05/02/24 映画の壺(その他8)更新
MAKOTO ★★
「踊る大捜査線」「恋人はスナイパー」等といった、
トンデモ映画を送り出してきた君塚良一。そんな彼の初監督作品の「MAKOTO」。もちろん脚本も書いてますよ!
以下は前半の解説、序盤のみネタバレ。
東山紀之演じる監察医は死者の霊が見える。死者達は彼に何か伝えたいことがあるのだ。だが霊達は喋ることができない。彼等は見つめるのみ・・・。
監察医達は今日も殺害された死体を解剖する。解剖する部屋は病室というよりも
廃病院。
もちろん照明は切れていて暗い。医者達はみんな
濃い紫の服を着て青いエプロンをしている。死体の解剖が進むたんびに
カメラマン達が死体をパシャパシャ撮影している。・・・まるで
ギャグのような死体解剖シーンです。
素手で解剖するシーンも有るし。君塚脚本は
映画として嘘をつくべきところと、リアリティを追求するべきところをいつも間違えているのだが、それは演出でも同じでした。
ある日東山紀之は少女の霊を見る。つまり少女の死に何か秘密があるのだ。彼は早速病院内にある検死の終わった少女の死体を調べる。そして
少女の体が痣だらけなことに気がつく・・・
検死したんでしょ?誰がどう見ても虐待の痕なわけだが、
ウッカリ死斑と間違えてしまったので虐待に気がつかなかったのだ。この病院の監察医達はみんな医者失格ですね。
もう一つ女子大生殺害事件も起きた。みんな現場に駆けつけるが、現場では土砂崩れが起きそうなので、全員現場から走って逃げ出す(このシーンは意味不明だった)。殺された女子大生はもちろん幽霊になった。女子大生の父親である武田鉄矢は、娘の死体が解剖された病院で刑事の聴取を受ける。普通聴取を受けるのは警察署じゃないの?
聴取の結果、女子大生と交際していた相手が被疑者となった。病院での刑事達の会話
刑事1
「被疑者は行方不明です!」
刑事2
「行方不明!よっしゃ行くぞ!」
どこに行くつもりだ。何でこういう台詞を書く脚本家が大物扱いされるのかなぁ。
東山紀之と同僚の室井滋は、少女の虐待を報告しないで少女の死体を
無許可で解剖する。
それは死体損壊って言うんだよ。とりあえず
少女の頭を壊す東山紀之、その結果少女の脳の奥に傷があることに気がつき、
「この少女は高いところから落ちて、それが原因で死んだ」ことが判明する。どーして
脳の奥に傷があるだけで高い所から落ちたってわかるの?そんなことより
外傷を見ろよ。
東山紀之と室井滋は少女の母親に会いに行くが、何も掴めない。そこで二人は刑事の哀川翔を連れて(以下、この3人を三人組と表記)、少女が泣いていたという公園に行く。公園には
高い台があったので、三人組は少女がこの高い台から落ちたと推測する。
少女の通夜。だけど参列者は誰もいないし、葬儀社の人間以外は全員私服。この辺の
リアリティの無さが「MAKOTO」の致命的な部分です。
三人組は母親に虐待の有無を問いかけ、母親は虐待を認める。刑事は証拠が何も無いけど
「お前が少女を高い所から突き落として殺した」と問い詰める。なんだこの
短絡した推理は?
だが母親は本当に少女を殺してはいないらしい。どうして少女が死んだのだろうか?東山紀之は母親に
「少女(の霊)は公園で待っている」と伝える。そこで三人組と母親は公園に向かう。そして
母親は誰も見ていなかった少女の事故シーンを回想する(何で誰も見ていないのに回想できるの?編集おかしくない?)。そして真実が明らかになった。
母親
「娘は公園の高い台に昇って、
新横浜プリンスホテルを見ていて落っこちたのね」
室井滋
「それが真相だったのね・・・」
オイ!
そんなんで信じるなよ!しかしその瞬間、信じられない、というか僕は爆笑してしまった奇跡が起きる!
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雑談
僕が働いている職場には他社の人間だけど韓国人が多い。最近そのなかの一人と色々話した。当然僕は「オールドボーイ」や「殺人の追憶」をベタホメして、2004年の韓国映画の躍進を称えました。そして「昔は日本映画の方が圧倒的だったのに、今はもう逆転されちゃって韓国映画の方が素晴らしいんですよね」と言ったら、その韓国人に反論されました。「何言ってんですか!日本映画のほうが全然素晴らしかったですよ!「いま、会いにいきます」とか「世界の中心で、愛を叫ぶ」とか素晴らしかったですよ!」
やはり隣の庭のほうが青く見えるのだろうか。というかお互い映画の趣味を交換すれば、2004年は平穏に過ごせたのかも。でも「いま、会いにいきます」も「世界の中心で、愛を叫ぶ」も、僕が食わず嫌いしているだけなんだよな。
それにしてもこの韓国人と話するのが面白い、優しい人なので色んなこと聞きまくっている。
「やっぱサッカーは北朝鮮を応援するんですか?」(そうだった)
「太陽政策って進んでるですか?」(当たり前だが韓国人に”太陽政策”と日本語を言っても通じない。説明するのに苦労した。「太陽!太陽!」って僕が言ってただけだけど)
「そっちのグループには元軍人いますか?」(いた)
「ソテジって今何やってんですか?」(韓国の革命とまで言われたモダン・へヴィネスのミュージシャン、日本デビューしたが速攻で消えた)
