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『夢売るふたり』のラストシーンについて

夢売るふたり

『夢売るふたり』を観たけど、すごく良かった。阿部サダヲと松たか子演じる夫婦が結婚詐欺(実際はちょっと違う)に手を染めるというストーリー。脚本・監督である西川美和が初の女性映画を撮ったんだけど、西川美和の女性の人生を見つめる視点が怖すぎるよ。特に巨漢の女性:ひとみ(江原由夏という女優が好演!)のエピソードが素晴らしく、彼女に関するセリフ全部に体中がゾワゾワする感覚を味わった。

さて、この映画のラストシーンはちょっとわかりにくい終わり方なんだけど、俺なりの解釈を書きます。ネットをちょっと調べた感じでは俺と同じ解釈の人がいないので、あまり本気にせず読んでください。以下ネタバレ。


注:完全なネタバレです!


映画のラストシーンには伏線があって、それは松たか子がドブネズミを凝視するシーンだ。詐欺に手を染めてお金を稼いだ阿部サダヲと松たか子は、念願のスカイツリーが見える店舗の購入と改築にこぎつける。二人の夢が叶いそうになる一方で、松たか子はその状況に不安を感じている。そんな時に松たか子がドブネズミを見つけてじーっと見つめるのだ。このドブネズミは松たか子の状況のメタファーだと思う。松たか子は不衛生でコソコソ生きるドブネズミが自分の姿であることに気が付いたのかもしれない。

そしてラストシーン、刑務所に入った阿部サダヲは見えるはずの無いカモメを見る(感じる)。空を飛ぶカモメは希望のメタファーなのかな、阿部サダヲにはまだ希望が残っているのかもしれない。そして同じく港でカモメを見る松たか子、つまりこの夫婦にはまだ通じ合う部分が………と言いたいところだけど、映画のファイナルカットで松たか子が見るのはカモメじゃあない。観客と目が合うんだよ。

『夢売るふたり』は全編に渡って松たか子の視線がポイントになるんだけど、最後に松たか子が観るのが観客なんだよね。登場人物の謎の視線で終わるという点では同じ西川美和作品の『ゆれる』と似ているんだけど、『ゆれる』と違って物語的な深い意味は無いと思う。劇中で松たか子はずっと他人の人生を見続けてきた。ラストシーンで観客はそんな松たか子に自分も見られるという不思議な感覚を味わせられるのだ。

ゆれる DVD
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バトルシップ

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宇宙戦艦に立ち向かう男(バカ)の背中!

最高のバカ映画

この映画は大スクリーンで観ろ!じゃなきゃDVDで何か他のことしながら適当に観ろ!と言いたくなるほど豪快かつ単純で中身の無い映画だった。DVDが発売されるということなので、ストーリーを最後まで紹介しますが、いかんせん観たのがだいぶ前なのでかなり省略してます。

状況説明

映画が始まるといきなり小学生SFのような以下の字幕が出てくる。

「地球外生命体を探すために5倍強い電波を発信するビーコンプロジェクトが始まった」

次に科学者が出てきて

「例えば地球外生命体がコロンブスで、俺たちが先住民だったら?」

と言うので、この映画の状況説明は完了した。こうして宇宙人と地球人が戦うのだ!便利だなぁ、先住民虐殺の歴史って。

ハワイでニート

ハワイに住むとある兄弟。兄:ストーンはアメリカ海軍の立派な軍人という死亡フラグが立っている男。弟:アレックスは主人公でニート。アレックスは今日も兄から説教を受けている………最中にブロンド美女を見つけたために兄を無視してブロンド美女をナンパ。美女が「ブリトー食べたい」と言ったために、閉店後のコンビニを破壊してブリトーを購入する。料金はきちんと置いているんだけど、コンビニは破壊されたために見事逮捕される。

ニート出世

場面が代わって5年後、ニートのアレックスは海軍の戦略下士官になっていてブロンド美女と結婚前提で付き合っていた。立派なお兄さんはあまりにも立派すぎるので艦長になっていた。この映画をテレビで放映したら「おいおい、いくら何でもカットしすぎだろ!展開早すぎ!」というツッコミが多そうだけど、ここらへんの展開は全部ノーカットだ。

ハワイで環太平洋合同演習(リムパック)が始まった。アレックスは艦隊の記念式典にバッチシ遅刻した上に、そこらへんのガキに戦艦がいかに強いかを得意げに説明したため大遅刻する。アレックスは相変わらず人間のクズだった。

日本人襲来

日本の自衛隊とアメリカ軍の親善サッカー試合が始まった。卑怯な戦略に定評のある日本人たちが優勢だった上に、浅野忠信がアレックスの顔面に蹴りを入れる。浅野忠信は自衛隊の護衛艦みょうこうの艦長という設定だ。

日本チームとアメリカチームの戦いの行方だが、チームプレイがとても大切であるはずのサッカーにおいて仲間と協力するという発想がないアレックスのせいでアメリカの敗北

試合後にアレックスは浅野とトイレで鉢合わせたので、その場で殴り合いの大ゲンカが始まる。この映画のプロットにはツッコミどころが多いけれど「まあ宇宙人が攻めてくる映画だし」の一言で片づけられるもんだけど、アメリカ軍の戦略下士官と自衛隊の艦長という役職の高い2人がトイレで殴り合うっていう展開だけは、ありえないだろう。

数々の問題を起こしてきたアレックスは演習後の解任が決定となる。

宇宙人襲来

リムパックの演習が始まったが、そのとき真珠湾南に宇宙からの巨大飛来物がやってくる。飛来物の調査に米軍の駆逐艦ジョン・ポール・ジョーンズ(以下:JPJ)とサンプソン、自衛隊のみょうこうの日米合同駆逐艦隊が向かう。サンプソンの艦長はアレックスのお兄さんだ。だがアレックスが勝手に飛来物に触ったところ飛来物が動作を開始した。

飛来物は広大な無敵バリアを張り巡らし、日米合同駆逐艦隊は主力艦隊から孤立してバリア内に閉じ込められてしまった。そんなすごい無敵バリアは飛来物の周囲に張るべきであって、バリアー内に日米合同駆逐艦隊がいたらバリアーの意味が無いと思うのだが。

