2010年 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞

この映画はいったい誰が観に行くんだ!?

だれ映2010 ベストテン

順位 作品名 得票
1位 矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~ 155
2位 SPACE BATTLESHIP ヤマト 127
3位 座頭市 THE LAST 95
4位 ゴースト もういちど抱きしめたい 79
5位 恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~ 63
5位 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 63
7位 シュアリー・サムデイ 51
8位 劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走! 48
9位 ダーリンは外国人 38
9位 劇場版『ペ・ヨンジュン3D in 東京ドーム 2009』 38

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だれ映2010 皆さまのツッコミコメント


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だれ映2010 ベストテン短評

リンク先は投票コメントです。

  1. まさか二年連続で150票超えが出るとは思わなかった。バラエティ番組の1コーナーを映画化した『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』が一位に。プロデューサーは亀山千広。
  2. 「とんでもない駄作だ!」「違う!つまんないけどそこまで酷くない、頑張ったほうだ!」と賛否両論ではなくて、否否両論という奇妙な状態になっている『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が二位。
  3. 香取慎吾、石原さとみ、反町隆史という豪華キャストにも関わらず、製作費が回収できないほどの惨敗興行だった『座頭市 THE LAST』が三位。プロデューサーは亀山千広。
  4. 四位には韓流ブームに便乗したハリウッドリメイクの日本映画という、複雑な状態になった『ゴースト もういちど抱きしめたい』
  5. 五位には値崩れした50円のチケットが話題になった『恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~』
  6. 同じく五位に『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』。映画ファンから批判された2と違って、3は踊るファンからの批判が強かった。プロデューサーは亀山千広。
  7. 不入りすぎて多くの映画館で公開が2週間打ち切りとなったのは、六位の小栗旬初監督作品の『シュアリー・サムデイ』。映画の内容は、男の子同士が掴み合いのケンカをしながら「素直になれよ!」ってお互いの友情を確認しあうタイプの物語。ここ数年はそんな映画ばっかりだ。
  8. 3Dブームがうざくなってきている時に、「3Dにする必要が無いものを3Dにするって面白いよね」的な企画をやってしまった『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走!』が七位。
  9. ここ数年ブームとなっているエッセイコミックのブーム火付け的存在である『ダーリンは外国人』が九位。同じ日に公開された映画が、同じく外国人(エイリアン)問題を扱った『第九地区』というのも面白い。
  10. もう一つの九位は3500円というぼったくり値段が話題になった『劇場版『ペ・ヨンジュン3D in 東京ドーム 2009』』。発売済みの映像を使ったためヨン様ファンからも見捨てられた。残念ながら日本映画です。

だれ映2010 総評

やっぱり日本映画だらけ

『ゴースト』が日韓合作とはいえ、ベストテン全てが日本映画になってしまった。個人的には2010年の日本映画には面白いのがたくさんあったと感じているが、それでも駄作が大量生産され、駄作が世間的な話題作になる状況はまったく改善されていない。良貨が悪貨を駆逐するような状態になったらいいのに。

外国映画と3Dブーム

外国映画でもっともランクが高いのは『エアベンダー(17位)』『タイタンの戦い(26位)』とダメ3D映画が強かった。3Dブームは早く終わってほしい。テレビCMの「子どもの成長を3Dで記録しよう!」なんて、本当にやっている人がいるのか?

世界の亀山モデル

2010年のだれ映の特徴は亀山千広の映画が多いことだ。ベストテン中3本が世界の亀山モデルの映画だ。「世界の亀山モデル」とは、ライムスターの宇多丸さんが作った造語で、亀山千広作品を意味する。ベストテン圏外でも『THE LAST MESSAGE 海猿』『SP 野望篇』と亀山モデルがちらほらとある。亀山千広は『それでもボクはやってない』『ヴィヨンの妻 』と良作も送りだしてきた映画人でもあるのだが……この人が自分の力を日本映画を貶める形で使っているのが残念だ。

沖縄国際映画祭

もう一つの特徴は沖縄国際映画祭だ。沖縄国際映画祭とはパチンコメーカーと吉本と民放各局がスポンサーの映画祭だ。みなさん2010年に沖縄国際映画祭でグランプリを受賞した映画って知っています?答えは森三中の黒沢がヒロインのラブストーリー『クロサワ映画』です。