「韓国人はドロップキック、朝鮮人は頭突き、日本人は関節技という僕の考えは間違ってないですよね?」(困っていた、っつーかどれも間違っている)
● THE JUON / 呪怨、ステップフォード・ワイフ、サスペクト・ゼロ ★★★
今日はもう寝ます。
05/02/20 TOP文のみ更新
アレキサンダー ★★★
男同士の絆が国家を築く。まるで男塾のようなテーマをアリストテレス先生から教わった少年アレキサンダーは、「絆」を「愛」に拡大解釈して立派なホモになる。
古代ギリシャでは女性は無視されていて、男同士の絆が高尚なモノだと考えられていた。オリバー・ストーンがそこに焦点を当てた本作は、ええ乳した姉ちゃんが男達に狙われるシーンはないが、その代わりええケツした兄ちゃんがてごめにされて「ウォー!」と悲鳴をあげるシーンがあるような作品です。
大王となったアレキサンダーはアジア方面への大遠征を開始。苦難の毎日だが、夜はベッドで寝そべって美青年と絡みつくような視線を交わす。そんなことばっかりやってるのでアレキサンダー大王には当然跡継ぎが出来ない。じゃあ仕方ないから子作りしようと、征服した土地の王女(アジア人)を娶ろうとする。登場人物全員が「ギリシャ人以外と結婚するなんて許されん!アジア人は低俗だ!」と激怒するが、アレキサンダーは西洋人とアジア人の間にある問題をパッチギって結婚する。
妻が出来てもアレキサンダーの男色と男の絆論は収まらず、インドに侵攻すると現地の美青年とキス。これがキッカケで[アレキサンダーの周辺は崩壊を始める。しかしそれでもアレキサンダーは西洋と東洋の調和のために遠征を続けるのだ・・・。数十年後、当時のアレキサンダーの部下が「アレキサンダーは東洋との調和とか言ってたけど、アレは単なる征服と支配だったよなぁ」]と、世界中の肌に色が無い人達に突き刺さる言葉を呟いて映画は終わる。
アメリカで公開されて、「トルク」「キャット・ウーマン」と並び2004年のワーストを欲しいままにしている「アレキサンダー」だけど、結構面白かった。アレキサンダーの行為を西洋から東洋への侵略として描きつつも、ちゃんと理由付けをして偉業としては否定しないところが良い。でも3時間の上映時間と、そのボリュームに見合っていない戦争シーンから言って、とてもじゃないけど他人にはお薦めできないな。あ、蛇とたわむれるジョリママはお薦めできます。
オマケ:「グラディエイター」の有名な時代考証ミスで「銅像が着色されていない」ってのがある。「アレキサンダー」はちゃんと着色されているんだけど、やっぱり色がついているとカッコ悪い。
横浜日劇廃館
「濱マイク」シリーズで有名な横浜日劇がもう廃館ですね。横浜日劇は相鉄ムービルと並んで、僕がもっとも数多く通った映画館で、僕の青春の舞台でした。高校時代少ないお小遣いで映画館へ行きたい僕にとって、3本立てで1200円というレンタルビデオ並に安い料金は大助かりでした。月2回必ず日劇へ行って、非常に高い確率で喫煙者やケータイ電話でベラベラ喋っているオッサン達と争ってイザコザになってました(この映画館の客のマナーは、電車の中よりも遥かに悪い)。学校へ登校して、1時間目の授業だけ受けた後にコッソリ抜け出して、自転車で一時間近くかかる横浜日劇へ行って、映画を観まくって、また学校まで帰って部活のハンドボールをする。それが楽しくてしょうがなかった。高校生の頃の体力って凄かったんだなぁ。 そういえば大学受験のために映画断ちしていたんだけど、最後の大学受験が終わった時、試験会場からそのまま横浜日劇へ直行して「コン・エアー」と「フィフス・エレメント」を観た覚えがある。あの時は映画を観ながら受験からの開放感をタップリ味わっていた。もうちょっとマトモな作品ならイイ思い出なんだけどね。
横浜日劇は映画館としては非常に悪い施設で、音声はブツブツ雑音が入って、映像はゴミだらけだった。時間調整のため、朝の上映はフィルムの途中から上映開始していた。映画館通っていても滅多に遭遇しない上映事故なんてのもしょっちゅうだった。ロビーにトイレがなくて劇場内にあるというのも凄かった。ちなみに僕はこの映画館のトイレで何度か(気持ち悪い文章なので注意)[小便器に大便]があるという現象を見た。いつも詰まっているのね。ゴキブリとかも普通にいました。映画館の周囲は風俗店だらけ。いや風俗店ならまだマシだ、いわゆる夜の蝶(もちろん違法)が一杯いた。僕は一度無理矢理腕を引っ張られてビビってしまい、「お金無いんです!お金無いんです!」と声をあげて逃げたことがあります。今思うと普通に振り切れば良かったんだから、かなりカッコわるい。
ホント最悪の映画館だったけど、とにかく大好きな映画館だった。でも大学生になって東京方面に出るようになって、バイトを始めてお金があるようになって、女の子と映画に行く機会があるようになると、横浜日劇には行かなくなった。でも僕の映画人生で横浜日劇が一番重要な場所だ。
ちなみに僕が横浜日劇で一番最初に観た映画は、アベル・フェラーラの「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」でした。
雑談
