ケータイ小説映画「teddy bear」

この文章はBootleg Vol.2 Love Storyに載る予定だったけれど、ページ数の関係で載せられなかったものです。Bootleg Vol.3 Noirの発売記念として破壊屋に載せます。ネタバレしているので注意。

ストーリー

高校に入学した晴菜はクラブで出会った仲間たちからドラッグを薦められる。薬物に手を出す一歩手前の晴菜を止めたのは成也だった。晴菜は成也と付き合うが、束縛の強い成也のせいで友達付き合いが悪くなり、晴菜はいじめられるようになる。さらに晴菜の自傷癖が成也にバレて殴られる。母親との仲も悪い晴菜にとって、唯一の友達は瑞穂だけだった。

晴菜は束縛から逃れるために成也と別れるが、成也の親友から真実を聞かされる。実は成也は進行性の健忘症だったのだ。成也は施設に入ることになり、晴菜は成也の介護をする。そんなある日成也は赤信号の意味を忘れてトラックにはねられて意識不明の重体となる。病室で成也に付き添う晴菜は、成也からテディベアをプレゼントされる夢を見る。目を覚ますと成也は死んでいた。晴菜は悲しみに耐えられず死んだ成也に「私をお嫁さんにして」とメールを送る。死んだ成也から返信が来た。「生きろ」と。

生きる希望が沸いた晴菜は妊娠していた瑞穂の出産に立ち会う。瑞穂は自分の子どもに晴菜+成也として「晴也」と名づけたのだった。

解説

晴菜と成也の二つの母子家庭の物語になっていて、成也と付き合うことで晴菜自身も母親との関係を修復するという脚本が面白い。ただフラッシュバックを使った回想シーンを連発するのが興ざめ。

泣かせのための人死にが多い日本映画だけど、その死因は交通事故と病死がほとんどだ。アメリカ映画と違って他の事故や事件や戦争で死ぬというパターンはほとんど無い。『teddy bear』は難病の彼氏が交通事故で死ぬというダブルコンボが特徴的だ。

原作では登場人物全員ヤンキーだが、映画版ではだいぶ性格が丸くなっている。瑞穂を妊娠させる男は原作だと未成年だが映画では成人であることが強調されている。

死んだ成也からケータイメールが届くラストシーンは珍シーンだが、原作のラストは実にケータイ小説的だ。原作では植物人間になった成也を晴菜が見舞い続ける。ある日晴菜は夢の中で成也から「生きろ」と言われて、成也の死を受け入れる心構えができる。心構えができた晴菜は念入りの化粧をして髪を綺麗に巻き、植物人間の成也にカワイイ自分を見せに行く。そして成也は息絶えるのだった……。心を込めたメイクが深い愛を表現しているんだよ。

『teddy bear』の原作については速水健朗氏の著書『ケータイ小説的。』に興味深い指摘が載っている。『teddy bare』は実話だという触れ込みなのに、ストーリーが浜崎あゆみの歌詞と同じだというのだ。ケータイ小説における浜崎あゆみの影響力の高さがわかるエピソードだが、浜崎あゆみがケータイ小説映画に関わることは一度も無かった。

teddy bare

クラブで遊ぶシーン、原作だと飲酒しているけど映画だとお茶を飲んでいることを強調する。

teddy bare

アクセサリーをプレゼントする時にアクセサリーの文字の和訳が出てくる

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破壊屋文学フリマオフ会

文学フリマ当日は例によってミニオフ会をやります。参加したい方は12:30と15:00までにBootlegブースの周辺にいる俺に声をかけてください。スパイダーマングッズを手に持っておきます。

参加するかどうかは、当日の気分で決めてもらって構わないです。「破壊屋とかよくわからんけど、文学フリマまで来て誰にも声かけずにかえるのはちょっともったいない!」という感覚の人でも大歓迎です。ただしBootlegブースの人に「破壊屋オフ会参加しに来たんですけど…」と声かけても、「場所知らない…」と返されるだけなので注意。

今まで文学フリマのミニオフ会に来たことある方は、今回も同じお店でやりますので、直接来てもらってもOKですよ(閉店だったらどうしよ)。

食べるモノ昼ごはん
移動開始時間12:30
集合場所文学フリマ会場、Bootlegブース近くの壁際
食べるモノジュース
移動開始時間15:00
集合場所文学フリマ会場、Bootlegブース近くの壁際

集合場所はBootlegブース近くの壁際ですが、人数が増えてきて他の人のジャマになっていると判断したら集合場所を変えてしまいます。が、その告知はツイッター上でしかできません。当日見捨てる形になってしまったらごめんなさい。参加表明は…できる人は事前にメールでもツイッターでもいいので参加表明しておいてください。当日無断ドタキャンorドタ参加してもOKです。

文学フリマ

会場の地図

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今度のBootlegは悪だ!