愛の戦士たち

こうしてバリアー内で宇宙戦艦3隻VS日米合同駆逐艦隊の戦いが始まるのだが、圧倒的火力を持つ宇宙人戦艦はサンプソンとみょうこうをあっという間に撃沈。正直どうやって勝つんだ?感じなんだけど、「宇宙人は攻撃してくる脅威に対して反撃する。」というルールで動いていることが判明するので、観客視点で言わせて貰えれば何とかなりそう。どうやってルールが判明するかというと、脅威は赤色で非脅威は緑色で表示するので3歳でもわかるレベル

お兄さんは何もしないまま戦死し、浅野忠信たち日本人は海に投げ出された。JPJも被弾し、JPJの艦長・副館長は死んだ。もう瀕死の状態の日米合同駆逐艦隊だけど、さらに最悪なことが起きる。階級上、JPJの艦長を務めるのはバカのアレックスなのだ。

観客の「何もしなければいいんじゃないの?」という意思を無視して、バカのアレックスは残ったJPJで宇宙戦艦に特攻するという宇宙戦艦ヤマトみたいな作戦を思いつく。部下たちの「それよりもみょうこうから落ちた日本人たちを助けるべきでは」という意見を無視して、バカのアレックスはガンガン特攻!部下たちがキレ気味になってきたので、アレックスは仕方なく日本人たちを助ける。その中には浅野忠信もいた。

津波も宇宙人も日本人なら戦える

何もしなければ宇宙戦艦は攻撃してこないので、みんなとりあえず休憩。宇宙戦艦にミサイルを当てるには宇宙戦艦の位置解析が必要だ。浅野忠信は津波検知用ブイを使えば波の揺れで宇宙戦艦を検知できると提案。というか自衛隊はアメリカとの演習でもこっそりとそのブイを使って有利に戦っていたのだ!さすが卑怯な日本人。

アメリカ人たちが浅野忠信の意見に全面的に従ったところ、JPJはみごとに宇宙戦艦にミサイルを当てる。

アレックスは日本人の優秀さに感心して艦長の職を浅野忠信に譲る。同盟国とはいえ、他国の艦長に指揮権を投げるなんてありえないだろ!

地球ではオマエの悲鳴は聞こえない

アレックスたちは捕まえた宇宙人を調べる。宇宙人の目が爬虫類っぽいことから爬虫類好きの下士官が「太陽の光に弱いはず!」とアドバイス。っていうかマスクをしている時点でマスクが弱点だよね?『ダークナイト・ライジング』のべインにも同じツッコミが言えるけど。まあ映画『サイン』のように、リンク先『サイン』のネタバレ

ちなみに宇宙戦艦の動きは人間でいうところのバタフライなので波も音もすごくデカいので検知しやすいと思う。さらに宇宙戦艦で遠距離攻撃ができるのは歯車攻撃のみで、ほかの攻撃は全部視界の範囲でしか当たらない。宇宙人に至っては接近戦しかできない。あのー宇宙人ってもしかして弱い?さらに宇宙人の判断基準は「攻撃が自分に向いてない=安全」なので、人間からしょっちゅう反撃食らう羽目に。

明日に向かって撃て!

アレックスが宇宙戦艦を倒す作戦を立てた。日の出に合わせて宇宙戦艦の操縦席っぽい窓を銃で狙撃すれば大ダメージだ!
「あ、その程度で倒せるんだ」
という観客のガックリ感はさておき、この作戦は何の伏線も貼っていなかったけど実は狙撃の達人だったアレックスと浅野忠信がライフル構えて寝そべって「うふふ」「あはは」みたいに友情を高めあいながら発砲したことにより大成功(アレックスが成長して仲間と協力するようになったことを意味するシーンでもある)。こうして宇宙戦艦は撃沈する。しかし宇宙人の歯車攻撃によりJPJもついに撃沈する。

全ての戦力を失ったアレックスだが彼は諦めなかった。今は退役して観光船となった戦艦ミズーリを復活させるのだ!ついでに退役した元軍人の老人たちも復活!正直、このシーンが全然盛り上がらないのがこの映画の最大の欠点だと思います。なんでこのシーンで思いっきり興ざめしてしまうのだろう。伏線もちゃんと貼ってあるんだけどなぁ。

まあこのあと色々あってアレックスたちが宇宙人に勝ちます。以上、ストーリー解説終わり。

サイドストーリー

アレックスのバカっぷりが際立っているので、他の登場人物が紹介できなかったけれど、サイドストーリーとして黒人とユダヤ人が力を合わせて宇宙人と戦うという『インディペンデンス・デイ』と同じパターンの物語があったりして、そっちもかなり面白い。『インディペンデンス・デイ』の黒人とユダヤ人の描かれ方が「アメリカ的良心を持った男性たち」になっているのに対して、『バトルシップ』だと黒人=怖くて近寄りがたい男、ユダヤ人=臆病者で逃げ出す男という酷い描き方。でもまあ白人=バカ、日本人=卑怯者、スコットランド人=田舎のバカといろんな人種がそれなりにバカにされている映画なので、問題視する観客はいないはず。

他にも主人公のブロンド美女の彼女や、その厳しすぎる父親のリーアム・ニーソンや、優秀すぎる兄(スウェーデン人の役者なので、弟と人種が違う)などおいしいキャラが一杯いるけど、一番注目したいのは痩せすぎていて軍人に見えないリアーナ!『バトルシップ』は今年のサマーソニックのトリを飾ったリアーナの女優デビュー作だ。超大物歌手なのに実写スト2でキャミィを演じて女優デビューが大失敗に終わったカイリー・ミノーグよりかはずっと賢い出演作選びだと思う。

バトルシップ

『インディペンデンス・デイ』の主役コンビ。

アレックス

この映画で戦闘シーン以外の最大の特徴とも言えるアレックス、演じるテイラー・キッチュは同時期に歴史的大赤字をひり出した『ジョン・カーター』でもいきなり宇宙人を殺す男を演じていて、宇宙人が地球にやったらもっとも封印しておくべき男だと思います。