バレンタインデー・イブで三連休の最後の日。僕は独りで舞浜ディズニー・リゾートにいました。ケミカル・ブラザーズのライブに行くためです。ライブってのは妙な一体感があるので、寂しさを感じる必要はそんなに無いはずなのですが、いつもと違って今日はケミカル。だから周辺にはクラブ系のオサレな女性達が一杯・・・。そんな中ヴェルヴェット・リヴォルバーTシャツの僕は非常に場違いでした。わかってて着たんだけどね(HR/HMのTシャツはアキバ系の次にお洒落とは無縁な服、クラブ系からは嫌われている場合も多い)。でもカップル達が僕を見る目が気になる・・・っつーか今年のバレンタインデーはホント何も起きなかった。lこんなことは思春期以来始めてだ。周囲から貰えなかったのはともかく、親戚の女の子からも何も貰えなかった。バレンタインデーの釣果に血縁関係者を含むのは邪道だと思うが、血縁関係者とは言え一個も貰えないとさすがに「我が血筋も遂に途絶えたか」という気になってくる。
えーとライブの感想を何も書いていませんね。後ろの方だったのであんまし踊ることもなく、体を揺らしていただけで、時々ピョンピョン飛び跳ねていました。
● ボーン・スプレマシー ★★★★
日本じゃイマイチ受けなかったような気がする「ボーン・アイデンティティー」の続編が大掛かりに宣伝されているのが、ちょっと意外。
僕は頭の悪い娯楽映画が大好きで、いつも娯楽映画の頭の悪さを喜んでネタにしているんだけど、本当の娯楽映画ってのは「ボーン・スプレマシー」のようにスマートさを持ち合わせているはずなんだよね。
05/02/17 TOP文のみ更新
ローラーボール ★
本日TV東京が放映する「ローラー・ボール」は凄い映画ですよ。IMDBでの評価は「トルク」をさらに超えて、映画史上最悪の50本の中に入っています。
カザフスタンの悪の大金持ち(こーいう設定を使ってくる時点でダメな映画である)が、過激なスポーツ番組を考案。主人公はそのスター選手だったが、この番組には視聴率アップのために毎回事故が仕組まれていることに気がつく・・・という映画。まるで繋がっていないアクションシーンと、まるで説得力が無いストーリー展開は慣れると心地よくなってきます。みんな同じ格好なので主人公だけ区別がつきにくいように思われますが、主人公だけプロテクターつけないでTシャツ着ているのですぐにわかります・・・ってそれはバカだろう。もしアメフトでプロテクターつけないでTシャツ着ているヤツがいたら間違いなくバカ、それと同じだよ。
他にもバイクで砂漠を走る主人公を追うために、飛行機が砂漠を走るシーンもバカらしくて最高。悪の大金持ちの陰謀が、このスポーツ番組がアメリカで放映されることというショボさもたまらない。しかも途中で折り紙教室に放送枠を取られるという情けないシーンもあります。
まあ観る人いないと思いますが、ちょっと気になる人はネタバレでも読んでください。クライマックスで悪の大金持ちが番組のルール無用を打ち出して、単なる殺人ゲームになると、[選手達が嫌がって帰り始める。そしてブチ切れた主人公が「殺人してやるよ!」とばかりに悪の大金持ちや側近を撲殺銃殺する]。これが映画のオチです。
雑談
1月は楽だったのに、2月が急に忙しくなって相変わらず映画観れてません。スノボもハンドボールも行っていない状態。
ソニックマニア公式サイトより、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー評。
「ライヴを見てスラッシュとダフとマットがスコットを必要とした理由がわかった気がする。」
普通の文なんだけど、原文をよく読んでみると・・・「 I understood Slash & Duff & Matt needed Scott.Scott works to blow away "Axel Rose".」って「スコットの活躍はアクセル・ローズを吹っ飛ばす」っていう一文を訳してないじゃねーか!配慮した結果なんでしょうね。
(解説:ガンズ&ローゼズという奇跡のようなバンドがいた。しかしボーカルのアクセル・ローズを残して、メンバーがみんな脱退。脱退した彼等はスコットをボーカルに迎えてヴェルヴェット・リヴォルヴァーを結成した。)
05/02/14 TOP文のみ更新
ソニックマニア!ロック&ファッキンロール!
みんなが着ているヴェルヴェット・リヴォルヴァーのTシャツがかなりカッコいい。僕も欲しくなったのでみんなでグッズ売り場へ向かい、Tシャツを買って装着。
スパイダーマンがYAZAWAタオルを羽織ってヴェルヴェット・リヴォルヴァーのTシャツを着るという、もうわけのわからんファッションだ。
グッズ売り場の近くでは漫画「BECK」のブースがあったので、しばらくブースを見学。この漫画は大学時代にfg708から借りて読んでいたな。
「BECK」の魅力の一つに、色んなアーティストをもじったキャラが登場するというのがある。映画ネタだと
タランティーノやジム・ジャームッシュを元ネタにしたキャラも出てきた。そして「BECK」のブースに、長髪で眼鏡をかけた男を見て主人公が驚愕している絵があった。さて元ネタは何でしょう?
1:主人公が驚く程の偉大な音楽の人物、2:長髪、3:眼鏡。そんなヤツは世界でほんの少ししかいない、オレは元ネタすぐわかったぜ!絵を指差してfg708に聞く
オレ「これ伊藤政則?」
fg708「・・・ジョン・レノンだよ」
伊藤政則と
ジョン・レノンを間違えるという、洋楽ファンとしてその場で
介錯ナシの切腹モノのミスをやってしまった。いやあ、でも
顔のコンセプトとか似てない?
