Archive for 2011年5月28日

神様が祝福してくれた広島と長崎と福島

広島の司祭

以下の歌詞はロックバンド:レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの名曲『スリープ・ナウ・イン・ザ・ファイアー』のサビだ。

But I am the Nina, the Pinta, the Santa Maria
The noose and the rapist, the fields overseer
The agents of orange, the Priests of Hiroshima
The cost of my desire, sleep now in the fire
我は、ニーナ号、ピンタ号、サンタマリア号
絞首刑の縄、強姦者、奴隷監視人
エージェント・オレンジ、ヒロシマの司祭
我が欲望の代償は火の中で眠れ

「ニーナ号、ピンタ号、サンタマリア号」はコロンブスが乗っていた船で、ネイティブ・アメリカン虐殺のきっかけとなった。エージェント・オレンジはベトナムで使われた枯葉剤のことだ。「the Priests of Hiroshima」を「ヒロシマの僧侶」と訳しているサイトも多いけど、これは「司祭」が正しいと思う。日本に落とされた原爆は飛び立つ前に司祭の祝福を受けている。

この曲はキリスト教の元に行われた犯罪を意味している。うーん素晴らしい歌詞だ。アメリカのバンドがこんな歌詞の曲を作っているというのが凄い。社会問題を歌詞にする事自体をバカにしている「いきものがかり」とかいうヘタレに1万回くらい聴かせてあげたい名曲です。マイケル・ムーアが監督したゲリラライブのPVも最高にカッコいい。

長崎の鐘

戦後ベストセラーとなった『長崎の鐘』という小説がある。この小説はカトリック信徒の日本人によって書かれており「原爆は神の恵み」として表現されている。GHQにこの表現が気に入れられてGHQの検閲を通ったというエピソードもある。西日本新聞の検証記事から引用する。

「長崎の鐘」は原爆の惨状を克明に描き日本人の米国への反感をあおる恐れがあった。しかし、GHQにとって発禁にするには惜しい内容だった。なぜか。カトリック信徒永井の原爆観が対日政策上、極めて都合の良いものだったからだ。永井は「原子爆弾が浦上に落ちたのは大きな御摂理である。神の恵みである。浦上は神に感謝をささげねばならぬ」と書いている。GHQ検閲官の報告書には「長崎の鐘は原爆を地震や噴火といった天災のように描き、政治問題ととらえていない」とある。

このGHQの報告書から戦後のプロパガンダ事情がよくわかる。

福島の神

戦後から60年以上経った今、日本で同じようなことが行われている。経済財政担当相が神様を持ち出してきたのだ。時事通信の記事から引用する。

与謝野馨経済財政担当相は20日の閣議後会見で、東京電力福島第1原発事故は「神様の仕業としか説明できない」と述べた。同原発の津波対策に関しても「人間としては最高の知恵を働かせたと思っている」と語り、東電に事故の賠償責任を負わせるのは不当だとの考えを重ねて強調した。

おいおいおい。人間として最高の知恵を働かせた結果が「津波の指摘を無視した」とか「非常用電源は全部海側にあった」とかになるのか。原発の事故情報を隠ぺいするのは確かに人間の知恵だけどね。

酷い事態になると神や宗教を使って正当化しようとするヤツらが出てくる。別に宗教が悪いわけじゃない。信仰心が被災者を救う場面はこれからどんどん出てくるはず。冒頭に貼った震災の地で祈る僧侶の写真は世界中で感動を呼んだ。俺が怒りたくなるのは神を利用してまで事実から目を背けさせようとするヤツらと、そこまでして隠したい事実に対してだ。福島の悲劇が神の仕業だというなら、その神をチェーンソーでぶっ殺してやる!!

レスト・ウィ・フォーゲット。マリリン・マンソンの『ファイト・ソング』も神を利用する体制との闘争を煽る名曲。

バトル・オブ・ロサンゼルス。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはとりあえずこれがおススメです。

Sa・Ga 全曲集神をチェーンソーでぶっ殺すゲーム。

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3D映画の退化の歴史

3D映画の退化の歴史………ってネタだからね。正確じゃない表現もあるよ。

人類が3D映画と触れ合う

ベオウルフ/呪われし勇者 劇場版(2枚組) [DVD]|2007年12月公開

↑めっちゃ実写っぽいけど、ジャンルは一応アニメ。
今となっては『アバター』から3D映画が流行したような印象があるけど、『ベオウルフ/呪われし勇者』『ルイスと未来泥棒』『ボルト』といったアニメ作品は以前から3Dだった。映画館で3D映像を初体験する子どもたちがキャッキャッ騒いでいると、俺も一緒にテンションあがったものだった。

アバターの公開日が決まる

2008年2月

アバター

『アバター』の主要な撮影が終わったときのジェームズ・キャメロン監督のカッコいいコメントをeiga.comから引用する。

これがいい作品になるか、偉大な作品になるか、ひどい作品になるかは分からないが、観客が想像したこともなかった映像になることは間違いない。そして、この映画の技術面には、この業界全体が興味を持つに違いない

傑作か駄作かわからないけど映像革命を起こしてやるぜ!という熱い想いが伝わってくる。このジェームズ・キャメロンの予言はすべて当たった。人類は3D映像の美しさを知り、業界は3Dブームに沸いた。ついでに『アバター』は傑作凡作で評価が分かれた。

