ちょっと前から映画製作は地方活性の手段として注目されていた。フィルム・コミッション(撮影場所誘致や撮影支援をする公的機関)ってヤツね。映画のスポンサーとなった地方側はロケ地の提供、製作費の一部負担、そして大量の前売り券を購入する。
地方との結びつきが一番わかりやすいのは釣りバカシリーズで、映画のタイトルからどの地方が舞台になっているのかわかる作品もある。『浜崎は今日もダメだった♪♪』『ハマちゃんスーさん瀬戸の約束』『あとは能登なれハマとなれ!』とかね。
ケータイ小説『赤い糸』では、主人公たちが大阪に修学旅行するシーンがある。ただし大阪の描写はほとんど無くUSJがちょっと登場するくらいである。ところが『赤い糸』の映画化・ドラマ化の際には修学旅行先が長崎に変更された。そして本編では長崎の観光地各所が次々に出てくるのだ。みんなで平和公園や出島に行き、ヒロインはグラバー園ではじめてのキスをする。長崎のフィルム・コミッションが全力で頑張ったのだろう。
『赤い糸』はメイとアッくんの物語だ。メイは長崎でアッくんのために名物のビードロを作る。次に画面が切り替わるとメイを想って思い出のチョコレートを食べるアッくんが出てくる。この2シーンは実際に連続している。そしてこの映画のスポンサーは長崎県とグリコだ。メイとアッくんの愛のアイテムがスポンサー絡みの商品になっている。
単なる撮影協力だけではなくて、地方がメインで製作している映画も何本かあるけど、どれもマイナー作品だ。でもメジャー映画で地方主体の作品が出てきた。それが現在公開中の『桜田門外ノ変』だ。『桜田門外ノ変』は県民創生映画と銘打っていて、茨城県の市民団体が企画し、茨城県が全面的に撮影協力している。本当の桜田門は東京にあるけど、桜田門外ノ変を起こしたのは水戸藩の浪士たちだ。映画製作にあたっては茨城県内に2億5千万円をかけて桜田門のオープンセットを建築。撮影終了後の今は観光地として使っている。
残念ながら映画『桜田門外ノ変』はあまり面白く無いし、それほどヒットしておらず、茨城県民たちの熱い想いはちょっと無駄になってしまった。何が悪かったのかはわからない。破壊屋的には主演を務めた大沢たかおが悪い!ってネタにしたいけれど、こういう地方映画で主演してくれる大沢TKOはきっとイイ人だ。
ただ映画を観る前から「あ、茨城県映画はダメだな」ってハッキリわかっていた。だって映画が始まる前のCMが茨城空港なんだもん。
上映前に流れたのは「みんなで作る茨城県CM動画プロジェクト」という企画で、茨城空港のCMはその中の一部。300回失敗してもめげないのが茨城県民だけど、300回失敗するのが茨城空港だ。
こちらは茨城空港のCM。「ソウルへ!」「神戸へ!」「駐車場無料」で終わる。
まあ我が横浜も横浜港開港150周年祭が大失敗して、市長は逃げるわ、スポンサー企業から訴えられるわで酷いことになっているんだけどね。地方を牛耳っている支配階級の人たちをぶっ殺す地方活性化映画って無いのかな?
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