マンガ『のたり松太郎』での力士たちの賭博と同じ話。今度は大相撲の八百長(別名:注射)が発覚した。発覚したといっても角界の八百長の存在を否定しているのは角界の人たちだけだったけど。で、傑作相撲マンガ『のたり松太郎』に八百長があるかどうかなんだけど、結論から言うと無い。主人公:松太郎は暴力団と付き合い、賭博に手を出し、飲酒運転で事故を起こし、連載初期では婦女暴行未遂事件まで起こす。数々の問題行動を起こすにもかかわらず、八百長描写自体は無い。だけど2シーンだけ八百長ネタのシーンがあるので、今回はそれを紹介する。
連載初期。松太郎は同部屋の田中を勝ち越しさせるために、対戦相手に星(土俵での勝ち星のこと)を貸すように依頼する。対戦相手が拒否すると松太郎は暴力に訴えようとするが、周囲に止められる。酷いシーンではあるが、田中の優勝までを描いたこのエピソードは長期連載の『のたり松太郎』でもっとも面白い。
連載後期。貴ノ波(貴ノ浪)が勝って暁(曙)が負ければ同部屋から優勝者が出るため、松太郎は大声で貴ノ波に星の貸し借りを依頼して観客を沸かす。曙も八百長疑惑が有名な力士である。
こちらは力士たちの地方巡業を描いたエピソード。ご当地力士が勝つことになっているらしいが、これはファンイベントなので八百長ではない。それよりも左下のコマで相撲ファンもお約束の勝利に納得しているのが、どことなくプロレス的で面白い。
というわけでハッキリと八百長を描いたわけではないが、星の貸し借りが存在することは想像できるし、俺も角界では星の貸し借りが存在するという前提でこの漫画を読んでいた。それでも現実に相撲の八百長が暴露されたことについては、アイドルの枕営業が発覚したような興奮を覚える。
ちなみに『のたり松太郎』では八百長は無いけれど、審判員たちの手引きによって不利な裁定が下されるというのが2回ある。しかも2回とも松太郎の優勝がかかったクライマックスだったりする。