女性映画

『恋するナポリタン(5位)』『FLOWERS(12位)』『食堂かたつむり(19位)』といった現代女性をターゲットにした映画が、興行的に失敗したり悪評だらけなのは「日本の現代女性はそんなのに引っかからない」という一面を示していて安心した。俺は『FLOWERS』の「女性の喜びとは子どもを産むことです!例え死んでも!」という主張に心底驚いた。少子化対策のプロパガンダ映画かと思ったよ。

雑感

高順位に行くと思った『BECK』『食べて、祈って、恋をして』はそれほど点を集めなかった。

座頭市かと思ったら酷い座頭市だったとか、ゴーストかと思ったら酷いゴーストだったとか、ヤマトにキムタクが乗っているとか、日本映画はバードカフェのおせちみたいな状態になっている。

だれ映、上位の中では『ダーリンは外国人』『ハナミズキ』が割と好きな映画です。

そして、みなさま。毎年たくさんの投票と爆笑コメントをありがとうございます!


第一位 矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~ の解説

タイアップ

だれ映 だれ映 だれ映 だれ映

ドンキホーテとタイアップする辺りに、矢島美容室を好む層が見えてくる気がする。

矢島美容室って?

矢島美容室とはバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』の企画で、石橋貴明、木梨憲武、DJ OZMAの三人組女装ユニットだ。番組を見ていないと何のことかさっぱりわからないだろうし、今でも矢島美容室のことがよくわからない人は多いと思う。

「矢島美容室が映画化」のニュースが流れたときには、誰もが「矢島美容室ってそんなに流行っているんだっけ?」と思ったはずだ。2008年のだれ映で『銀幕版 スシ王子!』が一位になったのは、失敗した深夜ドラマの映画化という意味不明の企画だったことが原因だ。しかし失敗したバラエティ番組の映画化という矢島美容室のほうはさらに意味不明。この作品が2010年の一位となるのも当然だ。

とんねるずと黒人文化

『矢島美容室 THE MOVIE』は『ドリーム・ガールズ』と『ヘアスプレー』を強く意識した内容になっている。この二本は黒人社会を描いたミュージカルだ。そもそもとんねるずはMCハマー、マイケル・ジャクソン、プリンス、ライオネル・リッチーといった黒人アーティストをパロディにしていた。ソウルとレインをパロったソウルとんねるずもあった。俺が小学生のときはとんねるずのダンスが大ブレイクし、小学校の休み時間ではMCハマーやマイケル・ジャクソンを真似するとんねるずを真似してみんなでクルクル回っていた。

でも『矢島美容室 THE MOVIE』の作り手たちが黒人問題そのものにはまったく無関心なのは、主人公たちを陥れる悪のチームの名前が黒を基調とした「ブラックボンバー」なことからもよくわかる。

1:15のところでスペシャルゲストが登場するMCタカー。小学生だった俺はこの映像に凄まじい衝撃を受けたのをよく覚えているし、今でも繰り返し見ている動画だ。でも『MCタカー THE MOVIE』があったとしても、確実につまらない映画だと思うけどね。元ネタはこちら。

矢島美容室のダメなところ

ブラックカルチャーをパロディにしたら右に出る者がいないとんねるずが矢島美容室を演じるのは自然な流れなのかもしれないし、クルクル回っていた俺が矢島美容室を批判するのはおかしいかもしれない。でも『矢島美容室 THE MOVIE』を観たけれど、やはりかなり厳しいものがあった。泣かせに走っているのがシラけるし、あんなに大好きだったとんねるずの顔芸も笑えなかったし、矢島美容室の顔でシリアスなドラマをやられてもストレスが溜まるだけだった。さらに『矢島美容室 THE MOVIE』にはもう一つキツイ問題がある。『リトル・ミス・サンシャイン』だ。

リトル・ミス・サンシャイン

『矢島美容室 THE MOVIE』の舞台はアメリカネバダ州で、木梨憲武は元ストリッパー、石橋貴明はソフトボールをやっている女子小学生、DJ OZMAがミスコン優勝を狙う17歳という設定だ。そしてこの映画の中盤のストーリーは傑作アメリカ映画『リトル・ミス・サンシャイン』と同じだ。

このあとの文章は『矢島美容室 THE MOVIE』を観た人には『リトル・ミス・サンシャイン』のネタバレになります。読み飛ばしてください。逆の場合は別にネタバレしてもいいよね。

