシュ」のクォーター・バックも全く同じなのですが、[ヒロインは彼からの甘い誘いを(適当に味わった後で)否定します。そして否定したことで、自分のとる道を肯定します]。また女性をチェンジさせる役割のはずの男性が単なるアドバイザーになっている上に、ヒロインに不良から助けてもらうシーンが実に自然な展開。またオープニングで出てくるヒロイン達と行動するゴツい不良男性達に至っては、後半では女性を馬鹿にする単細胞のひがんでいるジモティにまで落ちぶれています。
この「プリティ・ウーマン」に対するアンチテーゼは、別に製作側がそう意識させたのではなくて、今の時代がそうなっているだけなんですね。「男はいたほうがいいけど、まあ私は私よ。」ってな感じで。
僕は「チャーリーズ・エンジェル・フルスロットル」の代替として「ブルー・クラッシュ」を観に行ったつもりだったのですが、意外な拾いもので良かったです。でもやっぱり3人組のサーファーガールの魅力はエンジェルたちの足元にも及ばず、予告編だけでのけぞったデミ・ムーアのビキニ姿の迫力に比べると少女たちのビキニ姿は実に心ともない。
しかしもう再読込も済んだことだし、あとは全開になるだけだ!!
オマケネタ
この映画、少女の青春映画なのにアレが画面に2回も写るってどういうことよ。
地獄の黙示録
映画史上最高の名シーンの一つとして名高い「ワルキューレの騎行」、実は「サーフィンするためにベトナムの村を壊滅させる」というシーンなんです。
またt.A.T.u
長時間残業でまともにチェックしていないt.A.T.uですが、ミュージック・ステーションでドタキャンしたそうですね。最高です!!もっともっと暴れて欲しい!しかもミッシェルガンエレファントが代わりを務めてくれたって、あんたら・・・。
でもサマソニ03のスペシャル・ゲストってt.A.T.uじゃなかったのね。「レディオヘッドが・・・ブラーが・・・」と言ってる人たちがt.A.T.uでモッシュピット作る姿が見れると思ったのに・・・。
ハリー・ポッターと秘密の部屋のミス
●
怪事件が起きてハリーは犯人として疑われる。そのとき校長室にハグリットがやってきて彼の無実を主張する。しかしその根拠がない。
ハグリットの性格を考えるとミスじゃあないけどね。
ちゃんとハグリットが無実の確証を得るシーンも撮影していたのですが、上映時間の関係でカットしたそうです。
03/06/26 映画の壺(その他6)更新
ミニミニ大作戦 ★★
モーニング娘。関連の何かと勘違いされそうですが、マイケル・ケインの同名タイトル映画のリメイクです。
この映画の見所はもちろんシャーリーズ・セロンです。シャーリーズ・セロンがデビューしたその日から世界中の映画ファンが「すっげえつまんなさそうな映画だなぁ、でもまあシャーリーズ・セロンが出ているんだから観てみるか。・・・・・やっぱりつまんない映画だったなぁ、でもまあシャーリーズ・セロンが出ていたからイイか。」という現象を何度も何度も繰り返してきました、案の定「ミニミニ大作戦」も同じパターンです。
映画の内容は強盗団の金塊強奪計画を描いたもので、メンバーは
● マーク・ウォールバーグ演じる強盗計画立案のプロ。
● ドナルド・サザーランド演じる錠前破りのプロ。
● セス・グリーン演じるナップスターの開発者。
● ジェイソン・ステイサム演じるトランスポーター。
● エドワード・ノートン演じる何のプロかわからないが、仕事を見る限りパシリっぽい男。
● 黒人歌手のモス・デフ演じる爆破工作のプロ。幼い頃の彼は黒人らしいアフロに憧れていて、ある日ドリフターズのコントを見て「アフロにするなら爆破だぜ」と10歳の時に爆弾を製作して自爆する(←自爆でアフロが駄目になったのはわかっているのでつっこまないように)。韓国人にガン飛ばされて目をそらす弱気なブラザー。
また途中からシャーリーズ・セロンが加わります。
以下では一応ネタバレを隠していますけど、観に行く予定がある人は読まないことをオススメします。
こういう映画で重要なのは目的ではなくて手段です。このメンバーがミニ・クーパーを使った金塊強奪計画を立てて実行するという手段は実に魅力的なのですが・・・。
彼らがミニ・クーパーを使う理由は、「屋敷の中の金塊を強奪したいのだが、金塊は重い。いかにして金塊を屋敷の外に持ち運ぶのか!という事は一切考えない強盗団。彼らがシャーリーズ・セロンの愛車のミニ・クーパーのデータを屋敷の設計図のデータに入れたら、廊下を通れることが判明した。」というもの。だから強盗団はミニ・クーパーをもう2台注文する。3台のミニ・クーパーが普通の大きさの部屋に入り、戸棚の中にある金塊をどう運ぶかは不明ですが、強盗団はこの作戦を決行する・・・が[やっぱり無しということになってもっと滅茶苦茶な作戦を立てる。]
オイオイこういう映画では、綿密な作戦に観客はワクワクして、その作戦が上手くいかなくなったりするから観客はドキドキできるんだろうが![無し]ってどういうことよ!ミニ・クーパーはもういらないじゃん!ワクワクもドキドキもないじゃん!
