邦アニベストテン2024

ハッシュタグ『#邦アニベストテン2024』+ブログのコメント欄を集計しました。

有効投票206名が選んだ2024年最高の日本のアニメ映画は……。

1位:トラペジウム

監督 篠原正寛
脚本 柿原優子
原作 高山一実
スタジオ CloverWorks

映画ライターのヒナタカさんの紹介文を引用します。

本作は「アイドルの経験者でないと書けない話」だと思える内容に仕上がっています。何しろ、キラキラしているだけじゃない、むしろ「邪道」とさえ言える、だけど「リアル」でもある、アイドルを目指す少女の「生き様」が描かれた映画だったのですから。

2位:きみの色

監督 山田尚子
脚本 吉田玲子
原作 STORY inc.
スタジオ サイエンスSARU

アニメ映画ライターのネジムラ89さんのX投稿を引用します。

きみの色。傑作。 一体何なんだこの映画!250館規模然としてない気品に満ちた異色作。 この映画の清く優しく聖なる力で、ヘドロ色の私は心の中で悲鳴を上げながら蒸発していく。 ミスチルは合ってないかと思ってたけど、あのED曲がないと紐がついてない風船の様に飛んでっちゃうような尊さがある

3位:ルックバック

監督 押山清高
脚本 押山清高
原作 藤本タツキ
スタジオ スタジオドリアン

リンドバーグ愛児誘拐事件を扱ったアガサ・クリスティーや、シャロン・テート事件を扱ったクエンティン・タランティーノのように、本作も悲劇がフィクションと対峙する作品です。

似たような作品は多くあり、フィクションの力を重要視している私が好むジャンルです。しかし本作が衝撃的だったのはフィクションの力が現実の事件に対しては無力だということをハッキリと描いた点です。

だからこそ逆説的にフィクションが人々を救い続けている現状を意識させられます。このジャンルの中でも最も特筆すべき作品となりました。

4位:ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉

監督 山本健
脚本 吉村清子
原作 Cygames
スタジオ CygamesPictures

5位:がんばっていきまっしょい

監督 櫻木優平
脚本 櫻木優平、大知慶一郎
原作 敷村良子
スタジオ 萌、レイルズ

6位:数分間のエールを

監督 ぽぷりか
脚本 花田十輝
原作 Hurray!
スタジオ 100studio
7位:化け猫あんずちゃん

監督 久野遥子、山下敦弘
脚本 いまおかしんじ
原作 いましろたかし
スタジオ シンエイ動画、Miyu Productions
8位:機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

監督 福田己津央
脚本 両澤千晶、後藤リウ、福田己津央
原作 矢立肇、富野由悠季
スタジオ サンライズ

9位:デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章

監督 黒川智之
脚本 吉田玲子
原作 浅野いにお
スタジオ Production +h
10位:劇場版モノノ怪 唐傘

監督 中村健治
脚本 山本幸治、中村健治
原作 モノノ怪(テレビアニメ)
スタジオ ツインエンジン
Top 10 Japanese Anime Movies of 2024
  1. Trapezium
  2. The Colors Within
  3. Look Back
  4. Uma Musume: Pretty Derby - Beginning of a New Era
  5. Give It All
  6. A Few Moments of Cheers
  7. Ghost Cat Anzu
  8. Mobile Suit Gundam SEED Freedom
  9. Dead Dead Demon's Dededede Destruction: Part 1
  10. Mononoke the Movie: Phantom in the Rain
日本十大動漫電影 2024年
  1. 成為星星的少女
  2. 你的顏色
  3. 驀然回首
  4. 賽馬娘 Pretty Derby 新時代之門
  5. 激浪青春
  6. 數分間的激勵
  7. 妖怪貓小杏
  8. 机动战士GUNDAM SEED FREEDOM
  9. DEAD DEAD DEMON'S DEDEDEDE DESTRUCTION 惡魔的破壞 前章
  10. 劇場版 物怪 唐傘
2024년 일본 애니메이션 영화 TOP10
  1. 트라페지움
  2. 너의 색
  3. 룩백
  4. 우마무스메 프리티 더비 새로운 시대의 문
  5. 힘내서 갑시다
  6. 수 분간의 응원을
  7. 고스트캣 앙주
  8. 기동전사 건담 SEED FREEDOM
  9. 데드데드 데몬즈 디디디디 디스트럭션 파트1
  10. 극장판 모노노케:우중망령