で、『リトル・ミス・サンシャイン』のネタバレをしないように書くと、『リトル・ミス・サンシャイン』も『矢島美容室 THE MOVIE』もミスコンの△△△ッ△を通じて、家族の結束を描いている。パクリと言ってしまえばそれまでだが『矢島美容室 THE MOVIE』はオリジナルアイデアも絡ませているので、そこは問題ではない。俺が問題だと思ったのは『矢島美容室 THE MOVIE』は△△△ッ△の後に「家族」ついての説明が3分以上続くのだ。『リトル・ミス・サンシャイン』にはそんな説明は無く、「家族」についての思考・判断が観客に委ねられている。説明セリフで感動させようとする日本の風潮にはうんざりしてきたが(例:ROOKIES)、アメリカ映画に説明セリフを付け足した『矢島美容室 THE MOVIE』の手法には、「日本人が映画を観るときの受身姿勢もここまで来たか」という印象を受ける。

美少女たち

ところで『矢島美容室 THE MOVIE 』にはすごく良い要素がある。この映画は11歳の少女という設定の石橋貴明と黒木メイサがソフトボールで対決するという内容なのだが、ソフトボールのチームの脇役たちが美少女だらけなのだ。

美少女美少女

これがソフトボールチームの少女たち。

美少女

アヤカ・ウィルソン

美少女

近藤エマ

美少女

「勝つわ 勝つわ 勝つわ あみん 待つわ」というダジャレ歌詞。

美少女

チアガールたち。メチャクチャなことやっている映画なのに、「ボンバー」と呼べるほどの破壊力も無い。ただの悪ノリ。

美少女

敵のソフトボールチーム。黒木メイサも11歳という設定である。

美少女

わき毛ダンスを踊る少女もかわいい。

美少女

黒い美少女。

美少女

三振に打ち取られる敵チームの少女。この画像だとわかりにくいが、彼女は撮影中にクスクス笑ってしまっている。

美少女

だが実際はこれらの美少女は出番が少なく、この人の顔芸ばっかりだ。

作品情報
監督 中島信也(中島哲也監督とは別人)
脚本 遠藤察男(秋元康の弟子で、堤幸彦とコンビを組むことが多いという、害悪のような脚本家)
出演者 石橋貴明、木梨憲武、DJ OZMA、黒木メイサ
テレビ局 フジテレビ
傑作コメント

「まさかの映画化」と言う時には、「まさかあの原作を映像化できるとは思わなかった」という場合と「まさかこんな冗談みたいな企画が通るとは思わなかった」という場合があり、最近の日本映画は圧倒的に後者が多いと思う。

マヌルねこ さん

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こっち観たほうがいいよ

第二位 SPACE BATTLESHIP ヤマト の解説

タイアップ

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ここで文部科学省が登場するところが、さすがキムタク様。

キムタク様

好きな男ランキングで15年連続ナンバー1という、死ぬまで権力を譲らない独裁者みたいな状況になっているキムタク様は2008年に『CHANGE』で内閣総理大臣、2009年に『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』でイエス・キリストになった。そして2010年、遂にキムタク様が地球を救う!もうこうなったらキムタクに残された役は神しかない。演じることができる神といえば現人神であらせられる天皇だが、今後キムタク様が皇族を演じる可能性はあるかも。

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』劇中のキムタク様っぷりはかなり凄いことになっていて、戦艦ヤマトではなくてキムタク様そのものが人類の希望となり、クライマックスではキムタク様が喋るとBGMがフルオーケストラになる。

降板劇

最初予定されていた監督は特撮を得意とする樋口真嗣だったが、女帝として有名なSMAPのマネージャーが「特撮よりも人間ドラマに重点を起きたい」ということで樋口真嗣を降板させ、山崎貴が代打となった。山崎貴も特撮に強いとはいえ、やはり樋口真嗣のヤマトが観たかったという人のほうが多いだろう。ついでに言うと沢尻エリカも降板して、黒木メイサが代打出演している。黒木メイサは『大帝の剣』『ベクシル』『昴』『ASSAULT GIRLS』『矢島美容室 THE MOVIE』『SPACE BATTLESHIP ヤマト』と大駄作ばっかりに出演しているので、もうちょっと仕事選べよ!

