hakaiya Twitter May 12th
5月 12th, 2012機動警察パトレイバー:Lの悲劇
5月 6th, 2012機動警察パトレイバーのアニメ版は全部で70エピソードあるんだけど、パトレイバーファンに「一番好きなエピソードは?」って聞くと様々な答えが返ってくると思う。
俺が一番好きなのはミステリー系のエピソード『Lの悲劇』で、内容はこんな感じだ。
- 銃による悲劇の始まり
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ある夏の日、銃を持った犯人たちによる立てこもり事件が起きた。パトレイバー第二小隊の太田は犯人に対してブチ切れてしまい、リボルバーカノン(レイバー用の超大型拳銃)をぶっ放してしまう。犯人たちは無事だったが、立てこもり現場はどえらいことに。
第二小隊の後藤隊長は呆れ果てて言う
「お前たちは地方公務員だぞ、自閉症児や不良少年が主人公のロボットアニメじゃないんだぞ」
銃で大失態を犯しても全く反省の無い第二小隊のメンバーは、富士の裾野にあるレイバー隊員養成学校(通商:レイバーの穴、タイガーマスクのパロディ)での再訓練を命じられる。 -
ズドーン! - 心霊現象
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富士の養成学校には後藤隊長と南雲隊長の他に、養成学校の佐久間教官と雑用係のゲンさんの合計4人がいた。
第二小隊が風呂に入ると風呂の色が真っ赤な血の色に染まる事件が起きる。血の色の正体はレイバー訓練用のペイント弾塗料だった。後藤隊長と南雲隊長は何か心当たりがあるのか深刻な顔をする。
それから養成学校で次々に心霊現象が起きた。極めつけは少女の幽霊が「お願い…撃たないで…」と太田に懇願してくることだった。
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少女の幽霊、怖い - 謎の美少女
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主人公コンビの野明と遊馬は、養成学校近くの駄菓子屋へ行く。そこには遊馬の馴染みのじいさんはいなくて、代わりに幽霊にそっくりな少女が店番をしていた。
遊馬は馴染みのじいさんを見つけた。最初は仲良く喋っていた二人だが、遊馬が養成学校にいると知るとじいさんは突然態度を変える。遊馬はじいさんに拷問をかけて養成学校で起きた悲劇について聞きだした。
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駄菓子屋の少女 - 養成学校での悲劇
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養成学校では悲しい暴発事件が起きていたのだ。しばらく前にレイバー同士の模擬戦闘訓練があり、警察官の家族が招待客として来ていた。しかしレイバーのペイント弾が暴発し、招待客だった少女に直撃して彼女は死亡した。この事件は公にならなかった。第二小隊のメンバーは警察の隠ぺい体質と、後藤隊長と南雲隊長の態度に失望する。
ペイント弾が直撃し招待客の少女が死亡する - 暴発事件の再現
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第二小隊のメンバーによるレイバー同士の模擬戦闘訓練が始まる。そのときレイバーが勝手に動いて少女が死亡した時と同じような動作をした。レイバーは第二小隊のメンバーに向かって引き金を引く!暴発事件の惨劇が再び起きると思いきや不発だった。しかし佐久間教官は事件が再現された事におびえる。これも心霊現象なのか?
おびえる佐久間教官 - 心霊現象ではなかった
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第二小隊のメンバーは心霊現象かどうかを調べるために優秀なプログラマーのシゲさんを東京から呼びよせる。シゲさんは「レイバーの動きが事件を再現するようにプログラミングされていた、こんなことが出来るのは俺くらいなもん」と調査結果を報告する。
そして遊馬は雑用係のゲンさんが一度も姿を見せてないことに気がついた…。
- 警告
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以下ネタバレです!OVAを観たほうがずっと面白いです!