と思ったらここで映画は別の展開を見せようとします。マーク・ウォールバーグとエドワード・ノートンのコンゲーム(騙しあい)になると見せかけるのです。そして案の定見せかけだけで終わり。もう一つウクライナ系マフィアが出てきて盛り上がるはずだけど、彼らの役割が観客にバレバレなので空振り。こうして強盗モノ映画なのに緊迫感とミニ・クーパーの必然性が欠如したまま後半へ。
でも後半の作戦も少しは面白いんですよ、予告編で思いっきりバラしている装甲車の確保の部分だけね。あとは「ミニ・クーパーのアクションが5分くらいあれば観客も満足するんじゃないの?」と考えてたとしか思えない支離滅裂な強盗作戦が展開されます
強盗団が使うミニ・クーパーは3台で、敵が使う装甲車は3台なのだから、この不利なギャップが面白くなるのかな?と思っていたら装甲車は関係なくてミニ・クーパーの敵は単車2台、ミニ・クーパー超有利じゃん。っていうかさ、普通ミニ・クーパーの小ささを活かしたアクションを作らない?ミニ・クーパーより小さい敵じゃあ盛り上がらないよ!
ちなみにラストでは劇中の展開が省略されていた[ラブロマンスが完結する]という反則技もやってます。
反則技といえばサスペンスシーンの「金庫を開ける」のシーンも反則です。シャーリーズ・セロンはドリルと極小カメラを使って金庫を開けようとするんだけど[ドリルが使えなくなったので、普通に手でガチャガチャ回して開けることにする。]それじゃあ意味ないじゃん!一応[現実的には鍵開けの超プロは、聴診器が無くても回したときの感触でわかるらしいし、映画的にも父親の遺志を継ぐって構造になっているから]、別にひどすぎるシーンじゃないけど、それは強固な金庫なんでしょ?[手で回して開けてたら]何がスゴイのかわからないよ!
オマケ1:
宣伝で散々「ベニスで撮影禁止令が出たほど激しいアクション!」とか煽っているけどそんなにスゴくないんですが。壊れたものといったらセットの床と壊れるシーンが無かったボートだけのような気が。あ、色々な建造物と擦っていたのが原因ですか?
オマケ2:
ス○イ○ーマンが出演していたような・・・
オマケ3:
一番最初の作戦で1トンを超える金庫が落ちたのに、何で[水の音]がしないの?いや、多分1トンが嘘だと思うけどね。
ブレイド2のミス
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ベッドに縛り付けられたブレイドは脚を貫かれるが、その後ズボンに穴が開いていないシーンがいくつかある。
ウェズリー・スナイプスが嫌がったに違いない。
「穴の開いたズボンを履けだと?オレ様にジーンズみたいな貧乏人ファッションしろというのか?」
03/06/23 HTML等修正
8Mile ★★
8Mileロード。その周辺はデトロイトにある荒んだ地域。普通に生活している中流階級は皆無。この町を我が物顔にしているチンピラ達はみんな親と同居中。あまりにもチンピラだらけなので、どちらかというと学歴が無い人間のほうが優遇されている世界。ここに住んでいる人達に怒られそうな事を書いてしまいましたが、映画で判断する限りその通りなので仕方が無い。
8Mileではサタデー・ナイト・フィーバーの代わりにラップバトルが繰り広げられています。ラップバトルとはワックをディスりまくったリリックをライムとフロウに乗せてドープなラップを決めることですが意味がわからない人は、
厨房の揚げ足とりまくったカキコを色んなテクニックで煽って掲示板を荒らすことと同じ事だと思ってください。っていうか谷川俊太郎の詩のボクシングで雰囲気が荒れた時と全く同じだと思ってください。
映画「8Mile」は青春映画です。学校を中退した男が、友情、恋、家族関係、慣れない仕事、将来に悩みながら、自分の力で自らのアイデンティティを肯定していくのは青春映画の構造です。ただこの映画が通常とは違うのは、監督がカーティス・ハンソンであるという事と、主役がスーパースターのエミネムであり彼の自伝的な映画だということです。しかも職人監督のカーティス・ハンソンはエミネムの物語がサクセス・ストーリーだということを否定して、負け犬がさらに負け続けてもラップを武器に闘争していく重量級の青春映画に仕上げました。
世間ではかなりの高評価を得ている8Mileですが、僕は2つ星で評価が低いです。残念ながら「自分の置かれている状況への怒りをHIP-HOPというスタイルに変換してラップとして吐き出す!」には見えなくて、単に悪口の言い合いに思えてしまったからです。他人を否定するスタイルのラップが、クライマックスで[逆説的になってそれが自分を肯定]する構造もあまり面白みを感じませんでした。