日本の扱い

俺がこのストーリーで一番驚いたのは、主人公が日本人に艦長の職を譲るシーンだった。「白人の主人公がマイノリティのために活躍の場を譲る」っていうパターンの映画はすごく多いんだけど、それはあくまでも「同じアメリカ市民だから」ということを意味している。でも他国の人間に「艦長」という責任が極めて強い職を譲るというのは、本当に驚かされた。俺はこのシーンを観たとき
「もしかして『グラン・トリノ』のラストシーン並みにすごい瞬間を目撃したのでは?うん、それは無いな、ただのバカシーンだ」
と自分を納得させたよ。

でも最初に「中身が無い」って書いたけど、意外と今の日米関係が見えてくる作品かもしれない。日中韓が海上の領土問題で揺れている今この時期に『バトルシップ2』が作られたらどういう設定になるのだろう?二回連続日本人を活躍させるはずはないので、他の国になると思うんだけど………韓国海軍だったりして。韓国国内では日本が活躍する『バトルシップ』はやはり反感を買っていて、監督がソウルの記者会見で続編にイ・ビョンホンを出すと言い訳したんだよね。

ちなみに最後に大活躍する戦艦ミズーリは日本の降伏文書調印式が行われた戦艦だ。

バトルシップ [DVD]【Amazon.co.jp限定】バトルシップ Blu-ray & DVD スチールブック仕様(デジタルコピー付)(完全数量限定)
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アイドルが幽霊になった性犯罪者とプログラミングで戦う映画

携帯彼氏

携帯彼氏

スーフリ事件、歌舞伎町雑居ビル火災、メディアスクラムを背景に、アイドル女優の川島海荷が幽霊となった性犯罪者たちとIT技術を駆使して戦うというテンコモリな内容のケータイ小説映画。

バルス・コマンド

先週のことだけど、レンタルサーバー会社のファーストサーバのデータが吹っ飛んで、多くの企業のデータがバックアップごと消え去った。これはかなりの大ゴトだ。

絶対に消えてはいけないデータが何故消えたのか?ファーストサーバの中間報告でもそこらへんが曖昧に書かれていて真相はわからないんだけど、まっさきに連想するのは「rm -rf /」みたいなコマンドだ。UNIX系OSに触ったことない人にはピンとこないだろうけど、サーバを破壊するには短いコマンドで十分なのだ。このやたら短いくせに破壊力が強すぎる点は『天空の城 ラピュタ』の滅びの呪文:バルスにそっくりだ。

『天空の城 ラピュタ』でシータがうっかり「バルス」って言ったらラピュタは滅びるのか?って疑問に思ったことあるけど、ファーストサーバはそのうっかりバルスが現実に起きたみたいなもんだ。ちなみにシータがうっかり「バルス」と言っても大丈夫のはず、そうじゃないと誰にも伝えられない。

バルス!

バルス

バルテュス!

バルス

本題

今回の事件を受けて一斉消去プログラムが出てくる映画を思い出した。『携帯彼氏』だ。『携帯彼氏』については、映画評論同人誌『Bootleg Love Story』に書いたんだけど、せっかくなので破壊屋でも取り上げてみる。

『携帯彼氏』の基本設定は、イケメンと擬似恋愛できるモバイルゲーム「携帯彼氏」にハマった女性たちが次々に殺されるというものだ。

ヒロインを演じるのはアイドルの川島海荷。

バルス

携帯彼氏のストーリー

「携帯彼氏」にハマっていた里美の同級生がビルから飛び降りて死亡する事件が起きる。

また里美は数か月前に年上のイケメン先輩でパソコンに詳しい直人から、パソコンの使い方を教わっていた。直人に恋する里美だが、直人は新宿雑居ビル火災で焼死してしまったのだ。

里美がパソコンに詳しい直人(左)に恋するシーン。

バルス

よく見ると直人はExcelでグラフを出しただけだが、Excelの機能を使っただけで周囲の人から過剰に尊敬されるのはよくあることだ。

バルス

警告

以下の文章は『携帯彼氏』のネタバレです。それとこの文章は映画評論同人誌『Bootleg Love Story』に俺が書いた「ケータイ小説の愛」の一部抜粋&修正です。

スーパーフリー

新宿雑居ビル火災の原因はそのビルの5階に集団レイプを目的とするサークルがあり、被害者の女子中学生がガソリンを被って焼身自殺したからだ。レイプサークルのメンバーは直人も含めて全員焼死した。里美は色々な意味で大きなショックを受ける。

「携帯彼氏」に殺される女性が続出する中、里美は「携帯彼氏」の顔が、焼死したメンバーたちと同じであることに気が付いた。さらに里美のケータイに入っている「携帯彼氏」は死んだはずの直人だった。

新宿歌舞伎町の雑居ビル火災事件とスーフリ事件をマッシュアップさせた豪快な展開である。

バルス

携帯彼氏の真相

里美は「携帯彼氏」を配信するサーバーマシンを探す出したのだが、そこは火災現場の雑居ビルの6階だった。つまり携帯彼氏事件の真相はこうだ。

レイプサークルのメンバーたちが焼死した時に、上の階にあったサーバーマシンがメンバーを焼いた煙を吸い込み、メンバーたちはサーバーマシンの中で携帯彼氏として存在し続けることになったのだ。そしてケータイに配信されて次々と女性を呪い殺していたのだ。いや、火と水で絶対に使い物にならないだろそのサーバー!

里美の親友が「携帯彼氏」に殺されそうになる状況の中、里美のケータイに非通知で直人から電話がかかってくる。それは死んで携帯彼氏となった直人だった!直人がレイプサークルのメンバーだったという大勘違いは、マスコミがきちんと報道しなかったからの一言で済まされる。ちなみに直人はサーバー管理のバイト中に焼死して携帯彼氏になった。

携帯彼氏に襲われる里美の親友役を演じるのは朝倉あき。まあ中高生向けのホラー映画なので、ジージャンを脱がされるくらいだけど。やたら太ももを強調したカットが多いのも特徴的。

バルス

プログラミングで反撃!