- 思いつめた少女の犯行
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遊馬は事故で死んだ少女の写真を入手して、彼女が駄菓子屋の少女とソックリなことに気がついた。遊馬はじいさんを再び拷問にかけて真実を聞きだす、駄菓子屋の少女は事故で死んだ少女の妹だったのだ。
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これは一度目の拷問シーン -
駄菓子屋の少女は姉が死んだ事件を恨み養成学校に心霊現象の嫌がらせをしていたのだ。
シゲさんは「あんなプログラミングが少女に出来るわけない!」と反論するが、遊馬は雑用係のゲンさんが嫌がらせの協力をしていた事実まで暴いていた。ゲンさんの部屋を調べてみると、数々の心霊現象の小道具やプログラミング系の本が置いてあった。
駄菓子屋の少女はそこまで思いつめていたのだ、第二小隊のメンバーは銃が起こす悲劇の大きさを痛感し反省する。そしてこのまま少女とゲンさんは逮捕されてしまうのか?
- 警告
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以下ネタバレのネタバレです!OVAを観たほうがずっと面白いです!
- 意外な真相
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第二小隊のメンバーで一番頭のいい香貫花が
「誰も逮捕されないわよ!事件が出来過ぎているわ、推理小説でよくある手口よ」
と言う。香貫花が言うには養成学校の暴発事件なんてウソぱっちだし、ゲンさんなんて男は存在しない、心霊現象の犯人は第二小隊のメンバー以外全員で、プログラミングはシゲさん本人がやったはず、過去の写真の少女と駄菓子屋の少女は同一人物で誰も死んでないと言う。全ては第二小隊のメンバーに銃の取り扱いを反省してもらいたいが故の大がかりなイタズラだったのだ!何てこった!
犯人のみなさん仕掛け人と思われる後藤隊長は「それは香貫花の推理で、証拠がない」と反論するが、そこで香貫花は意外な証拠を出してくるのだった!
ストーリー解説はここまで。このストーリー解説はちょっとはしょっていて、本当は少女の兄(これも架空)が出てきたりする。タイトルの元ネタはエラリー・クイーンか『Wの悲劇』のどれかわからないけど、Lはレイバーの略だと思う。
というわけで『Lの悲劇』はミステリーの大技である全員犯人ネタだった。通常の全員犯人ネタと違うのは、犯人側にレギュラーキャラの南雲隊長(劇場版パトレイバー2のヒロイン)というマジメキャラを使っていて、意外性を引き立てている点だ。
また兵藤まこが声優をする少女の使い方がとても巧みで、脚本もさることながら彼女のキャラクター演技がトリックの組み立てに一役買っている。香貫花が証拠を出してきたあとの大オチも見事だ。ちなみにLの悲劇はパトレイバーの旧OVAシリーズ(アーリーデイズ)に入っている。脚本は伊藤和典だ。
俺にとってSFアニメってガンダムでもエヴァでもなくてパトレイバーなんだよなぁ。今回Bootleg Basic執筆用にパトレイバー全70エピソードを見返したけど、エピソードによっては出来不出来が大きいけれど、今でも色あせない傑作エピソードも多いことに驚いた。基本的にはレイバーが出てこないエピソードに傑作が多い。あとパロディネタがめっちゃ多いのも特徴だ。ちなみにゆうきまさみの漫画版も傑作です。
押井守が脚本を書いたエピソードだと、延々と出前を注文するシーンが続く『特車二課壊滅す!』や、ゲームのウィザードリィをベースにしたドタバタコメディ『地下迷宮物件&ダンジョン再び』が有名。
伊藤和典が脚本を書いたエピソードだと、ウルトラマンとパトレイバーを融合させた『CLATよ永遠に&星から来た女』、東京湾の怪獣とオキシジェン・デストロイヤー(ただのドライアイス)で対決する『4億5千万年の罠』、東京でクーデターが起きる『二課の一番長い日』が有名かな。
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hakaiya Twitter May 5th
5月 5th, 2012やり直しになる映画シリーズ
5月 5th, 2012映画にはリブート(再起動)っていう言葉がある。今度公開される新スパイダーマンみたいにシリーズを無かったことにしてやり直すことだ。今回はそんなリブート作品を集めてみたよ。
スパイダーマン
- サム・ライミ版(3本作られた)
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ボンクラテイストを強めにしたこのシリーズ超好きだったんだけどなー。『スパイダーマン4』がキャンセルとなったためにスッキリした完結は迎えなかった。
- アメイジング・スパイダーマン(2まで決定)
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『スパイダーマン4』がキャンセルとなったためにリブートされることになった。監督は『(500)日のサマー』で長編デビューしたばっかりの人。
バットマン
- バットマン オリジナル・ムービー(1本作られた)
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1966年版、オープニングで「荒唐無稽の楽しさ、バカバカしさを愛する人にこの映画を捧げる」とメッセージが出てくるほどのバカ映画。
- ティム・バートン&ジョエル・シュマッカー版(4本作られた)