さて問題です。この二つの戒名は誰と誰の戒名でしょう?

あぶデカあぶデカ

正解は『あぶない刑事』シリーズのタカとユージです。ユージの戒名が特に酷いな。


おかげさまで映画評論同人誌Bootlegの最新号「Bootleg Vol.3 Noir」が発売されます。Noir(ノワール)とはフランス語で「黒」を意味する言葉で、映画関係では「フィルム・ノワール」「香港ノワール」といった犯罪映画のジャンルを意味する言葉としても使われますね。

今までのBootlegのテーマは「黒人」「愛」でしたが、今回侍功夫編集長が選んだテーマは「悪」!映画界における悪といえば、ジェイソンやフレディのように豪快に人を殺しまくる悪から、映画が始まる前にオレンジ色の服着たおねーちゃんがちょっとダウンロードしている程度の悪まで色々とあるわけですが、俺が選んだのは殺人や事故による死です。具体的には日本映画のボディカウント(死体の数)です。妻夫木くんの『悪人』みたいに一人殺してウジウジ悩んでいるような映画ではなくても、もっと大勢が死んでいる映画が対象です。

アメリカ映画ってのは主人公が何十人も殺して、親友が途中で殺されて、最後は悪党を裁判にかけず逮捕もせずにぶっ殺して、ヒロインとキスしてハッピーエンドになるわけですが、いやそれハッピーエンドじゃねーだろ。そんな事件起きたら一生トラウマになるだろ!と思いますが、そんなことは全然気にせずに続編が作られたりします。

日本ではそこまでおおざっぱな映画は時代劇くらいですが、現実では一人殺したら死刑になりつつある日本でも、映画の中で何人も殺す人はいるわけですね。冒頭のタカとユージも映画シリーズ6作の中で殺しまくるので、死体を数えるのが大変でした。

また殺人者だけではなくて事故・災害映画の中の死体の数も数えています。大震災直後の記事としては、ものすごく不適切で不謹慎ですが「悪」がテーマなのでご容赦願います。

「Bootleg Vol.3 Noir」は6月12日 日曜日に発売です!お近くの書店には絶対にないので、遠くの蒲田にある文学フリマ会場までご足労願うことになります。しかし侍功夫編集長が素敵なオマケを用意しています。後で告知しますが、破壊屋昼食会、破壊屋オヤツ会も一緒にやります。

他の豪華執筆陣の内容はBootlegブログで読めます。うーん、みんなすごいの書いてきているな。

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AKB38度線

こんなコメディ映画のプロットを思いついた。


北朝鮮のとある幹部はAKB48の大ファンで、日本国内の北朝鮮工作員にAKB48の写真集やグッズを購入させて密輸していたが、ある日それが軍部にバレてしまう。幹部は一方的な裁判で処刑となるはずだったが、彼は手元にあったAKB48グッズを見てひらめいた。

「AKB48は民衆から効率よく搾取できるシステムです!私は偉大なる祖国のためにAKB48を学んでいたのです!」

幹部のアイデアに感動した将軍様によって彼は無罪放免となり、北朝鮮にAKB48を導入する任務につくことになった。幹部は韓国から優秀な整形外科医を拉致し、喜び組のメンバーたちをAKB48風に整形させた。チマ・チョゴリを着て伝統民謡を踊っていた彼女たちも、ミニスカ制服を着てダンスするようになった。セックス専門の喜び組には枕営業の制度を導入したので、彼女たちは性の奴隷ではなくて性のサービス業として高給取りになった。将軍様の誕生日のメインイベントはマスゲームではなくて喜び組の握手会になった。幹部も喜び組の人気メンバーと恋仲になれて幸せだった。

そして国民から財産を搾取する最大の手段である、投票権付きCDを将軍様の号令で大量購入させる計画が始まった。CD収録の音楽は小室哲也(特別出演)に作らせた。しかし幹部とメンバーの恋がバレてしまう。軍部はメンバーの恋愛に激怒し、再び一方的な裁判が行われ幹部に処刑命令が下される。だがその時に将軍様が病死し、軍部は混乱に陥る。幹部は手元にあったCDの投票権を見てひらめいた。