携帯彼氏を倒すには、削除プログラミングを作ってサーバから配信するしかない!そして里美が作る削除プログラミングが↓。

えーとこのカッコの多さはLispでしょうかね。なぜLisp(かなり古いプログラミング言語)なんだ………教育現場で使われているからかな?

バルス

 

「削除プログラムをSCPコマンドでアップロードするんだ!」と幽霊になった直人先輩から指示されたときの画面。本当にSCPコマンドでテキストファイルを送信しているだけだ。っつーか直人先輩、あんたがサーバ内にいるのならあんたがバルスコマンドを入力すればいいのでは?

バルス

バルス!

こうして携帯彼氏たちは全滅したと思いきや………すぐ復活してしまった!復活の理由は説明されないんだけど、ファーストサーバと違ってちゃんとバックアップを取っていたのだろう。

里美は端末の中に焼身自殺した女子中学生のプログラムがあることに気が付いた。里美は女子中学生のデータを配信するプログラムを作る。彼女が携帯彼氏たちを倒すのだ。

バルス

そして里美が最後に作るプログラムというかスクリプトがこれなんだけど………実はこれTomcatの「startup.sh」のコピペ。このシェルはcatalina.shを起動するのが目的なので、最後の一行以外は不要なんだよなー。これを書いている間、里美の友達はずっと携帯彼氏に首をシメられている。まあとにかくプログラムは完成しバルスがさく裂して携帯彼氏は全滅する。

バルス

映画の感想

ケータイ小説映画全作品リストでも書いたけれど、『携帯彼氏』はケータイ小説映画の中では一番面白い作品だ(ただしこのジャンルの水準は著しく低い)。日常生活の中で死が襲ってくる感覚を『ファイナル・デスティネーション』風に派手に描いたり、黒沢清風に地味に描いたりしているし、脚本も社会的事件を取り込んでいるのできちんと観れる作品になっている。

IT関係の描写はツッコミどころだらけだけど、サーバ内に幽霊がいるというアイデア自体は成功している。

その後の携帯彼氏

続編がいっぱいあります。

携帯彼女 [DVD]

バルス

バルス

映画の中でリアルなコマンドを打つ映画といえば『トロン:レガシー』。

トロン:レガシー 3Dスーパー・セット Blu-ray
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日本を支配した中国を宗教で倒せ!『ファイナル・ジャッジメント』

ファイナル・ジャッジメント

渋谷をミサイルで攻撃する中国のヘリ!こんなシーンは劇中に無い。

解説前の注意事項

幸福の科学プレゼンツの実写映画『ファイナル・ジャッジメント』が公開された。2009年の仏陀再誕以来の新作だ。解説前にまずは注意事項。この映画は色々と配慮して劇中の固有名詞を置き換えているんだけど、破壊屋ではその配慮を無視して、元の表現を使うことにします。以下がその表。

劇中の言葉俺が勝手に置き換えた言葉
オウラン中国
幸福維新党幸福実現党
民友党民主党

それでは『ファイナル・ジャッジメント』のネタバレ解説に入ります。『ファイナル・ジャッジメント』本編は中国が日本を支配する前半部分と、宗教の力で日本人が立ち上がる後半に分かれている。そして全編に渡って左翼批判と宗教賛歌にあふれている