人類は映像革命を目撃する

アバター|2009年12月公開

アバター

そして『アバター』が公開された。『アバター』の3D映像は本当に素晴らしかった。「3D映像=飛び出す映像」という従来の考え方ではなくて、奥行きを利用して「観客をより映画の中の世界に没頭させる」を目的とした3D映像だった。まさに3D時代の幕開けだったけど、このときは3Dがこんなにもウザったいブームになるとは思わなかったよ…

人類は3D映画の色調が悪いことに気が付く

アリス・イン・ワンダーランド [DVD]|2010年4月公開

『アリス・イン・ワンダーランド』のように色調豊かな映画を観ると、あれ?3D映画って何でこんなに画面が暗いの?2Dで観たほうが綺麗じゃない?という疑念が湧いてくる。

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タイタンの戦い 3D & 2D ブルーレイセット(2枚組) [Blu-ray]|2010年4月公開

3D映画ブームの実態は、3Dカメラで撮影されていない映像を後からコンピュータ処理で3D化したものがほとんどだった。『アバター』のように3D効果を計算しながら製作しているわけでもないので、「飛び出して見えるのは字幕だけ」という現象も起きた。

人類は3D料金が割高なことに気が付く

劇場版『ペ・ヨンジュン3D in 東京ドーム 2009』|2010年5月公開

ペ・ヨンジュン

3D料金は映画館側の値上げでもあった。通常料金よりも200円~400円分上乗せしているため、映画の一般料金は2000円を超えた。さらにシネコン各社は3D映画の各種割引を無効にした。一番酷いのは前売り券の扱いで、1300円の前売り券を持って劇場に行くと差額として800円を払わされたときはムカついたものだった。前売り券を買う意味が無いじゃん!(現在は多くのシネコンで割引が有効になっているが、3D料金自体はさらに100円値上げになった)

そんな状況の中、公開された『劇場版『ペ・ヨンジュン3D in 東京ドーム 2009』』は特別料金3500円というボッタクリをやったのであった。

『アバター』のタイトルが変わる

エアベンダー|2010年7月公開

アメリカのテレビアニメ『アバター』が実写化されることになったが、いかんせんタイトルが被っているために『エアベンダー』と改題して公開。でも驚異的につまらなかったので、今のところ3D映画ワースト1の座に輝いている。

人類は3D映画がなんか飛び出しているだけなことに気が付く

バイオハザードIV アフターライフ IN 3D|2010年9月公開

ナンチャッテ3D映画ではなくて、ちゃんと3Dカメラで撮影したホンモノの3D映画『バイオハザードIV アフターライフ』が公開される!期待して観に行ったけれど、銃弾やナイフが画面奥から飛び出してくる映像をひたすら連発。それって赤と緑のセロファンメガネで見る3D映画と同じじゃん…。

公開される映画のタイトルに3Dがとりあえず付くようになる

THE LAST MESSAGE 海猿 3D|2010年9月公開

このころから「映像がちゃんと3Dかどうか」はもうどうでもよくなって、3Dは単なる話題作りの道具になってしまった。

『THE LAST MESSAGE 海猿』は嫌いな作品だったが原発爆発後の今観るとかなりリアルだったりする。印象に残るのは、海保の人間がプラント火災を防ぐ命がけの仕事に駆り出されて「俺は救助ロボットじゃないんです!」って泣き出すシーン。これは「ロボットのように感情を無くせない、怖くて仕方がない」という意味だけど、今となっては東電が撤退を検討する事態だったのに福島第一原発で放水活動をやらされた公務員たちの叫びにも通じる。

公開が終わった映画でもとりあえず3Dになる

バトル・ロワイアル3D Blu-ray|2010年9月公開

3Dにしても話題作りに失敗する映画もあったね。

3Dやめる

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1|2010年11月公開

そして遂に3Dをやめる映画が出てきた。『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』は散々「シリーズ初の3D映画!」と宣伝したにも関わらず直前で中止となった。『アバター』が切り開いた新時代はどうなったのだろうか。

死の秘宝

3D効果があまり無かったのが、中止の原因らしい。

ちゃんとした3D映画でもつまらなかった

トロン:レガシー 3Dスーパー・セット [Blu-ray]|2010年12月公開

『アバター』以来ようやく本当にマトモな3D映画が観られる!と思ったけど、これもあんまり面白くなかった…。それと続編だと知らずに観た人多数。

ついに『アバター』が公開される。

アバター|2011年4月公開

『リアル鬼ごっこ』の山田悠介原作『アバター』の映画化。もうどうでもいいわ。っつーか『エアベンダー』みたいにタイトルを変えなかったのか。『リアルアバター』とかでいいじゃん。

ウンコ、チンチン、オシッコが3D映像になる。

ジャッカス3D|2011年5月公開

ジャッカス3D

「排泄物が3Dになったら面白くね?」という小学生レベルの発想を本当にやったのがこの映画。ノーモザイクで飛び出すウンコ(from 人間)はトラウマレベルだ。スローモーション3D映像は美しかったりするのだが、飛び出してくるのがディルドー(男性器の形した大人のオモチャ)だったりするのはまるで美しくない。現在絶賛公開中なので衝撃映像が観たい方は劇場へどうぞ!隣の女性にハンカチじゃなくてエチケット袋を差し出しそう。

『アバター』が切り開いた3D映画の新時代は、単なるウザいブームとなってしまった。でもまあ『アバター2』が公開されるときにはまた改善されると思うよ。その後は知らん。

3D映画のちゃんとした歴史はこっちでどうぞ⇒3D映画ブームを一過性で終わらせないためにどうすればいいのか、歴史と技術をひもとく – GIGAZINE

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