否否両論

否否両論って書いたけれど、俺は「つまんないけどそこまで酷くない」派で、パクリにすらなっていないパクリが多いテレビ局映画(例:交渉人 THE MOVIE タイムリミット 高度10,000mの頭脳戦)が横行する中で、きちんとパクった上でオリジナルアイデアを足しているのは感心した。この点に関しては大否定派の映画ライターの藤渡さんが「(そうやって褒めるのは)後ろ向きな弁解」と表現していたり、同じく大否定派のJinepiさんからは「それだったら低予算でもずっと面白いことやっている仮面ライダーを観たほうがよい」と言われてしまったけど。

ヤマト詐欺

2009年には『宇宙戦艦ヤマト』の原作者であり悪徳プロデューサーとして有名だった西崎義展が製作・監督した『宇宙戦艦ヤマト 復活編』が公開された。15年に及ぶ泥沼の製作状況からようやく公開に漕ぎつけたのだが、当然のごとくヒットはせず、西崎義展は出資者たちから借金の返済を迫られた。彼は「キムタク版ヤマトは大ヒット間違い無しなのでその配当金で返済する」と主張していたが、実は原作料1億円を受け取っただけであって、キムタク版ヤマトの配当金が入らない仕組みだった。そして西崎義展は事故死したので、出資者たちは騙された形で大損をした。彼は中古漁船を買い取って「YAMATO」と名付けてクルージングしていたのだが、その際に海に落ちて亡くなってしまったのだ。ちなみにキムタク版ヤマトもそこまでの大ヒットはしていない。

「沈没したヤマトが復活する」「必ず還ってくる」。それがヤマトのコンセプトだったが、色々なものが還ってこないのが現代のヤマトだ。

作品情報
監督 山崎貴
脚本 佐藤嗣麻子(山崎貴の妻)
出演者 キムタク様、黒木メイサ、柳葉敏郎
テレビ局 フジテレビ
傑作コメント

波動砲は一発命中でした(もちろんエロい意味で)

テルミンわちこ さん

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これよりはマシだった

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第三位 座頭市 THE LAST の解説

タイアップ

だれ映

タイアップはほとんど無し。専門チャンネルで座頭市特集を組んだくらい。

市 VS ICHI

この映画が公開される前に友人から「『座頭市 THE LAST』は綾瀬はるかの『ICHI』よりも出来が悪いらしい」と聞いて、「いくらなんでもそれはない!」と反論した。『ICHI』は失敗作だったし、『座頭市 THE LAST』の阪本順治監督は俺が好きな監督だからだ。

ところが本当に『座頭市 THE LAST』は『ICHI』よりも酷い出来だった。俺の2010年のワースト映画は『矢島美容室』『踊る3』『BECK』なんだけど、この3本はまだ「映画じゃなくて流行現象を作る」というのが目的で、俺とソリが合わなくてもしょうがない。だけど『座頭市 THE LAST』はちゃんと映画を撮ろうとしているのに、恐ろしいほどつまらない。

演技

2008年度 この映画はいったい誰が観に行くんだ!?大賞で、「全SMAP失明!」って冗談を書いたけど、まさか香取慎吾が座頭市を演じるとは思わなかった。勝新太郎のイメージが強すぎる座頭市を香取慎吾は演じきれていなかった。それ以前に最後の座頭市を香取慎吾が演じるにはあまりにも若すぎる。香取慎吾は妻を亡くしたショックで百姓になろうとする最強の剣客に見えないし、反町隆史の百姓役もキツいものがある。だが一番酷いのは名優:仲代達矢の大根演技で、特にセリフ回しが完全に素人レベル。仲代達矢が初登場する屋敷の長回しのシーンは、あまりにも酷すぎて「何の冗談なのか?」と我が目を疑うほどだった。

ガラガラの映画館

「最後」を連発した宣伝は意味不明だし、映画本編を観てもシリーズとしてどのような世界観を持っているのかイマイチわからない。そして映画は大コケした。製作費の回収すら危ういほどの不入りとガラガラの映画館の状況は、週刊誌でも報道された。

『座頭市 THE LAST』には衝撃的な思い出がある。映画ファンたちが集まるBootlegトークショーにて、『座頭市 THE LAST』の話題になったときに、司会の速水健朗さんが「座頭市 THE LASTを観た方は手をあげてください」と言ったところ、手を上げたのが俺と柳下毅一郎さんだけのだ(実際はもう一人挙げていた人がいるらしい)。いくら不入りとはいえ、映画ファンたちが100人近くいるのに、ほぼ誰も観ていないのだ。

2010年の阪本順治監督は『行きずりの街』も微妙な出来で、やはり不入りだった…。今後に期待しています!