別の場所ではMTVがざんげ室のパロディネタを収録していた。(解説:
オレたちひょうきん族という昔のTV番組でざんげコーナーがあった。神(ただのオッサン)に罪を告白して許されたらOK、許されずに神が腕をバツに組んだら上から水が落ちてくる)もちろん
スパイダーマンも収録に参加。神の前で
「NYの平和を守るのをサボって、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーを見に来てしまいました!」と罪を告白したら
「いや、それはダメだろ」と神にダメ出しされて、結果はバツ。そしたら上から
タライが落ちてきて頭を打つ。痛くは無いんだけど(底にテープが貼ってあった)、思いっ切りヒビくね、アレは。ちなみにこのとき解説やってたおねーさんがかわいかったです。誰だか知ってる人がいたら教えて下さい。
ヴェルヴェット・リヴォルヴァーの時間が近づいてきたので、ステージへ戻る。ソニマニ会場にはマンソン目当てのゴスッ娘達が続々と終結していた。ゴスッ娘好きなので見るのが楽しいが、やたら明るい僕はきっと嫌われるので話しかけられない。ヴェルヴェット・リヴォルヴァー目当ての客は、オッサン・ロック・ファンが多い。20代中盤のうちらが若造になってきた。
ヴェルヴェット・リヴォルヴァーの前にやっていたのはジュノ・リアクター(マトリックス・リローデッド、マトリックス・レボリューションズのサントラもやっていたアーティスト)。テクノかと思いきや、結構激しいライブ・パフォーマンスをしていた。ちゃんと予習しておけば良かったかな。
ヴェルヴェット・リヴォルヴァーが始まる前に司会が出てくる。司会もヴェルヴェット・リヴォルヴァーに相当入れ込んでいるようで、客も司会も完全に
”本日のトリはヴェルヴェット・リヴォルヴァー、マンソンは無視”という雰囲気に。僕は思わず
「お前等マンソン観る気ないだろ!」と叫ぶ。心の中で肯定してたヤツ多数だと思う。
ちなみにヴェルヴェット・リヴォルヴァーは単独公演で50分遅刻したらしい。サマソニ02のガンズと同じ位の時間だ・・・。司会が
「長い目で待ってて下さい」と言うとみんな納得して苦笑。しかし遅刻は7分位だった。ヴェルヴェット・リヴォルヴァー登場!
「ロック・アンド・ファッキン・ロール!」
意外にも真っ先に目を奪われたのはスラッシュでもダフでもなくて、スコット(ボーカル)のカッコ良さだった。長身痩躯にピッタシの背広と制帽を被って体をくねらせ「サッカー・トレイン・ブルース」を歌いだす姿に惚れた。「スリザー」のPVを観たときは「何だ?このオッサン」と思っていたんだけど、ライブで観るとメチャクチャかっこいい。観客は大沸騰で、みんな平均年齢の高さを無視して大暴れ。外国人客が凶暴なまでに暴れていて、もちろん突っ込んだが、
あっという間にのされた。途中ガンズの「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」の
次の曲「イッツ・ソー・イージー」を披露して、もう感動。クライマックスの「セット・ミー・フリー」も最高だ。
ヴェルヴェット・リヴォルヴァーはよくありがちな
「過去の名バンドのメンバー達が作ったレベルの高いバンド」じゃなくて、
「今現在最も勢いのあるバンド」であることを確認。もちろん楽曲はサイコーだし、ライブも上手い。でもそれ以上にプンプン香ってくる悪のカッコ良さがたまらない。
ヴェルヴェット・リヴォルヴァー終了して、もう心の中は満足感で一杯。ヘトヘトになっている仲間達と合流、みんなはマリリン・マンソン見ずに帰るつもりなので、クロークに行って着替える。ついでなので僕も元の格好に戻る。
マリリン・マンソンを崇拝しているスパイダーマンというのも絵的には面白いと思うけどね。
帰る前に少し休むために会場内で座れるところを探したいがどこも満席。ところが(ケバブ用の)
長包丁持った男が大声で叫んでいる。周辺ではテーブルとか椅子とか壊れている。そいつから包丁取り上げようとした人が、怪我している。どうもここらへんでケンカがあって、そいつがケバブ屋から包丁を奪ってきたらしい。
もの凄くヤバイ状況で、大慌てすべき場面のような気もするが、もうウチラは疲れて
思考停止していたので、
そいつが暴れて空いた椅子に座って休む。そいつはどっか行っちゃったんだけど、会場の対応は警備員が普通にやってきただけだったぞ。ここのセキュリティは大丈夫なのか?
みんなと別れてマリリン・マンソンへ。マンソンというとどーしても奇抜な部分が目につくが、実はロックとしては真っ当。アメリカという国はキリスト教の国で、神の概念が文化・政治にはもちろん教育や司法にも深く結びついている。そんな状況の中でマリリン・マンソンは
アンチクライスト・スーパースターを謳い上げ、「オレは
神という存在しないヤツの奴隷じゃない!戦え!戦え!戦え!戦え!」(ファイト・ソングより)と叫ぶ。ロックを体制への反抗とするのならマリリン・マンソンほどロックらしい存在も無い。だからといって一部の人向けの音楽でもないし、ゴス向けの音楽でもない。ベスト盤も出しているので洋楽初心者にも十分お薦めできる。
ライブの内容はやはりショーの要素が強くて楽しめる。名曲ばかりのセットリストだけど、「イレスポンシブル・ヘイト・アンセム」、「ファイト・ソング」、「ドープ・ショー」、「ロック・イズ・デッド」(マトリックスの主題歌)といった僕が大好きな曲が多くて嬉しい。そしてラストは90年代ロックの大名曲「ビューティフル・ピープル」!いやーこの曲大学時代何百回と聴いたなぁ。でも何故かマンソンが途中歌うのを止めていた。
アンコールでは「アンチクライスト・スーパースター」を披露。この曲は
ナチスの党大会をパロディにしたショーになるので、凄くヤバイ。最後まで楽しめた。
ソニックマニア、ちょっと客が少ない印象受けたけど、いいフェスだと思うので来年もやって欲しい。
05/02/10 TOP文のみ更新
ソニックマニア!わさげ!