2009年 幸福実現党敗北、そして政権交代へ
  • 映画が始まる前の予告編、国会議事堂が闇に覆われる映像が流れてくる。この映像は幸福の科学が今年の秋に公開するアニメ映画『神秘の法』の予告編だった。
  • 映画が始まると中国国内の自治区が出てきて、ある家族の食事風景を映している。中国は宗教を禁止にしているので「天にまします我らの父よ」と食前の祈りを捧げたら死刑。こうして、この家族の両親は処刑されて娘は引き取られていった。
  • 画像はこのシーンの悲しみを歌った大川隆法作詞『振り向けば愛』のPV。ものすごく物語性のある歌詞だ。
    ファイナル・ジャッジメント
  • 10年以上経って2009年の渋谷のハチ公前広場。幸福実現党から出馬した鷲尾正悟(わしおしょうご:主人公)が「憲法9条の改正」や「我が国はミサイルを撃たれて国民が死ぬまで反撃できません!」と訴えて選挙活動しているが、日本人たちはガン無視。
  • 正悟は誰も自分の演説を聞いてくれないことに無力感を感じる。その時、天から黄金に輝く羽が降りてきた。しかしそれは正悟にしか見えなかった。
  • オープニングで両親を処刑された少女リンは成長して日本にいた。リンは幸福実現党の選挙活動を応援することになった。
  • 幸福実現党は総選挙で惨敗する。スタッフたちは民主党の政権交代の映像を見てうなだれる。日本人たちに自分の訴えが届かなかったことに絶望しているのだ。
  • だけどスタッフの一人であるのぞみは「これは神様が与えてくれた試練!」とポシティブ発言。2009年の衆議院選挙であんたらが負けた原因は、その信仰心に日本人が危機感を抱いたのと、新日本国憲法案がヤバすぎたからだって!
  • 選挙に負けて活動が止まってしまった幸福実現党のスタッフたちだが、正悟はリンと恋仲になっていく。
  • 正悟の親友で五反田の消防団員でもある憲三は、正悟とお互いの絆を確かめあう。二人の両親は共に左翼政党である民主党の議員で(俺が書いているんじゃなくて、劇中の設定がそうなっている)、二人とも親に反発しているという共通点があるのだ。
中国による侵略が始まった
  • 数年後のある日、渋谷上空に中国の戦闘機やヘリコプターたちが大量に現れ、日本は占拠された。ちなみにこの映画を観るときは「自衛隊がいるはずでしょ」「安保条約は?」「外交はどうなっているの?」といった疑問を持ってはいけない。
  • どうでもいいけどこの映画には「ちくしょう!中国め!」「中国人は信用できない」「どんな手を使っても中国人を追い出すわ」といった危ないセリフがよく出てくる。(注:「中国」に置き換えるのはこのブログが勝手にやっていることであり、劇中では「オウラン」です)
  • 日本を支配するのは中国人のラオ・ポルト(宍戸錠)だ。以下は日本を支配下においた中国の政策だ。
  1. 警察・自衛隊はオウラン人民解放軍に再編成
  2. 通貨は6か月以内にオウラン通貨に統一
  3. 第一言語はオウラン後になる
  4. 治安が安定するまで夜10時から翌朝5時まで外出禁止
  5. オウラン国では宗教活動はすべて非合法
  6. 国家反逆罪は死刑
それでも日本から宗教は消えない
  • 正悟は選挙活動の仲間たちと再会する。幸福実現党のスタッフたちは地下組織のレジスタンス:ROLEとなっていたのだ。
  • ROLEの隠れ家はキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教などの宗教施設も兼ねている。もし中国にバレたら全員死刑。ところで画面の中に日本最大の宗教団体である創価学会がいなかったのが実に残念です!
  • ROLEの隠れ家のボス的存在は、憲三の父親だった。憲三の父親は「人々には神を信じる心が欠けている」と日本人を批判する 。
  • 民主党議員である憲三の父親は選挙の票田のために宗教団体と仲良くなろうとしてそのまま宗教にハマっていた。そして民主党議員だったという罪を償うためにROLEの隠れ家を作ったのだ。
  • ROLEのメンバーでも一番信仰心が強いのぞみの両親が中国政府につかまった。信仰心を持つ両親は処刑される。信仰心を隠していたのに一体なぜバレたのか?
  • ROLEのメンバーとして活躍する憲三は、ライフルを持った中国軍相手に素手や木刀で戦って、中国兵(所帯持ち)を殺したりしていた
そして仏の道へ
  • 正悟は憲三の父親の書斎に行き、八正道(釈迦の教え)の本を手にとる。そして大樹の元で座禅を組み悪魔との対決が始まる。
  • この展開は劇中では解説されない、っていうか幸福の科学信者にとっては常識なんだけど、成道(悟りを開いて仏になること)なのだ。は釈迦の成道 のエピソードとまったく同じである(リンク先はWikipedia)
  • さて映画『ファイナル・ジャッジメント』では悪魔との対決はどのように行われるのか?まず悪魔は正悟の父親の姿でやってくる。そして悪魔と対話するんだけど…
  • 悪魔との対話の内容が………左翼批判!左翼を批判するのは悪魔じゃなくて、もちろん主人公:正悟
  • 正悟の父親は民主党で売国奴として活動したことを深く後悔し「私だって左翼の被害者だ!戦後の左翼思想に侵されたのだ!」と左翼が悪いという前提で正悟の父親(悪魔)と主人公の対話が続いていく。
  • 正悟は思想は違えど父親から愛されていたことを思い出し、悪魔が父親の姿をしていることを見破る。正悟が大地に指を触れると悪魔は消滅した(釈迦も同じ方法で悪魔を退けている)。
  • そして正悟の肉体から魂が離れていく。そして魂は天高く飛翔して宇宙空間を飛び続ける
  • えー、ここらへんはセリフの説明が一切なくてイメージカットだけで構成されているので、普通の観客には何が起きているかサッパリわからないと思うので、俺が代わりに解説します。
  • 幸福の科学の教えだと「多次元宇宙界」というのがあります。また太陽系の外側に霊界があるという考えなんですね。だから正悟の魂は宇宙空間を飛び続けて銀河系以外の星団を目指すわけです。そして最終的に「多次元宇宙界で出会った黄金色の何か」だけど、あれがエル・カンターレ(大川隆法)なわけですよ。っつーか映画観ていて解説無しで映像の意味がわかる自分にビックリしました。俺も立派な信者になれそうだなぁ。
救世主となる
  • 中国に弾圧され続ける憲三たちは「仏を信じているのに仏が助けてくれない」という宗教独特のジレンマに悩んでいた。だが憲三の父親がその疑問に答える。 「正悟はキリスト・イスラム・ヒンドゥーを超えて地球を救う救世主なのだ」 すげえセイブ・ザ・ワールド!
  • セイブ・ザ・ワールドの根拠は、2009年の幸福実現党が行った正悟の演説に世界中が感動したということらしい。ちょっと気になって政党の英名を検索してヒット数を調べてみたけれど
    英語名日本語名検索ヒット数
    Liberal Democratic Party自民党1,530,000
    New Komeito Party公明党53,400
    United States Marijuana Partyマリファナ党(アメリカ)44,200
    The Happiness Realization Party幸福実現党40,900
    Sports and Peace Partyスポーツ平和党38,200
    2004年に解散したスポーツ平和党とドッコイドッコイだぞ
  • あと、世界中がネットで繋がる描写だけど、ネット上の動画に出てくる外国人たちはきっと稲川素子事務所の人たち。
  • こうして正悟は中国に支配された日本人の心を救うべく、地下布教活動を活発させる。正悟に触れられた車イスの少女が立ち上がるなど、正悟はキリストのような力を発揮する
裏切り、そしてROLE壊滅
  • 正悟の布教活動中に中国軍が攻めてきた。正悟は逮捕されてROLEは壊滅する。リンが裏切ったのだ。
  • リンは最初からスパイ目的で近づいていたのだ。リンはラオ・ポルトの義理の娘であり、手柄を立てて中国の党幹部になるのが目的だった。
  • オープニングでリンは神様への祈りをしたために、両親が殺された。だからリンは宗教を信じなくなっていたのだ。
  • ROLEの主要メンバーは憲三と五反田の消防団が中国軍と戦ってくれたおかげで脱出に成功した。
  • 正悟が処刑されることが決まってしまった。ROLEのメンバーは「正悟の演説を世界中に中継する作戦」を立てる。当然ながら「処刑される奴がどうやって演説するんだよ」というツッコミが入るが、とりあえず「奇跡を信じよう」らしい。演説の場所は渋谷の交差点だ。
地球を救いエンディングへ
  • 正悟の処刑直前、リンは幽霊となった両親と再会して改心する
  • 正悟は処刑執行室にいる。今まさに首吊りの処刑台の床が開かれるという状況だ。どうやってリンは正悟を助けるのか?普通に連れ出すだけだった
  • 中国軍とリンのカーチェイスが始まる。いわき市にロケ用の私道を作ったらしく、低予算映画としてはかなり頑張っているカーチェイスだ。でも車を停める⇒煙幕を貼る⇒車に乗って逃げる、の流れは説得力がなさ過ぎてイマイチ。止った車のタイヤ撃てばいいのに。
  • 憲三は正悟を逃がすために中国軍と戦い戦死する。
  • 正悟は渋谷の交差点に到着、幸福実現党の選挙カーのお立ち台に立つ。そして地球を救う演説をする。
    ファイナル・ジャッジメント
  • 演説の内容は霊界に関することとか、祈れば天国に行けるとか、間違った思想の持ち主は地獄に落ちるとか、反省すれば助かるよとかだ。
  • 演説を聞き入るのはエキストラたちなんだけど、撮影場所はいわき市なので、エキストラのほとんどがいわき市民だろう。
  • 俺が劇場で観ているときは数人が泣いていたけど、俺にとっては映画に直接「破壊屋ギッチョ、お前は地獄行き!」と説教されているようなもんだ。中国倒す前に俺を倒したほうがいいんじゃない?
  • 演説はさらに続く。戦争とか天変地異が起きるのは信仰心が足りないからだそうだ。そんな演説を真面目に聞くいわき市民のエキストラたち
  • 正悟の演説に感動する世界中の人々、死んだ憲三も幽霊になって正悟の隣に立つ
  • 演説が終わると正悟が拍手喝采を浴びて映画が終わる。え?これで終わりなの?
  • 画面が暗転すると「人々が信仰心を持ち出し、紛争は消え、中国は民主化された」と字幕が出る
  • エンドクレジットではリンカーン大統領の霊が作詞したという歌(日本語)が流れてくる。
  • エンドクレジットが終わると、幸福の科学映画恒例の信者の会社一覧表が出てくる。
『ファイナル・ジャッジメント』の笑いどころ