作品情報
監督 阪本順治
脚本 山岸きくみ
出演者 香取慎吾、石原さとみ、反町隆史
テレビ局 フジテレビ
傑作コメント

「徹子の部屋」で、ゲストの香取に
「座頭市は版権の都合で、これで 映画化されるのは最後なんですってね。あたしビックリしました。あなたで終わりでいい のかって」
と黒柳さんからゴルゴ13並に的確なツッコミがあったのにはスゲー驚いたよ!

ワタル さん

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こっち観たほうがいいよ

第四位 ゴースト もういちど抱きしめたい の解説

タイアップ

だれ映 だれ映

『ゴースト』の宣伝を生命保険がやるというのも面白いな。劇中ではヒロインが死んで保険金がたっぷりと出ます。

日本と韓国

2010年の駄作映画といえば、名作映画をリメイクして失敗した『死刑台のエレベーター』や、日韓合作の失敗作『サヨナライツカ』があるけれど、名作映画をリメイクした日韓合作の『ゴースト もういちど抱きしめたい』の破壊力には敵うまい。

K-POPのブームとは対象的に日本では韓国映画のヒット作が出てこない状況になっており、『TSUNAMI』はネタに走り、良作『黒く濁る村』も不入りとなった。韓国映画で良かった話題は『息もできない』がキネマ旬報ベスト1を獲得したくらいか。もう「韓流スター」という言葉だけでは多くの日本人をひきつけることが出来ない時代だ。ソン・スンホンと松嶋菜々子が共演!って言われてもイマイチぴんと来ないし。

しかし北朝鮮や中国の脅威が高まり、日韓連携の強化が見直されているというのに、こうも日韓合作で失敗ばかりしていていいのだろうか。

ゴースト ニューヨークの幻との比較

『ゴースト もういちど抱きしめたい』は恋愛映画としては壊滅的な出来で、ファンタジー的な恋愛描写が出来てないのに、リアリティのある恋愛描写も無い、というキツい状態。リメイク元の『ゴースト ニューヨークの幻』はウーピー・ゴールドバーグ演じるインチキ霊媒師のキャラクターが最高で、コメディ映画としても優れていた。日本版でインチキ霊媒師を演じたのは名優:樹木希林だが、これが悲しいことに失敗演技。ウーピー・ゴールドバーグだと抜群に面白かった「幽霊と交流できるようになって大騒ぎ」が、樹木希林になると「心が病気のおばさん」にしか見えないのが残念だった。

雑感

松嶋菜々子が修行によって幽霊として成長していく姿は面白かった。

2010年の冬にシネコンに行くと、平井堅の『アイシテル』が延々と流れていて大変にうざかったが、「これはきっと織田裕二に捨てられた気持ちを平井堅が歌っているのに違いない」と脳内変換して耐えることにした。

あと幽霊モノの映画は「フィルムに幽霊が写りこんでいる!」って報道して宣伝するのがパターンなのに、「故パトリック・スウェイジの霊が写りこんでいる!」って宣伝しなかったのは残念です。

作品情報
監督 大谷太郎
脚本 佐藤嗣麻子(またか)
出演者 ソン・スンホン、松嶋菜々子、樹木希林
テレビ局 日本テレビ
傑作コメント

米国の人が「世の中奇特な人も居るんだなぁ」と契約書を書いている様子が思い浮かびました。

ホルマン さん

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こっち観たほうがいいよ

元ネタの『ゴースト』も面白いけど、もうちょっと最近の映画で女の幽霊が男に取りつく『恋人はゴースト』も好きな映画。


第五位 恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~ の解説

タイアップ

だれ映 だれ映

横浜ナポリタンってのはパスタじゃなくてお菓子の「あられ」のこと。リンク先の販売元のページも、なかなかグッとくるセンス。クリプタは無宗教の墓地経営の会社で、無宗教なのに宗教法人が絡んでいる。宗教法人なので会社経営しても税金がかからないため、ちょっと問題になっている。

この映画については

過去の記事を参照してください

作品情報
監督 村谷嘉則
脚本 鈴木勝秀
出演者 相武紗季、眞木大輔(EXILE)、塚本高史
テレビ局 食と旅のフーディーズTVというケーブルテレビ局とタイアップした
傑作コメント