「パッチギ!」の感想書いて色々心配されていますが、大丈夫です。最近の僕の心配事と言ったら、休日出勤と遊びの連続で映画に行けない事くらいです。そして行って来ましたソニックマニア東京二日目!今回はとりあえずコットンマウス・キングスの時に
スパイダーマンに変身。コットンマウス・キングスのライブだと、
そりゃあもうタチ悪いヤツラが大勢いるでしょう。そんな中スパイダーマンの格好でいたら、集中攻撃を受けて
ボコボコにされるでしょう。でもこれが
オレのパッチギなんじゃ!右からも左からもかかって来いやぁ!(注:思想の話ではなくて、物理的な方向の話です。)
会場到着して、とりあえずクローク前でスパイダーマンに変身。そのままメッセ前に入るが、実はマスクを被るとかなり
視界が悪くなるので、ライブステージがどこにあるのかわからなくなった(
マスクだけでも脱げばいいじゃんとかいう人は、僕のシャイな気持ちをわかっていない)。そうしたらスパイダーマンの帽子を被った人とその仲間達が話し掛けてきた。記念写真を撮りたいというので、YAZAWAタオルも出して集合写真撮影。そしてどこへ行けばいいのか分からない僕に、
女の子が腕を組んできて連れてってくれる。
ホント買って良かったぜこのジャージ!
ステージに到着するとスパルタが演奏中。そこでサマソニにも一緒にいたfg708とアクセルに加え、今回は大学の後輩も合流。スパルタがどーいうヤツラだったか忘れてしまったので、fg708に聞く。
僕「スパルタって何だっけ?」
fg708「ほら、マーズ・ヴォルタとの・・・」
僕
「ああ!アフロじゃないほうか!」
(解説:アット・ザ・ドライブ・インというめっちゃ評価の高いロックバンドがいた(僕も好き)。でもメンバーのうち二人が今どき
アフロだった。もちろん彼等は
”ロック界で最悪のヘアスタイル”と散々悪口言われてた。そのうちアット・ザ・ドライブ・インは活動停止して、マーズ・ヴォルタとスパルタという二つのバンドに別れた。活動停止には色々理由があるのかもしれないが、アフロ組がマーズ・ヴォルタになって、非アフロ組がスパルタになったので、僕のようにあまり詳しく人間には、音楽性の相違というよりも
ヘアスタイルの相違にしか思えない。)
まずはコットンマウス・キングス。謎のダンサー:パカリカとDJが登場して、その後MC隊が登場。ありゃ、ライブの時はギターやベースがいると思ったのにドラマーだけだ。時々MCにパンクスが混じっていたのは何だったんでしょう?コットンマウス・キングスのライブは初めてなのでよくわからん。
何曲かやったあとに、大暴れ系の曲「フルスロットル」のイントロが流れてくるので、僕のいた周辺は
全員戦闘態勢に入る!ところが床が濡れていて思いっきり滑るので、みんな転ぶ転ぶ。そして僕はスパイダーマンの格好をしてるのでやはりタチ悪そうな若造達に
絡まれる。ハッハッハッハ、
お前等なんざネットで朝鮮関連の発言することに比べたら、全っ然怖くねー。と思ってたがやはり
数人に捕まってしまい強制ダイブさせられ頭をしこたま打つ。その後は端っこで名曲「BUMP」を堪能。
途中面白かったパフォーマンス
●
「MAKE NOIZE」(スペルミスはわざと)という紙を掲げながら、MCが
「わさげ!わさげ!」と客を煽っていた。
「さわげ」と言いたかったのだろう。
● ダンサーがコンドームを持ってパフォーマンス。
● ダンサーが
FUCK BUSHとパフォーマンス。
● ダンサーが
草が描かれたチャンピオンベルトを持ってパフォーマンス。公式サイトには
世界へヴィー級スモーカー・チャンピオンだと書いてありましたが、
あれはタバコじゃないですよね。さすが
草を愛するコットンマウス・キングス。アメリカの
はっぱ隊と呼ばれているだけはあります(解説:コットンマウス・キングスは歌詞もアートワークも全部
草)。
コットンマウス・キングスが終わると次はアクセルと二人でブンブン・サテライツに向かう。やはりカッコいい。ただし彼等はストイックすぎるのか、過去の先行シングル曲はやってくれない。ブンブン・サテライツというとどーしても孤高のアーティストというイメージがあるので、ライブでメンバーがハシャいでる姿はちょっとカワイイ。ブンブン・サテライツ終了した時、全くの偶然でfg708や後輩に合流する。運が良い。
次はXAVIERとかいうDJのプレイ。全員興味ないのでメシにする。ダレル殺害とか色々洋楽ネタを語り合う。しかしこのXAVIER、XAIVERと読み間違えていたので「ガイバー」って発音するんだと思っていた。まさか
「ザビエル」だとは・・・。
僕の服を見て声をかけてきた女の子の要望に答えて、再びスパイダーマンになる。白人のオッサンとかにも声をかけられる。さっきの若造達にも声をかけられる。若造達と握手すると
「これやるよ!」と軍手をくれたので、
受け取った瞬間捨てた。いいヤツラだったけどね。
05/02/03 TOP文のみ更新
超映画批評の「パッチギ!」論について
2004ベスト&ワーストの時に続いて、ちょっと人様の映画の感想にイチャモンつけます。2004ベスト&ワーストの時も書いたけど本当はこーいうことやりたくない。僕は映画評論家でもライターでもなくて素人の映画ファンなので、映画にイチャモンをつけるのなら、入場料払って観た映画や、購入した雑誌や新聞やパンフの映画評にしておきたい。自分でも映画サイト同士のケンカとかは見ていて悲しくなる。「スクール・オブ・ロック」で秘宝系が論争になったときとかそうだった。「パッチギ!」も頑張って擁護するほど優れた映画でもない。しかもその人様が
プロの映画評論家の