幸福の科学映画といえば、映画館で信者に囲まれた状態で観るので、笑いをこらえるのが大変だったりする。『ファイナル・ジャッジメント』は日本が支配されるというシリアスな展開なので笑いどころはほとんど無いけど、超常現象が起きる後半では笑いをこらえるのが大変なシーンがいくつかある。

まずは正悟の父親が空から登場するシーン。登場人物が空から登場するのは、幸福の科学アニメではよくある演出。それを実写で見るとクレーンで吊るされている感が満載で笑ってしまう。わざわざ空から登場させる意味もわからない。

正悟の父親の幽霊が、正悟の演説を見るためにテレビを見ているのも笑ってしまう。幽霊なんだから直接見に行けよ!と思ってしまうが、これはまあ自分の奥さんと一緒にテレビを見たかったのだろう。

最大の笑いどころは死んだ憲三が幽霊になって幸福実現党の選挙カーに乗っているシーン。これから幸福実現党の選挙カーを見るたんびにこのシーンを思い出してしまいそうだ。

幸福実現党の日本独立宣言

「勝手に言葉を置き換えるなんて酷いなぁ」って思うかもしれないれけど、架空の政党であるはずの「幸福維新党」を実在の政党「幸福実現党」に置き換えたPRビデオは本当に製作されているんだぞ!↓

このビデオは幸福実現党(実在)の党員たちがオウラン政府(架空)に処刑されるが、党首のついき秀学(実在)が脱獄して日比谷で日本独立宣言を訴える様子を、CNN(実在)や各種報道機関が報じているというモキュメンタリー。政党の宣伝のためにありもしない処刑や闘争や報道を描いており、プロパガンダだとしてもやっちゃダメなことをガンガンやっているにも関わらず、あまり問題にも思えないところがかわいらしい珍品だ。

反中映画としての『ファイナル・ジャッジメント』

国名を変えているとはいえ反中描写はかなり過激だ。でもアジア映画には反日映画が多いので、『ファイナル・ジャッジメント』はそれの逆バージョンだと思えばあまり気にならない。反日・反米・反中、作品に何かを敵視する思想を入れるのは別に構わないと思う。『ファイナル・ジャッジメント』がよくないのは「俺たちの言うとおりにしないと中国が攻めてくるぞ!」と極端な思想のために、極端な思想を利用している点だ。

逆に良い点は「中国は間違っているが、中国人が間違っているわけではない」という結論に達するところ。映画のラストシーンでは中国人に対して愛を説いて中国の民主化を成功させるのだ。でも「愛こそ全て」をここまで描くのは宗教家というよりも日本のアニオタ的発想かも(この映画を企画した大川隆法の息子はアニオタで有名)。

だけど自分と違う思想と付き合うのに大切なのは、相手を変えることじゃなくて相手を理解することだろ。この映画はその視点が完全に抜け落ちている。

宗教映画としての『ファイナル・ジャッジメント』

つまらない。中盤で「宗教を信じるだけでは何も救われないのか?」という難しい点に踏み込んでいるので、「これは期待できる!」と思ったけれど期待した俺がバカだった。生き仏となった主人公が演説しただけで世界が平和になっていた。「宗教を信じるだけでは何も救われないのか?」という疑問を持っていたキャラたちは演説聞いて感動しているだけだった。

ちょっと話が逸れるけど、近年の映画で宗教と信仰の問題をもっとも上手に描いた映画って『リトル・ランボー』だと思うんだよね。あの映画は宗教を否定するけど、神を信じる心は肯定するという上手い着地点に立つ。

『ファイナル・ジャッジメント』の見どころ

いわき市に作ったという渋谷のスクランブル交差点のオープンセットはかなり効果的に使っていた。この映画一番の見どころだ。ロケ撮影とセット撮影の組み合わせもうまい。

過去の映画だと『容疑者 室井慎次』もいわき市に新宿のオープンセットを作っていたけど、あまり効果的に使われていなかった。『恋人はスナイパー 劇場版』(両方とも君塚良一監督作品)のように渋谷のロケ撮影が失敗している作品もあることを考えると、『ファイナル・ジャッジメント』の撮影はよく頑張ったと思う。