エミネムを知らない人のためにちょっと解説:
普通の人はHIP-HOPと聞くと、あなたの最寄駅の前できっとたむろしているB-BOYSなんかを連想するかもしれませんが、彼らが聞くのはキングギドラとかなので大丈夫(←何が)。僕はラウドミュージック(マトリックスのエンディングにかかる類の曲ね)のファンで、その延長でエミネムも聞きます。エミネムは白人でありながらHIP-HOPの寵児とも言うべき存在で、映画では怒りや復讐がエミネムのスタイルのように思えますが、実際のエミネムはポップ・アイドルでもあります。大ヒット曲の「マイネーム・イズ」や「リアル・スリム・シェイディ」はかなりポップな曲調です。エミネムの恐ろしいところは意図的にポップ・アイドル化しているのに、そのスタイルが超攻撃的なところです。一般的には他のアーティストへの罵詈雑言が有名ですが、実際のエミネムは同性愛者への攻撃や、女性蔑視を「正当な権利」として主張するとんでもない悪童です(傑作と名高いザ・マーシャル・マザーズLPには聞いてて鬱になるような曲がいくつかある)。
オマケネタ1
劇中に「このナチ野郎!」「俺はナチじゃねえよ!」という罵り合いがあったのですが、英文を読んでみてビックリ。ナチという言葉は使っておらず、実際は「このドイツ人!」「俺はドイツ人じゃねえよ!」でした。ドイツ人ってそれだけで悪口になっているんだ。日本人もなっているけどね。
オマケネタ2
エミネムがプレス工場で働いているって、あれ「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に関するギャグですか?プレス音がビートにならないかと不安だったぞ。
オマケネタ3
パンフレットの出来が悪いです、特に日本のアーティストの映画評が。パンフレットに載せる映画評で10行しかないやつなんて始めて読んだよ。それにこの「8Mile」はカーティス・ハンソンの新作なのに映画評論家の解説が一行も無いのも納得いかない。
オマケネタ4
パンフレットにも書いてあるし、世間でも何度も言われていることですし、ザンダー兄貴も「ラップこそが音楽だ」と言ってます。
「ラップが暴力や銃や麻薬を性差別を表現しているからといって、ラップを聴いているファン達も同じわけではない」
全くもってその通りです。マンソンやプロディジーを聞く僕も同じ思いをしていきました。でもラップを聴いている人たちではなくて、歌っている人たちはソッチ系の事件が非常に多いのですが・・・。
ブルー・クラッシュのミス
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ウェットスーツを着ようとしない。常にビキニを着ている。
それはミスではない!真実だ!!
03/06/21 映画の壺(トリプルX)更新
ウォーターボーイズ ★★★★★
ただの高校、じゃなかった唯野高校を舞台にした青春映画の傑作です。公開時にこの映画を「フル・モンティ」と比べた映画評を読んだ事がありますが、「ウォーターボーイズ」の圧勝でしょう。こっちのほうが若いし、体もキレイだし、なんせ乳首の数が圧倒的に多い。
矢口史靖監督はこの映画を漫画としてとらえたので脚本は穴だらけ。秋の文化祭のために夏休み前から釣堀作るし(あのバスケ部は水産の専門家か?)、夏を犠牲にして努力したボーイズ達に、努力はあまりせずに楽しみ半分でやってきた仲間達がアッサリとくわわるし(ただし現実の役者達は全員相当な努力をしている)、[火事を消すのにプールの水がほとんど消える]し(でもここらへんの展開はすごい上手い)、ラストで[ヒロインは主人公にパンツをプレゼント]するし(文化祭が終わったら妻夫木君は彼女にどういう意図なのかよく聞いておいたほうがいいと思うぞ)。どれも上映中にも気になるような大きな穴だけど、脚本の心情変化や人間関係は完璧。それ以前に役者もスタッフもみんなひたむきなので映画のマイナスにはならない、むしろ脚本の穴すら好感が持ててきます。そう思うだろ?リュック・ベッソン!お前も映画を漫画(バンド・デシネ)として捉えているしな。
このひたむきさというのは重要です。劇中のウォーターボーイズのひたむきさと、撮影合宿形式を取った役者達のひたむきさがシンクロしているので観客もそれを感じ取って感動できます。また映画とは観客を虚構の世界に引きずり込むことが目的ですが、この映画では観客もひたむきさに打たれてウォーターボーイズ(または文化祭の観客)とシンクロすることができます。また妻夫木君のひたむきさは大根役者振りもかわいらしく感じさせます。でも妻夫木君、「ドラゴン・ヘッド」予告編の演技はギャグかと思ったぞ。