前田有一氏なので色々問題がありそうです(実は2004ベスト&ワーストの時のブラウン・バニーの批評も、超有名ライターの山崎洋一郎氏が書いたものでした)。でも
一番の問題は問題点が朝鮮問題ということなんだよね。朝鮮問題なんて、ちょっとでもどっちか寄り(
というか左寄り)の発言をしようものなら、猛攻撃を開始する人多数。実際以前の僕の「パッチギ!」の感想で大変激怒した人がいたらしいです。そんなにムカついたのなら、あの文章は
「日本人が朝鮮人をコンクリ漬けにするシーンで胸がスッとしました。」にでも脳内変換しておいてください。一応言っておきますが、僕は
政治的なことを言うつもりは無いですし、映画の中で
特定の人種がポシティブに描かれていたからって、それを鵜呑みにしたりもしません。
本来なら触らぬ神に祟りなしですが、まあ別に神はいないし、僕は朝鮮について語る気はまるで無いし、「パッチギ!」について語りたいだけだから大丈夫でしょう、きっと大丈夫、多分大丈夫、もしかして大丈夫。
以下、
緑色の文章は
前田有一氏の超映画批評の「パッチギ!」論からの引用です。
前田氏は「パッチギ!」を
「反日風味がたっぷり」と批判しています。その反日風味の一つとして前田氏は
「無知な日本人少年が朝鮮語を勉強」と書くけど、アレは少年の
好きな女の子が外国人だから外国語を勉強しているだけです。日韓の問題とかは関係なくヨン様のためにハングル語を勉強するおばさん達と同じです。それに朝鮮人達は朝鮮学校内でも日本語で喋っていたじゃないですか。
また前田氏は少年が
「彼らに溶け込むよう努力」しているのも批判しています。少年は朝鮮人のお祝い事の際にギターの流しに行きますが、アレは
好きな女の子とセッションするのが目的に決まってるじゃないですか!主人公にとって朝鮮人にギターでウケてもらうのは、「将を射んとせば、まず馬を射よ」の要領ですよ。付き合ってる異性の家に行ったら、その家族や親戚に気に入ってもらおうとするのは当たり前じゃないですか!少年の行動原理は
朝鮮との友好のためではなくて、好きな女の子と仲良くなるためです。
そして
「「祖先が起こした過去の犯罪的行為」とやらを彼らから知らされショックを受けながらも」って
ショックを受けた理由はそれじゃあないですよ。アレは少年が朝鮮人と日本人の間に流れる溝というか
橋がかかることのない川の存在に気がついてしまったからです。だから少年は川の上でとても大切な、自分と朝鮮人を結んでくれた[
ギターを破壊して川に捨てる]。[
友達が亡くなって弔いに行ったのに、好きな女の子の前だったのに、せっかく同年代の朝鮮人と仲良くなったと思ったのに、川なんてずぶ濡れになっても渡りきったと思ったのに]、それなのに朝鮮人達に拒否されて
悲しくて悲しくてやりきれなくなったんですよ。
とはいえ僕はこのシーンを観て怒る人達の気持ちもわかります。朝鮮側からの恨み節が一方的です。でもああいう朝鮮人が一方的に文句言ってくるのはウチラ日本人が一番よく知っていることじゃないですか。政治的バランスはともかくとして物語としては重要で必要なシーンですし、プロットとしても自然ですよ。このシーンがあるからこそ、少年が[
一度歌とギターを捨てたけど]、朝鮮と日本の問題なんか
どうすりゃいいかわからないから、[
そのもどかしい気持ちを抱えてイムジン川を歌う]シーンが生きてくるのです。
「この映画では朝鮮人側が日本人の立場を思いやったり、歩み寄ってゆく様子がほとんど伺えない。日本人の主人公は彼らの立場を必死に理解しようとし、また歩み寄っているが、彼らの方は結局日本を認めてはいない。 」
前田氏は途中で怒って劇場から出てしまったのかもしれませんが、ラストまで見ればわかります。朝鮮最強の不良は、[
北朝鮮に帰ってサッカー選手になってワールドカップに出場する夢を捨てて、日本で日本人と共に普通に暮らして]いきます(再戦もあるんだっけ?)。それに主人公は女の子からの
「あんた朝鮮人になってくれるの?」という問いに[
ショックを感じたまま何も答えを出していない]。ほぼ間違いなく[
主人公は朝鮮人にはなりません。そして主人公とヒロインは普通に日本で日本語でデートしています]。
「彼らの方は結局日本を認めてはいない」って朝鮮人が少年を相棒として、朝鮮人が少年を弔いの客としても認めるシーンがあるじゃないですか。
さらに前田氏は
「ケンカして友情らしきものが芽生える様子や、国籍を超えた愛などをそれらしく描いていても、しょせんは薄っぺらい奇麗事ではないか。」と批判します。
この映画がクソくだらない映画だったら、
朝鮮人の女の子と日本人の男の子の間に川が流れていて、男の子は川へ飛び込み、ずぶ濡れになっても渡り切って女の子の元へ辿り着いて、二人は結ばれる・・・とかいうシーンがあったでしょう。
少年を追い出した朝鮮人がラジオで主人公の歌を聞いて、彼を赦すシーンがあったでしょう。
クライマックスの大決戦の後、朝鮮人達と日本人達は和解したでしょう。
朝鮮人を遠ざけていた母親が受け入れるシーンがあるでしょう。でも
そんなくだらないシーンは無い。男の子はずぶ濡れになっても渡り切った先で「あんた朝鮮人になってくれるの?」と言われて[
文字通り真っ暗]になります。
朝鮮人達と日本人達は殴って殴って殴って殴って・・・・・・・・・・・・殴って殴って殴ってそれでも決着つかなかったんで、また今度殴り合うことにします。少年が[