軍用ヘリが首都を攻めるというビジュアルはモロに『パトレイバー2』の影響で、押井守が大好きなビルにヘリが写りこむカットもあり。ここらへんも面白かった。

リン

ウマリ・ティラカラトナ

リンを演じたのはスリランカ人女優のウマリ・ティラカラトナ。幸福の科学は「スリランカの有名女優」って宣伝しているけど、実際は稲川素子事務所所属の日大生だ。この女優がかわいくて良かった。

彼女は劇中でファッションがめまぐるしく変わるのが面白い。胸を強調するセーター、迷彩服、ロングスカート、浴衣、共産圏風の軍服とどれも露出が少なくて下品さがないのも良い。

リンが裏切り者という展開はかなり驚いた。某国問題を描いた映画でその某国人が裏切り者という展開は常識的にはありえないからだ。例えばハリウッド映画でアメリカを裏切るのは白人だし、反日映画の裏切り者は中国人や韓国人だ。まあリンの改心を描いてフォローしていたけど。でものぞみの両親が捕まったのってたぶんリンのせいだよなぁ。

最後に

『仏陀再誕』以降の幸福の科学は、信者が1000万人以上いるはずなのに選挙で一議席も取れず大敗したり、教祖様が愛人問題起こして奥さんが週刊誌に暴露記事持ち込んだり、教祖様が離婚したので教義内容が変わったり、教祖様がネバダ州の秘密記事に心霊潜入したという本を定価1万円で買わされたりと、いろいろ大変だ。本当に信仰心を問われているのは俺たち一般の日本人よりも幸福の科学の信者だと思う。

オマケ

ファイナル・ジャッジメント
ファイナル・ジャッジメントのラブソング『振り向けば愛』だけど、歌詞をよく見ると「Play a role in the Army(入隊して役割を果たそう)」だ。

この映画を応援するのは、試写会で『ファイナル・ジャッジメント』を観たという故・丹波哲郎。まさに死者会。
ファイナル・ジャッジメント

リトル・ランボーズ [DVD]

子供たちが映画を作る物語なんだけど、主人公の母親が宗教団体と関係している。

機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]

Bootlegで評論書いたので、そちらもよろしくお願いします。

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放射能とレディ・ガガ 東日本大震災コメディ映画『青いソラ白い雲』

青いソラ白い雲

遂に東日本大震災を題材にしたコメディ映画が生まれた。早っ!といっても直接的にネタにしたわけでもないし、被災地を題材にしたわけでもない。ネタになっているのは震災後の滑稽な東京の姿だ。

今から映画の序盤のストーリーを解説します、序盤の展開のみネタバレとなっています。

映画のストーリー(震災前)

物語のヒロインは、ちょっとしたセレブ人生を歩んでいる女子高生リエだ。リエのお父さんは旅行会社を経営している結構な金持ちなので、リエは苦労知らず。さらにリエは美貌と美脚の持ち主なので、女子高生たちに大人気の読者モデルとしても活躍している。

2011年3月10日、リエは友人たちと集まって談笑する。リエは間近に迫った卒業式には出ないでロサンジェルスへ留学してしまう。卒業式に出ない理由はロサンジェルスでレディ・ガガのライブを観るためだ。リエの友人で歌手デビューが決まっているアズサは
レディ・ガガなんてマドンナのパクリ
と一刀両断するけど。

リエの元カレもやってきた。元カレはイケメンだけど、あまりにも頼りがいの無いナヨナヨした男なのでリエにフラれたのだ。そのとき地震が起きる(3月10日の前震)。元カレはニュージーランドのクライストチャーチ地震を引き合いに出して
「海外は危険、ロサンジェルスに行かないで安全な日本にいて」
とリエに頼むが、リエは
「ニュージーランドに近いのはロサンジェルスよりも日本よ」
と呆れる。

こうしてリエはロサンジェルスへ旅立った。次の日、東日本に大地震が発生した。東北地方は津波に襲われ、原発はメルトダウンした。

映画のストーリー(震災後)

2011年3月22日、リエは日本がどうなったのだろうと確認するためにガイガーカウンター持参で東京の自宅に戻ってきた。

リエが自宅前にいると、例の元カレがやってきた。元カレは被災地で震災ボランティアと活躍していて見違えるように男らしくなっていた。元カレは飼い主が津波で死亡した被災犬をリエに預けると、救援物資を抱えてまた被災地へ戻って行った。

震災の影響で旅行業界は大打撃を受けてリエの父さんの会社は倒産した。それどころか顧客に代金を返済しなかったため、お父さんは詐欺罪で逮捕された。自宅もヤクザに差し押さられてしまった。リエのクレジットカードは使えなくなったし、どこに行くにもタクシーを使うリエの現金はあっという間に無くなった。困り果てたリエだが
こんな時だからこそ日本人同士助けあおう!
という人にロサンジェルスに帰るための航空券も盗まれたために人生終了

しかたなくリエは公園で野宿する。お巡りさんが
「こんなところで寝ると危ないよ」
と諭してくると、寝ぼけたリエは
「危ない?ここは何ミリシーベルトですか?」
と聞き返す。

映画のストーリー(本筋)

食べ物も住む処も無くなったリエは被災犬と一緒に東京を歩く、その時リエの耳にレディ・ガガのボーン・ディス・ウェイをパクったとしか思えない日本語の歌が聞こえてきた。歌声のほうを見てみると、まったく客を集めていない路上アーティストがレディ・ガガのように熱唱しながら自主制作CDを売っていた。よく見てみると路上アーティストはアズサだった。震災のせいで歌手デビューの話が消えたアズサは、自分が嫌いなレディ・ガガをパクリながら流しで活動していたのだった。