女性しか狙っていない映画だが、レディースデーに客はオレ一人でしたよ。

AIS さん

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似たようなものもある

パスタ ~恋が出来るまで~ DVD-BOX1

第五位 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! の解説

タイアップ

だれ映

タイアップというよりも劇中のスポンサー企業登場が多かった。

本広克行監督

俺は『踊る2』『少林少女』『交渉人 真下正義』『UDON』の4本はゼロ年代を代表する駄作だと思っている。この4本は全部同じ監督で、それは本広克行だ。

だけど、2009年の年末に本広克行監督のツイッターを発見し、それ以来思いっきり監督に感情移入するようになった。毎日ヒイヒイいいながらも良い映画を撮ろうと努力している姿が好きになった。駄作を撮るとわかってながらも俺が彼の作品を映画館で最後まできちんと観るのは、本広克行監督の映画マニアとしての姿勢が共感できるからだ。

だから『踊る3』はもしかしたら面白くなっているかも……と思っていたけどそんなはずもなく『踊る3』もとんでもない駄作だった。

主役同士のトラブルや芸能事務所の力関係による降板と代役、映画本編を観ているだけで現場が苦労していることがよくわかる。俺はこのシリーズが描く組織論が大嫌いなんだけど、組織の中でもがく青島よりも、『踊る3』が自体が様々な制限に縛られてもがいているように見える。

ズーンズーンズーン

『踊る2』を観た時は幸せそうに爆笑している観客たちにイライラしていたが、『踊る3』の劇場内はあまりのつまらなさにお通夜のような雰囲気になっていた。俺もイライラすることは一切なく、単に沈んだ気持ちになっていた。

致命的なのは前半部分の退屈さで、「理屈が通っていなくても、事件が起きている時だけは観客を惹きつけられる」という君塚良一の脚本理論は失敗しており、観客を置き去りにして映画の中だけで盛り上がっている。特に「バスジャックを起こして乗客の財布を運転手に持たせる」事件は、いったい何をどう盛り上がればいいのかサッパリわからず、観ていて戸惑うレベル。

観客が完全に置き去りになるのは青島が仲間を助けようとズーンズーンズーンと木杭を壁にぶつけるシーン。これがとにかく長いし遅い(スローモーションなので)。杭打ちを二回繰り返す編集もよくわからん。これでは観客が感動できないとわかっているはずなのに、やらざるをえないのか。それとも作り手が踊るファンたちを完全に舐めてかかっているのだろうか。本作がファンから悪評を受けた最大の理由が、あのシーンだと思う。

君塚良一の脚本

脚本家の君塚良一はネット文化が嫌いで、それは過去の監督&脚本作品でも表現されていた。『誰も守ってくれない』は、「アニオタ=悪い男」という短絡的な発想の設定だった。「アニメグッズが部屋に落ちている⇒アニオタがこの部屋にいた⇒この部屋には悪人の罠が仕掛けられている」というすごい演出もあった。

『容疑者 室井慎次』の設定集には、引きこもりを表現する文章として「インターネットが友だち」と書いてあったのも笑った。キャプテン翼かよ。

『踊る3』でも重度のネットユーザーや派遣労働者への不信感が強く表現されていて不快だった。君塚良一はネット上で犯罪者がヒーローとしてあがめられる現象を描いているが、犯罪者がヒーローとなるのは日本の歴史の中で何度もあった。君塚良一はその裏にある社会不満には触れず、単純に重度のネットユーザーや派遣労働者を悪人として描いている。本人も「踊るで犯人を描くつもりはない」と言っているが、今の混迷している日本社会でその単純すぎる犯人像は危険な描き方だ。

と、君塚良一の脚本を批判したが、劇中の事件のオチ自体はうまく着地していた。やっぱり一番悪いのは本広克行監督……、いや映画ファンとしてはすごく尊敬できる人なんだけど、映画監督としては……。

作品情報
監督 本広克行
脚本 君塚良一
出演してない者 いかりや長介、水野美紀、筧利夫
テレビ局 フジテレビ
傑作コメント

映画としての出来は最初から期待してなかったので、それなりに楽しめればと思ってたら、もはや『踊る』としても完全にアウトの作品だった。
しかも、青島、室井の絡みがほとんどなく、織田・柳葉不仲説を決定づける作品になってしまった…。

NO NAME さん

みなさんのコメントはこちら

こっちのほうが面白かったらどうしよう

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皆さま、たくさんの投票本当にありがとうございました。今年も『アマルフィ2』や『アイリス THE LAST』や宮崎吾朗監督の最新作などが皆さまを待っています。

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