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監督が代わるのはまだしも、バットマンを演じた俳優もコロコロ変わるんだが……でも一応同じシリーズ。『Mr.フリーズの逆襲』が失敗したためにシリーズ終了。
- クリストファー・ノーラン版(3部作で完結予定)
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『ダークナイト(2008)』はアメリカで興行的に大成功を収め、映画史に残る名作として扱われている。リブート作品の成功例だろう。
ハルク
- アン・リー版(1本で終了)
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この作品の大失敗によって台湾出身アン・リーはハリウッドでの仕事が不可能になると思われたが、『ブロークバック・マウンテン』で見事に復活。
- インクレディブル・ハルク(アベンジャーズに転職)
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今度はアベンジャーズの一員として復活した。監督はフランス出身のルイ・レテリエ。
スーパーマン
- カーク・アレン版(映画は2本作られた)
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1940年代のスーパーマン。映画以外にもアニメやラジオとかいっぱいある。
- ジョージ・リーヴズ版(映画は1本作られた)
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1951年のスーパーマン。ジョージ・リーヴズは「スーパーマンの呪い」でも有名。
- クリストファー・リーヴ版(4本作られた)
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一番有名なのはこのシリーズ。1978年~1988年の映画。だが著しく出来の悪いスーパーマン3とスーパーマン4を無かったことにされて21世紀にリブートされる。
- スーパーマン リターンズ(1本で終了)
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リブートというよりもスーパーマン2の直接の続編だけど、イマイチな結果なので終了。
- Man of Steel)
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リブートして2013年から始まる予定の新シリーズ。監督は『300』のザック・スナイダー。
パニッシャー
- ドルフ・ラングラン版(1本で終了)
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パニッシャーがヤクザと戦う映画。
- トーマス・ジェーン版(1本で終了)
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パニッシャーが駐車禁止する映画。
- レイ・スティーヴンソン版(1本で終了)
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どれも1本でシリーズ化に失敗しているので、逆にシリーズに思えてくる。頑張れぱにっしゃー!。
ゴジラ
- 昭和ゴジラシリーズ(15本作られた)
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ゴジラシリーズは何度リブートしても第1作の設定が不変で、無かったことになるのは第2作目以降なのが特徴的だ。つまり「1954年に放射能で巨大怪獣になったゴジラが日本を襲った」という事実だけは絶対に変わらない。
- 平成ゴジラシリーズ(7本作られた)
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昭和ゴジラシリーズを無かったことにして、1954年のゴジラ第一作の直接の続編として製作。1984年のゴジラはビルのほうが背が高い。そして1995年にゴジラはメルトダウンする。でも世紀末にリブート!
- ミレニアムシリーズ(5本作られた)
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昭和ゴジラシリーズも平成ゴジラシリーズも無かったことにした。ミレニアムシリーズは毎回リブートがかかっているので、それぞれ独立した作品だ。
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ただし『ゴジラ×メカゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』だけは繋がっている。
- ゴジラ FINAL WARS)
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最終作でも再びリブート。というわけでゴジラのリブート回数はなんと6回!
- ゴジラ 3D
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残念な結果となったエメリッヒ版ゴジラだけど、ハリウッドゴジラもリブートの計画が進んでいる。『ゴジラ 3D』が2014年公開予定。
デアデビル
ファンタスティック・フォー
ハムナプトラ
ピンクパンサー
- ピーター・セラーズ版(8本作られた)
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主演のピーター・セラーズが途中で亡くなったので、別の人を主演にしてシリーズを続けた。
- スティーブ・マーティン版(2本で終了?)