撮影合宿:夏休み等に役者もスタッフも一緒に合宿をして映画を製作する日本だけの珍しい制作方法。
感想はまた別の機会に
● ミニミニ大作戦 ★★
とんでもないヤツが特別出演していたような。
● ソラリス ★★★
ソダーバーグが映画ファンに嫌われる理由がようやくわかった。
● 六月の蛇 ★★★
T-Xもビックリ
● 8Mile ★★
かなりの高評価ですが、僕にはイマイチでした。
「ターミネーター3」の予告編の出だしで、ジョン・コナーの台詞の音声がちょっと変なのが気になるのですが・・・。それとミニシアター系の映画館はもう「カクト」の予告編をかけるのを辞めて欲しい。ミニシアターのこういうところ(東京中のミニシアターが何度もつまらない予告編を流す)が大嫌い。
トリプルXのミス
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スノボのシーンではセッティングのシーンと滑っているシーンで、レギュラーとグーフィ(スノボを脚に固定するときの向き)が代わる。
スタントマンと利き脚が違ったのね。
03/06/21 映画の壺(その他6)、映画の感想更新
また記録
最近アクセス数が増大したのは最高最大の個人ニュースサイト、連邦さんに取り上げられたからです(取り上げられた日の夜に、会社の友人から連絡があって気がついた。)、結構ビックリしてました。破壊屋は3年かけて10万アクセスを達成しましたが、連邦&リローデッド公開&マトリックステレビ放映のときは3日間で3万5千アクセスありました。最近「一日1000アクセス超えた!」とか「10万ありがとう!」って書いたばかりなのに。
ようやくアクセス数も落ち着いてきました。これからも映画に詳しい人も、映画を全く知らない人にも楽しめるサイトになるように留意していきます。
ザ・コアのミス
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鳩達は車のフロントガラスを突き破るが、車の窓は強化ガラスなのでこれは可能ではない。
だからといって現実に即した演出だったらグチャ!ってなっちゃうので、これは正しい判断でしょう。
アバウト・シュミット ★★★★
人生って何さ?
映画では何度も何度もこのネタは使われてきました。映画に限らず小説でも歌でも絵画でも描かれてきたネタです。「アバウト・シュミット」は「男の人生なんて何にも残らないんだよ、
あなた達(観客)もそうでしょ?」という映画です。これが黒澤明の名作「生きる」だったら後半全部注ぎ込んで人生に残したものを見せてくれますが、「アバウト・シュミット」は延々と
主人公シュミットが何も残せなかった現実を描いていきます。演出はコミカルで笑えるのですが、映画に対する笑いという構造の他に、中高年に対する自虐的な笑いという構造にもなっており・・・何て偉そうな事書いたけどそれじゃあ
綾小路きみまろと同じか。
20代以上の方(特に男性)全てにオススメです。演技、演出、脚本、撮影、どれも非常に素晴らしく画面の小物や人物の配置も上手いこの監督は注目しておいたほうが良いですね。
くだらない話1:劇中とある女優のヌードシーンがあるのですが、このヌードのボリュームは「チャーリーズ・エンジェル」の3人を足した量よりも大きいですよ!これは
ドリュー・バリモアのふくよかさを考慮しても断言できます。
くだらない話2:劇中唐突にネイティブ・アメリカンが登場して彼らの迫害を過去を説明するシーンがありました。最初は意味不明だったのですが、ラストに[
シュミットが自分の人生とアメリカの開拓者達(ネイティブ・アメリカンを迫害した)との人生を比べ、開拓者達を讃える]シーンがあって納得。これがポリティカル・コレクトネスに関する配慮ですね。
ポリティカル・コレクトネス:アメリカで起きた現象。差別的表現はいけないので、別の言葉に言い換えること。差別に対する動きは理解できるが・・・。
● 黒人→アフリカ系アメリカ人
● 特定の宗教→思想的に異なる人
● デブ→
水平方向に挑戦がある
● チビ→
垂直方向に挑戦がある
トリプルXのミス
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ザンダーが喫茶店で扱うショットガンには引き金がない。
ハリウッドでは銃器の撮影に関する安全規制が超キビシイので、引き金が無かったり、マガジンが抜かれていたりするのは当たり前です。何故なら日本と違って本物が紛れる可能性があるから。