イムジン川を歌っても朝鮮人と日本人は仲良くなりません。でも少年の元へは、好きな人が橋を渡ってやってきてくれます。少年は愛を込めて少女に告白する!「やらせてくれ!」]。これが「パッチギ!」のラストシーンなわけですが、これは人によって捉え方が違うでしょうし、面白いかつまらないかは別なんですが、僕には薄っぺらい奇麗事には見えませんでした。それに黒人と白人とか、イギリス人とアイルランド人とか、モンタギューとキャピュレットとか、一等船室と三等船室とか、溝を越えた友情や愛情は薄っぺらい奇麗事かもしれませんが、物語の基本ですよ。
「劇中で語られる歴史認識にしても、彼らからの一方的な言い分をゴメンナサイと受け入れるのではなく」というのもあるのですが、
少年は不良(朝鮮人)に睨まれてビビったりするけど、朝鮮と日本の問題について一度もゴメンナサイしていません。それどころか劇中誰もゴメンナサイなんてしていない。主人公とチェドキを除いて誰も
自分たちが殴り合っていることにすら疑問を持っていない。彼らは
元気良く殴り合う事を選びます。
映画評論家の前田氏は「パッチギ!」論のタイトルを
「朝鮮人には謝罪して、友達になっていただく」でいいのか?とつけています。
「世界は愛で変えられる」なんていうアホみたいな「パッチギ!」のキャッチコピーは使いたくないので、僕なりの考えを言いますが、「パッチギ!」には朝鮮人に謝罪するシーンも、
朝鮮人に謝罪しなきゃと思わせるシーンも。朝鮮人に
友達になっていただこうとするシーンもない(逆に朝鮮人が日本人に友情を求めるシーンはあるけど)。朝鮮人も日本人もお互いの問題は放置しています。もちろん朝鮮との問題に切り込んでいる部分も強く存在しますし、井筒監督や李鳳宇プロデューサーはそういった発言をしたり、「パッチギ!」にその想いを込めているのかもしれません(僕はパンフと秘宝しか読んでいない)。
だけど僕が「パッチギ!」から感じたメッセージは、朝鮮人と日本人は政治的にも感情的にも問題ありすぎて、
仲良くなるの無理、殴り合うしかない。でもいつか男と女が
乳繰り合いでも始めて、その内仲良くなるんじゃない?というある種
無責任で楽天的だけど前向きなメッセージです。
ホント、今回は異例のことやってしまったので、
不愉快になってしまった方には申し訳ない。でも映画本編を観ていないで前田氏の「パッチギ!」論を読んで真に受けて、「パッチギ!」批判しているサイトがいくつかあったりもしたので、僕がここで書くのもアリかなと。あ、これは
破壊屋の「デビルマン」と同じ現象(さらに言うとセカチューの喰わず嫌い)か、あの時は誉められたけどなぁ。でもこーいった批判よりも、
「映画観たけど、朝鮮人に感情移入できるような映画なんでクソ映画だと思いました」みたいなほうがまだ素直な批判の仕方だと思います。・・・・・・それと「パッチギ!」に限らず
僕の感想も真に受けないでね!いつもメチャクチャなこと書いてあるんだから。
パッチギ! ★★★★
「パッチギ!」の出だしはこんな感じ。
日本の伝統の街、京都。そこでチマ・チョゴリを着た女学生達に日本人達が絡んでくる。日本人達は少女のチマ・チョゴリを汚し、嘲笑う。その時!京都の道を無数の朝鮮人達が爆走してやって来た!!朝鮮人達は瞬く間に日本人を倒し、さらにバスを襲撃。その団結力によってバスも倒す。
いやー朝鮮人が日本人をボコボコにするシーンでこんなに心が踊るとは思いませんでしたよ。
僕は「月はどっちに出ている」「GO」を傑作だと思っている。だから在日を扱った映画はなるべく観に行くようにしている。在日を扱った映画には面白いのが多いのです。もちろん「パッチギ!」もその一つでした。
「パッチギ!」は宣伝だと「ロミオとジュリエット」に比較されているけど、それよりもミュージカルの「ウエストサイド物語」に近い。白人系移民のジェット団が日本人で、プエルトリコ系移民のシャーク団が朝鮮人。トニーとマリアはもちろん主人公:松山とヒロイン:キョンジャ(民族は逆)。マリアの兄:ベルナルドは当然キョンジャの兄:アンソン。また「ウエストサイド物語」にはベルナルドの恋人でアニタという重要キャラがいるんだけど、これは二つのキャラに分割されて、アンソンの彼女と、気風の良い看護婦ガンジャになっている。「ウエストサイド物語」はミュージカルだけど、「パッチギ!」はケンカの映画。日本人も朝鮮人も踊る代わりに最初から最後までケンカをしている。そしてクライマックスではクインテットの代わりに、ハングル語と日本語が混じったイムジン河を歌うのです。
「パッチギ!」は何が素晴らしいって、「朝鮮人も日本人もお互い歩み寄ればきっと平和な・・・」なんていうウザッたいシーンが無いことです(「月はどっちに出ている」「GO」にも無かったな)。大体今のご時世、朝鮮と日本には拉致問題を筆頭に様々な火種を抱えていて、そんな時に朝鮮人と日本人の友愛を見せられても難しいものがある。そこで「パッチギ!」は朝鮮人と日本人に友愛よりも殴り合いを推奨する。
もちろん「パッチギ!」には朝鮮と日本の友好を願う強烈なメッセージを送ってくる。[主人公とヒロインは普通の恋人同士になれた。ライオンと豹の合いの子レオポンを見たがっていた女の子は、朝鮮人と日本人の合いの子を産んで幸せな家族になった。主人公と朝鮮人達の友情も観ていて嬉しい気分になる。]これらのシーンには将来への希望が込められている。
でも”将来への希望”はあくまでもラストシーンの話、劇中本編は誰一人として反省することなくケンカを繰り広げる。しかも[最後まで仲良くなるシーンは無い、それどころか朝鮮人達と日本人達は再戦の約束までする]。「パッチギ!」には知性は無いが嘘偽りも無い。「パッチギ!」は乱暴だけど優しさがある。
