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田舎の村で医者いじめ?『惨殺半島赤目村』

今年の春ころの話だけど秋田県の上小阿仁村でまたまた医者がやめた。この村は医者いじめだけでなく、村内の対立が激しいことや自殺率が異様に高いことでも有名だ。そんな凄い村なら物語化したらさぞ面白いものができるけど、現在進行形の話なので物語化はできない………はずなんだけど、この村をネタにした勇気あるマンガがある。タイトルは『惨殺半島赤目村』。作者は今年映画版が公開された『鈴木先生』で一躍有名になった武富健治だ。

惨殺半島赤目村(1) (アース・スターコミックス)

『惨殺半島赤目村』の主人公は27歳の医者である三沢勇人(みさわはやと)。彼は東京在住だが都会嫌い。だから瀬戸内海にある赤目村という僻地の赴任の話を引き受ける。彼は素朴な村の生活に憧れて赴任したのに、彼を待ち受けていたのは村社会の闇と、リゾート開発された高級マンションだった。

惨殺半島赤目村01

田舎の村なのにリゾート開発したのでデカい建物がある赤目村。このマンション(正確にはホテル:スカイパレスAKAME)のモデルは間違いなくネット上で話題になったあの画像

赤目村は過去にリゾート開発に失敗した経緯がある。だから村内では対立が発生していた。リゾート開発を進めた村長派と、田舎の村でロハス的な生き方を選んだ若者たちの対立だ。主人公の三沢は村長に呼ばれた形になったため、若者たちからは敵扱いされてしまうのだ。

ちなみに上小阿仁村の医者いじめの原因もこれと同じ。村長に呼ばれた医者が自動的に村長派としてみなされて攻撃されたことだった。

惨殺半島赤目村02

田舎なので人間関係が超メンド臭い。主人公が居酒屋で「どうも」と挨拶したらこの仕打ち。

『惨殺半島赤目村』というタイトルは過激だけど、俺が持っているのは最初の一巻だけでまだ殺人事件は起きていない。でも設定と伏線がかなり複雑で読みごたえはたっぷりだ。というか設定の複雑さは執念の域に達している。村八分、リゾート開発、インフラ開発、土着の宗教や、地理から生じる文化、嫁入りシステムなど、あらゆる「村要素」が細かく設定されている。とはいえ次々に村の謎が明かされていくので読んでいて楽しい。ネット上で話題になってないのが不思議なくらいだ。

ところで俺は続きが気になって仕方ないので、ためしに『惨殺半島赤目村』が連載中のアーススターを買って先読みした。そしたらバッチシ殺人事件が起きて重要人物が殺されていて「ああ、読まなきゃ良かった!プロット追いながら読みたかった!」と後悔した。

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巨人・大鵬・玉子焼き サンデー・マガジン・スピリッツ

大鵬の死去と国民栄誉賞を受けて、昔の流行語「巨人、大鵬、玉子焼き」が再び注目された。

【大鵬死去】「巨人、大鵬、玉子焼き」とはなにか – MSN産経ニュース

日本の高度経済成長真っただ中の1960年代、大鵬は61年に横綱昇進し63年と67年には全6場所で優勝するなど全盛期を迎えた。プロ野球では長嶋、王らを擁した巨人が61、63年に日本シリーズを制し、9年連続日本一のV9は65年に始まった。右肩上がりの経済の中で国民は時代を象徴するような強い存在に熱狂し、当時の子供が大好きなものとして「巨人、大鵬、玉子焼き」の言葉が生まれた。

今となっては「巨人、大鵬、玉子焼き」はギャグで使う言葉だ。以下は俺やワッシュさんのギャグツイート


話は変わるけど、1959年3月17日に週刊少年サンデーと週刊少年マガジンが創刊された。サンデーの創刊号の表紙は巨人の長嶋茂雄、マガジンの創刊号の表示は大相撲だった。


で、サンデーに巨人、マガジンに大相撲を取られてしまい、仕方なく玉子焼きを創刊号の表紙にした週刊少年マンガがあったのをご存じだろうか?

サルでも描けるまんが教室2

「実物大戦艦大和キット」!?