翻訳:オギノ오기노さん

邦アニベストテン2024 TOP30

順位 タイトル 得点 人数
1 位 トラペジウム 976.5 142
2 位 きみの色 840.5 144
3 位 ルックバック 790.5 136
4 位 ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉 550.5 100
5 位 がんばっていきまっしょい 549.0 96
6 位 数分間のエールを 500.0 91
7 位 化け猫あんずちゃん 451.5 78
8 位 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 328.5 60
9 位 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 312.5 68
10 位 劇場版モノノ怪 唐傘 302.5 58
11 位 劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re: 237.5 54
12 位 劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師 211.5 44
13 位 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 208.5 51
14 位 劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: 180.5 44
15 位 劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 169.0 37
16 位 BanG Dream! It's MyGO!!!!! 後編 うたう、僕らになれるうた&FILM LIVE 164.0 31
17 位 クラユカバ 161.5 40
18 位 BanG Dream! It's MyGO!!!!! 前編 春の陽だまり、迷い猫 155.0 27
19 位 クラメルカガリ 133.5 36
20 位 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章 119.0 25
21 位 ふれる。 112.0 33
22 位 それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン 97.0 21
23 位 名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) 83.0 25
24 位 映画ドラえもん のび太の地球交響楽 75.5 15
25 位 傷物語 こよみヴァンプ 70.0 20
26 位 劇場用再編集版 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP 69.0 14
27 位 わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険! 61.0 13
28 位 風都探偵 仮面ライダースカルの肖像 59.0 14
29 位 PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX 58.0 19
30 位 大室家 dear sisters 56.0 11
30 位 好きでも嫌いなあまのじゃく 56.0 17

有効投票数:206名

シリーズの得点配分

下記の作品はシリーズへの投票があった場合、得点を分割して単独作品に加点(端数切捨)しています。 得点配分の詳細はここを参照してください。

  • デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション
  • 劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!
  • BanG Dream! It's MyGO!!!!!
  • 大室家
ベストテン総評

邦アニベストテンの結果には毎年驚かされるのですが、今年は例年以上に驚かされました。 最終興行成績が発表無し(=コケた)の映画がベストワンになるのは初です。 興行成績がコケた映画が邦アニベストテンに入るのは、今まで何度かありましたがベストワンになるのは異例中の異例。今後二度と起きない現象だと思います。

『トラペジウム』の推定興行成績は1億5千万円です。2位の『きみの色』も最終興行成績の発表無し(推定4億未満)で成功とは言い難いです。 しかし『トラペジウム』と『きみの色』は邦アニベストテンでは圧倒的な強さを見せました。 ちなみに過去の邦アニベストワンの最低興行収入記録は『若おかみは小学生!』の3億円でした。 当時は「邦画アニメは3億円超えればヒット」だったんですけどね。今や邦画アニメは10億超えを求められています。

ベストテン全体的に興行収入が低いこともあって、監督の知名度はちょっと低めとも言えるでしょう(吉田玲子・柿原優子・いまおかしんじなど脚本家のほうが知名度高い)。 新しい監督たちが上位に来るのはジャンル的に良い傾向だと思います。

さらに今回のベストテンは作風や絵柄が全くのバラバラで、雰囲気が被っている映画が一本も無い!邦アニの表現的多様性もここまで進んだかという思いです。

7位の『化け猫あんずちゃん』は日仏合作で、海外合作映画がベストテンに登場するのは初です。

TOP30の注目作

惜しくもベストテン圏外でしたが、総集編ながら得票を集めた『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく』は大健闘だっと思います。

2024年の日本で一番ヒットした映画一位が『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ』の158億円で、二位が『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の116億円です。 両方ともTOP30内に入っています。

マイナー系では『クラユカバ』『クラメルカガリ』も大健闘。『クラユカバ』『クラメルカガリ』は上映時間が短く、他にも全体的に上映時間が短い作品が上位に来ました。 アニメは「上映時間が短い=製作費が安い」という側面があるので、尖った企画は上映時間が短くなる傾向にあります。

振るわなかった映画

『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』は興行収入26億というシリーズ最大級のヒットながら48位でした。 同じく『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』も興行収入35億というシリーズ最大のヒットながら43位という結果に。

映画ベスト100の時も書きましたが、 2024年は「世間のヒット作」と「専門的なファンの評価」の食い違いが大きい年でした。

得点偏差について
  • 投票本数が多い人(=アニメに詳しい人)の投票ほど得点が高くなるシステムです。 これは鑑賞者の多いヒット作が有利になるのを防ぐための偏差です。
  • 偏差をつけなかった場合のランキングを知りたい方は、投票人数でソートしてください。
  • その場合『きみの色』が逆転で一位、他に『ふれる。 』『好きでも嫌いなあまのじゃく』などが大きくランクアップします。
洋アニベストテン

集計者の別企画 2024年の映画ベスト100 の集計データから洋画アニメだけを抜き出したランキングです。

  1. ロボット・ドリームズ(スペイン・仏)
  2. インサイド・ヘッド2(米)
  3. トランスフォーマー/ONE(米)
  4. モアナと伝説の海2(米)
  5. ユニコーン・ウォーズ(スペイン・仏)
  6. FLY!/フライ! (米)
  7. 怪盗グルーのミニオン超変身(米)
  8. ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い(日米)
  9. ULTRAMAN:RISING(日米)
  10. 傘少女 精霊たちの物語(中)

「かわいい絵柄アニメで残虐行為」というのは昔から洋アニが何度もチャレンジしてきたテーマですが『ユニコーン・ウォーズ』はその頂点を極めました。

『化け猫あんずちゃん』を含めるとフランス映画は合計三本が登場。 フランスはアニメスタジオが多いので、これからも活躍すると思います。

集計エピソード