リエはアズサに生活を助けてもらうようにお願いするが、セレブ人生を歩んできたため生活力が欠落しているリエと、たくましく現実を生きるアズサとの同居生活がうまくいくはずもなく…。

不思議の国のリエ

ここまでが序盤の展開だ。このあとはプチセレブ人生から転落したリエが庶民として生きて行くカルチャーギャップコメディとなる。カリスマ読者モデルだったリエがスーパー(のチラシの)モデルまで落ちぶれるとか。演技陣ではリエ役の森星(もりひかり)とアズサ役の村田唯の二人が抜群に良い。

でもこの映画は単なるカルチャーギャップじゃあない、リエが生きて行くのは震災後の東京だ。この映画が描くカルチャーギャップには東日本大震災と原発事故で価値観が変わってしまった日本人も含まれる。震災後の日本に住む俺が、震災後の人々を描いたこの映画を観てカルチャーギャップを感じるのだから不思議なもんだ。

監督の金子修介は本作を<「不思議の国のアリス」パターン>って表現しているけど、確かにそうだ。プチセレブだったリエが震災後の東京で奮闘する姿は、異世界を冒険するアリスに重なる。

リエが出会う人々は震災後で意識が変わった人々なのだ。例えば放射能を恐れるあまりデマメールを転送する人、放射能に襲われる日本から逃げ出さない外国人(ゴジラ好きというのが皮肉)、リエの犬が被災犬というだけでやたら感動するウザい人、っていうかそのウザい人ってこの映画の本来のメインターゲットじゃねえか!

警告

ネタバレが増えていきます。

メルトダウン

この映画で特に優れていると思ったシーンは、リエの状況をメルトダウンを使って説明しているところだ。リエが周囲の人たちが嘘ついていることに気が付くシーンがあるんだけど、その時ラジオからは政府と東京電力が炉心溶融を認めるというニュースが流れてくる。

東京電力がメルトダウンをしぶしぶ認め始めたのは5月になってから。リンク先は燃料の大量溶融、東電認める 福島第一1号機という2011年5月13日の記事だけど、2号機と3号機についてはまだ大量溶融を認めていなかった。

多くの日本人は3月の時点で「いやもう溶けているだろ!」とツッコミ入れていて、本当のことを言わない政府と東電にうんざりしていたはずだ。俺は4月の時点で東電の嘘を笑うエントリを書いて、10年以上やっている破壊屋史上最高アクセス記録となった。そんな俺でも5月の大量溶融の報道は「え?そこまで酷い状況なの?」と衝撃を受けた。

嘘つかれていることにリエが衝撃を受けるシーンに、原発事故隠しという日本人がもっとも強い衝撃を受けた嘘を重ねていて面白い。

東京電力と自主規制

そしてこのメルトダウンのシーンは、監督本人が「自主規制した」と言っているところでもある。さっきの「政府と東京電力が嘘ついていた」というシーンは伏線になっていて、クライマックスでリエが
「皆、ウソばっかり。政府と同じじゃない」
と周囲を糾弾するシーンに繋がる。しかしここは当然伏線を回収するシーンなので
「皆、ウソばっかり。政府と東京電力と同じじゃない」
というセリフになるべきだ。でも監督が削ってしまったのだ。

監督本人がこのシーンの自主規制について語っているが、確かに自主規制した監督の気持ちはわかる。商業映画で嘘つきの代表例として固有の社名を出すのは難しい。でも削らないで欲しかったかな。

犬と難病と妊娠と

俺がこの映画に大きく感動した理由がもう一つある。『青いソラ白い雲』を構成する要素は犬・難病・妊娠だ。これらは数年日本映画界で安易に使われてきた要素で、犬や難病キャラが出てくるだけで「あ、またか」とうんざりさせられる。またこういう要素を使う映画は駄作ばっかりだった。

でも金子修介監督はこれらの要素を逆手に取った。ヒロインは被災犬を押し付けられた人だし、妊娠ネタは「放射能だらけなのに妊婦がマスクしていないなんて!」と焦りだすキャラを登場させてギャグにしてしまう。難病で死ぬシーンもギャグっぽく撮っている。今までの日本映画が感動させようとして失敗してきた事に、逆のアプローチで取り組んでいるのだ。

放射能コメディ

『青いソラ白い雲』は2012年現時点で商業作品が震災や放射能をどこまでコメディとして扱えるか踏み込んでいる。震災後の状況を誰もコメディとして捉えることができなくて、唯一やってくれているのはネット上の不謹慎ギャグという状況が俺には不満だった。だからこそ『青いソラ白い雲』は2012年の俺の暫定ベスト1映画だ。

だけどこの低予算映画『青いソラ白い雲』はまったく話題にならなかった。監督のインタビューやブログを読んでいると宣伝から放射能コメディの要素が消されたのがよくわかる。ライターのとみさわ昭仁さんと飲み会に行ったときに、とみさわさんが
「この映画が大ヒットしていたら抗議する輩が出てきたと思う」
と言っていたけど、きっとその通りだろう。

でも『青いソラ白い雲』が踏み込んで描いたギャグの数々は、今後の日本の映画やテレビ番組作りにきっと良い影響を与えるはずだ。世間的な評価はマイナーな佳作コメディだろうけど本作は2012年を象徴する映画だ。これは『青いソラ白い雲』の最大級のネタバレなので、未見の人は可能な限りクリックしないで欲しいけど、今この時代にこういうキャラクターを登場させただけでもこの映画は素晴らしい

青いソラ白い雲

放射能コメディというのもこの映画の一つの要素に過ぎなくて、この映画はラストで震災後の日本をどうやって生きればいいのかまで踏み込んでくる。タイトルの本当の意味がわかったとき、感動というよりも清々しい気分になった。

オマケ

ちなみに金子修介監督は「犬と少女というテーマで映画を作ってくれ」という依頼を映画会社から受けていた。映画のテーマとしてはかなり安易なもので、同じテーマを扱った大橋のぞみとソフトバンクの犬が共演する映画『大好きなクツをはいたら』は完成することなく大橋のぞみごと消えた。

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同じ監督のこの作品も日本にある希望を描いた作品だったな。

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