「このCDを国民にタダで配るのです!そして次の指導者を投票で決めてもらうのです!」

こうして北朝鮮は民主主義への第一歩を踏み出すのであった。幹部は釈放されたが特権階級としての身分は失っていた。だが家に帰るとそこには恋仲のメンバーがいた。驚く幹部だがテレビを見てみると、自由報道ができるようになった朝鮮国営放送が幹部とメンバーのデート写真をスキャンダラスに伝えていた。メンバーは言う。
「卒業しちゃった」
幹部とメンバーは抱き合ってキスをする。END。


幹部は草なぎツヨポン、恋仲になるメンバーは沢尻エリカ様、監督と脚本は井筒和幸羽原大介のコンビがいいな。

ところで総選挙が終わったら、結果に納得できないファンたちによる不信任投票やったらまた盛り上がると思うよ。

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神様が祝福してくれた広島と長崎と福島

広島の司祭

以下の歌詞はロックバンド:レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの名曲『スリープ・ナウ・イン・ザ・ファイアー』のサビだ。

But I am the Nina, the Pinta, the Santa Maria
The noose and the rapist, the fields overseer
The agents of orange, the Priests of Hiroshima
The cost of my desire, sleep now in the fire
我は、ニーナ号、ピンタ号、サンタマリア号
絞首刑の縄、強姦者、奴隷監視人
エージェント・オレンジ、ヒロシマの司祭
我が欲望の代償は火の中で眠れ

「ニーナ号、ピンタ号、サンタマリア号」はコロンブスが乗っていた船で、ネイティブ・アメリカン虐殺のきっかけとなった。エージェント・オレンジはベトナムで使われた枯葉剤のことだ。「the Priests of Hiroshima」を「ヒロシマの僧侶」と訳しているサイトも多いけど、これは「司祭」が正しいと思う。日本に落とされた原爆は飛び立つ前に司祭の祝福を受けている。

この曲はキリスト教の元に行われた犯罪を意味している。うーん素晴らしい歌詞だ。アメリカのバンドがこんな歌詞の曲を作っているというのが凄い。社会問題を歌詞にする事自体をバカにしている「いきものがかり」とかいうヘタレに1万回くらい聴かせてあげたい名曲です。マイケル・ムーアが監督したゲリラライブのPVも最高にカッコいい。

長崎の鐘

戦後ベストセラーとなった『長崎の鐘』という小説がある。この小説はカトリック信徒の日本人によって書かれており「原爆は神の恵み」として表現されている。GHQにこの表現が気に入れられてGHQの検閲を通ったというエピソードもある。西日本新聞の検証記事から引用する。

「長崎の鐘」は原爆の惨状を克明に描き日本人の米国への反感をあおる恐れがあった。しかし、GHQにとって発禁にするには惜しい内容だった。なぜか。カトリック信徒永井の原爆観が対日政策上、極めて都合の良いものだったからだ。永井は「原子爆弾が浦上に落ちたのは大きな御摂理である。神の恵みである。浦上は神に感謝をささげねばならぬ」と書いている。GHQ検閲官の報告書には「長崎の鐘は原爆を地震や噴火といった天災のように描き、政治問題ととらえていない」とある。

このGHQの報告書から戦後のプロパガンダ事情がよくわかる。

福島の神

戦後から60年以上経った今、日本で同じようなことが行われている。経済財政担当相が神様を持ち出してきたのだ。時事通信の記事から引用する。

与謝野馨経済財政担当相は20日の閣議後会見で、東京電力福島第1原発事故は「神様の仕業としか説明できない」と述べた。同原発の津波対策に関しても「人間としては最高の知恵を働かせたと思っている」と語り、東電に事故の賠償責任を負わせるのは不当だとの考えを重ねて強調した。

おいおいおい。人間として最高の知恵を働かせた結果が「津波の指摘を無視した」とか「非常用電源は全部海側にあった」とかになるのか。原発の事故情報を隠ぺいするのは確かに人間の知恵だけどね。

酷い事態になると神や宗教を使って正当化しようとするヤツらが出てくる。別に宗教が悪いわけじゃない。信仰心が被災者を救う場面はこれからどんどん出てくるはず。冒頭に貼った震災の地で祈る僧侶の写真は世界中で感動を呼んだ。俺が怒りたくなるのは神を利用してまで事実から目を背けさせようとするヤツらと、そこまでして隠したい事実に対してだ。福島の悲劇が神の仕業だというなら、その神をチェーンソーでぶっ殺してやる!!

レスト・ウィ・フォーゲット。マリリン・マンソンの『ファイト・ソング』も神を利用する体制との闘争を煽る名曲。

バトル・オブ・ロサンゼルス。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはとりあえずこれがおススメです。

Sa・Ga 全曲集神をチェーンソーでぶっ殺すゲーム。

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