「月はどっちに出ている」「GO」「パッチギ!」。これらの映画には”在日”以外にも、もう一つ共通点があります。どれも朝鮮人たちが疾走しているのです。「月はどっちに出ている」は闇の中を、「GO」は地下鉄の中を、「パッチギ!」は京都の町並みを。
故郷の北朝鮮はどーしようもなくボロボロ、住んでいる日本では肩身の狭い思いで生きている。そんな在日朝鮮人達が、日本人からの差別も嫌悪感も吹き飛ばし、日本を走り抜く姿は実に痛快。
● 松山
朝鮮人から日本人のした酷い仕打ちを聞いて、「アアッー!もう!!」って苦しんで悲しくなって、何も出来なくなる。でも日本人は苦しんだり、逆に疑問に思ったりできるからマシだよ。北に住んでいる朝鮮人達は日本と朝鮮の問題に何の疑問も抱かず、自分の国が正しいって信じるしかないんだから。
● アンソン
最強の朝鮮人不良。チョーパン(頭突き、朝鮮高校の生徒達の必殺技として有名)の連続で倒す倒す。
● チェドキ
こいつの言葉が[遺言となって映画のオチ]をつける。マトモなこと言っていれば・・・。
● モトキ
面構え良い奴等ばっか集めたこの映画の中でも、こいつが一番面構えが良い。日本人達に捕まりコンクリ詰め(日本のゴロツキの必殺技ですね)に遭うも、日本人みたいに「助けて下さい!誰か助けて下さい!」と叫ぶような真似はしない。「もっとコンクリもってこいやぁ!」と叫ぶ。
● ガンジャ
チマ・チョゴリ姿の不良→ガキの世話→ナース→ドロップキッカーと逞しい進化を遂げる姐御。
● キンタロー
唯一の韓流。チョ・ナンカンのようなボケキャラかと思いきや、日本人と戦うために朝鮮人と共に立ち上がり、男を見せる。
雑談
●
日本産B級映画としてイイ意味で期待している「交渉人 真下正義」だけど、予告編を観ているとやはりちょっと不安になってくる。君塚良一は脚本書いてないらしいけど、脚本の監修をしているらしいからなぁ。前回の「恋人はスナイパー」は地下鉄の車内に起爆装置の無い爆弾(
それはただの火薬では?)を置いて、地上にいるスナイパーが地下鉄が外に出てくるのを待っていて(
地下鉄以外にすりゃいいだろ)、銃を使って爆弾を狙撃する(
爆弾は車内にあるんじゃないの?)という衝撃の脚本を書いてた。でもこの脚本のツッコミどころは太字の部分じゃなくて、
電車を止めれば全て解決するというところですね。そして暴走した地下鉄は単に各駅に止まらない急行電車にしか見えなかった。「交渉人 真下正義」も同じ匂いがする。
●
「ウォー・オブ・ザ・ワールド」という味気の無いタイトルではなくて
「宇宙戦争」というカッコいいタイトルで公開を決定した配給会社、偉いぞ!
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「コンスタンティン」の予告編がスゲエ!
「キアヌはマトリックスの人」というイメージだけで作っている。
●
このところ毎週会社の友人達と飲みに行っている。そんで友人の指摘で雑談掲示板のリンク先が間違っている事に気がつきました。今まで利用できなかった人、スイマセン。
● 友人達はよく破壊屋を参考にして映画を選んでいるらしい。でも「僕が面白いと思った映画=オススメできる映画」ではないので注意。例えば傑作「トルク」は観たら絶対後悔するよ・・・ということを書こうとしていたんだけど、
m@stervisionさんも、
前田有一さんも「トルク」を高評価していることを知った。でも前田さんの文章
「もしあなたが明るいデートを演出したいのであれば、これ(トルク)ほど適した作品はほかにない。」は納得できない。というか僕は
逆のことを書いていた。
●
「スパイダーマン2」を観た友人から
「(破壊屋管理人の動きは)スパイダーマンに動きが似ているね。意識してるの?」と言われました。別にそんなこと意識していない、っていうか昔からそーいう動きだ。
●
以前
Weekly Teinou 蜂 Womanのフォトショップネタで、「顔写真の黒目を一回り大きくすると男前になる」というのがあったので、
試しに自分の写真でやってみたところ
何も変わらない。ということを飲み会のネタにしたら、女の子から
「(破壊屋管理人の顔は)目以外に原因色々あるからね」と言われた。
●
掲示板でナディアの話が出たので、飲み会でNHKアニメについて語るようになった。「不思議の海のナディア」「青いブリンク」「アニメ三銃士」とか懐かしいな。でも「アニメ三銃士」は内容がほとんど思い出せなくて、「アラミスが実は女だった」くらいしか覚えていない。でも検索するとファンサイトが一杯あって、
それを見ているうちにバンバン内容が思い出してくる。そして僕はミレディー(
粋な悪女キャラ)が大好きだったことも思い出した。こーいった悪女趣味が幼い頃からの筋金入りだったことが今になって判明。ネットって本当に便利、ファンサイトの管理人様達ありがとう。
● RAY ★★★★
レイ・チャールズの伝記映画。僕は彼のことをミュージシャンとしては一般的なこと(「ブルース・ブラザーズ」出演とか)しか知らないけれど、この映画はアメリカでの評価が非常に高いので観に行った。
「彼は黒人差別を乗り越えました」「彼は盲人というハンディキャップを乗り越えたのです」という安易な感動映画ではなくて、
「彼は筋金入りのヘロイン中毒で、愛人ガンガン作って私生児もいる人です」という点を徹底して描き、実は[
「心の盲人だったが、それを乗り越えた」]という結論に至る2時間半。
● オペラ座の怪人 ★★★
面白いんだけど、「ムーラン・ルージュ」「シカゴ」と違って映画でやる意味が弱いし、舞台から映画への変換をしなきゃいけないところでもしていない。