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新ピンクパンサー2には日本人も出ているんだけど話題にならなかったね。
ジャック・ライアン・シリーズ
- ハリソン・フォード版(2本作られた)
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この作品の前にアレックス・ボールドウィンがジャック・ライアンを演じた『レッドオクトーバーを追え!』があったんだけどね。
- ベン・アフレック版(1本で終了)
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ずっとプリクェルだと思っていたけど、これもリブートらしい。
ガメラ
- 昭和ガメラシリーズ(8本作られた)
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子ども向け怪獣映画だから仕方ないとはいえ、幼稚すぎて俺は嫌いなシリーズだ。
- 平成ガメラシリーズ(3本作られた)
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うって変わってこちらは傑作シリーズ!90年代を代表する日本映画シリーズと言ってもいい。
- 平成ガメラ新生版(1本作られた)
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平成ガメラ3部作が大人向け過ぎたので、こちらは子供向けであることを強調した。でもヒットせずに終了。
仁義なき戦い
- 深作オリジナル五部作(5本作られた)
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1973~1974年にリブートかけつつ6本も作られたシリーズ。当時の日本映画のパワフル過ぎ。
- 深作新シリーズ(3本作られた)
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このシリーズは直接的にはストーリーが繋がっていない。深作以外が監督した別作品も3本ある。
エヴァンゲリオン
- 劇場版シリーズ)
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テレビシリーズのラストを無かったことにして映画で完結させようとした。
- 新劇場版シリーズ
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エヴァンゲリオンのリビルドらしいが、まあリブートってことにしても良いだろう。2013年に完結する予定だが…。
虹をつかむ男
- 山田洋次監督・西田敏行版(1本で終了)
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プログラム・ピクチャーとして作ったのに第一作でいきなり失敗したためシリーズ終了。
- 山田洋次監督・西田敏行版(1本で終了)
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スタッフも主役も変えずにリブートするという珍しいことやって、また失敗。これでシリーズ終了。そういえば大沢たかおの築地魚河岸三代目シリーズも一作で終わったね。
あと『宇宙戦艦ヤマト』もリブートっていうか設定のちゃぶ台返しが酷いことになっている。『プレデターズ』はリブートのつもりだったらしいけど新シリーズの続編が作られる予定はない。『トランスフォーマー』も2014年に公開される第四作がリブートという噂もあるけど、ある程度は繋がっているらしい。
リブートじゃない作品も載せたりしたけど、リブートやらリメイクやらリビルドやら言葉の定義付けもめんどくさいのでそこらへんは適当。これからも延々とリブートは続くんだろうな、遠い未来には『アバター』もリブートされるかも?
さて、今回のエントリは『Bootleg Vol.0』で俺が書いたコラム『リブート!~繰り返される映画たち~』から解説を全部削除して、最近のリブートを足したものです。『Bootleg Vol.0』が欲しい人は……残念ながらもう入手方法は無いと思うけれど、Bootlegの最新号は2012年5月6日に文学フリマ会場で発売されます!
破壊屋文学フリマ昼オフ会
5月 2nd, 2012『Bootleg Basic』が発売される文学フリマが近づいてまいりました。今回も破壊屋昼オフ会をやります。「1、2冊だけ買って帰るのもったいない」「ブロガーに声かけたいけど、誰が誰だかわからない」「破壊屋は知らんがそれ以外は知っている」という方の参加大歓迎です。状況が状況だけにドタキャン&ドタ参加OKですが、事前に最大人数を把握しておきたいので「行けそうだったら行く」の人でも一応連絡ください。
日時 | 5月6日 日曜日 |
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集合時間 | 11:45前後 |
場所 | 平和島 |
募集締切 | 当日飛び入りOK |
参加したい方はメールフォームか、Twitterか、何でもいいので俺に連絡ください。
ちなみに今回は文学フリマ会場周辺に食べるところが無いので、バスで移動して平和島で昼オフをやります。だから参加したい方は
- パターン1:文学フリマ会場で11:45までに俺に会って、その後行動を共にする
- パターン2:平和島に直接行って、俺が指定するレストランに行く
- パターン3:文学フリマから帰る際に、まだやっているかもしれない破壊屋昼オフに顔を出す
の3つから選んでください。
そういえば花見の写真を出し忘れていた。町山智浩さん、吉田豪さんとパチリ。俺の反対側にはBootlegを持ったBootleg編集長がいる。