実はこれ、ギャグ漫画の大傑作『サルでも描けるまんが教室』のネタだ。『サルでも描けるまんが教室』では偽週刊少年雑誌を作るというギャグがあった。その雑誌の名は週刊少年ジャンプをモチーフにした『週刊少年スピリッツ』で、ちゃんと昔のジャンプ風に作家の集合写真まで用意するという念の入用だった。

サルでも描けるまんが教室1

偽週刊少年雑誌の表紙。全て相原コージの絵だ。

玉子焼きの創刊号は、偽週刊少年雑誌の創刊号を振り返るという多重偽装のギャグだった。

『サルでも描けるまんが教室』は俺のマンガ人生で一番最高のギャグ漫画です、興味がある方は是非読んでみてください。

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もう一つの『追憶売ります』:コブラ復活!

トータル・リコール

リメイク版の『トータル・リコール』を観たけれどイマイチだった。リメイク版『トータル・リコール』には新しい設定として労働問題が登場しているけど、あくまでも設定なので本編で深く関わるわけでもない。20年前のSF映画たちが描いていた映像世界を現在の技術で再現するというチャレンジにも面白みを感じることができなかった。斬新なアイデアとして名高い「現実なのか夢なのかわからない」も、使い古されていてもはや新鮮味を感じなくなってしまった。時代が進化してしまったということか…。

トータル・リコール

大仏=デカいというのはもう世界共通の認識だな。

『トータル・リコール』の原作はフィリップ・K・ディックの中編小説『追憶売ります』だけど、この『追憶売ります』は漫画『コブラ』の第一話でパクられている。これは『追憶売ります』のgoogle関連検索用語は「コブラ」だったりするほど有名な話だ。しかしこのコブラの第一話は単なるパクリで片付けるのはもったいないほど素晴らしい出来だったりする。寺沢武一が描いたコブラの第一話:『復活!コブラの巻』はこういう話だ。


金持ちは惑星旅行に行く未来の時代、サラリーマンであるジョンソンは毎日同じような日々を過ごすことに退屈さを感じていた。安月給のジョンソンはトリップムービー社に行くことにした。トリップムービー社は自分が望む夢なら何でも見させてくれるサービスをしている。スケベなジョンソンは、自分が美女に囲まれたハーレムの王で宇宙怪獣を倒すスーパーマンみたいな夢を希望する。受付嬢は呆れるが希望の夢を見せてくれるという。

トータル・リコール

受付嬢が特徴的!というのは『追憶売ります』でも重要な要素だったりする。

こうしてジョンソンは大冒険のトリップムービーを見る。自分がコブラと呼ばれる一匹狼の海賊で、外見は超ハンサム。左腕に備えた無敵のサイコガンで次々に悪党を倒す。宇宙を飛び回り数々の惑星で大冒険をするのだが、コブラは海賊ギルドとの戦いの最中にキャプテン・バイケンを仕留めそこなってしまう。

トータル・リコール

週刊少年ジャンプでサラリーマンが主人公というのも珍しいな。

夢を見終わったジョンソンは宇宙海賊コブラのトリップムービーに大満足するが、受付嬢は「そんなの出てこない、美女にモテモテの夢のはず」と否定する。なぜ?とりあえず満足したジョンソンだが、帰宅中に夢の中で戦ったキャプテン・バイケンとそっくりな男と会ったので笑い出してしまう。しかし男は「そうさ、俺はキャプテン・バイケンさ」と言って、ジョンソンに銃を突き付けてコブラのことを聞き出そうとする。ジョンソンは「これも夢か?」と焦り出すが、そのときジョンソンの左腕が破れてサイコガンが出現してバイケンを撃ち殺す。そしてジョンソンは失われていた記憶を思い出す。自分がコブラだった過去を。

ジョンソンがトリップムービーで観たのは夢ではなくて、過去の自分の記憶だったのだ。海賊ギルドとの戦いに嫌気がさしたコブラは、3年前に整形手術を受けて自分の記憶を消して平凡な生活を送っていたのだ。しかし今の顔も海賊ギルドに顔が割れてしまったので、コブラは再び大冒険の日々に戻るのだった…


これがコブラの第一話だ。映画『トータル・リコール』で一番キモである「これは現実なのか?それとも夢なのか?」という点は『コブラ』ではほとんど使っていない。『コブラ』オリジナルのアイデアで抜群に面白いのは、宇宙で大暴れするコブラは平凡な生活を望み、平凡な生活をしているジョンソンは宇宙で大暴れする生き様を望んでいるという点だ。このアイデアは普遍的なので現代でも十分に通じると思う。あと本当のコブラは超イケメンで、わざと変な顔に整形したというのも面白いね(注:整形後のコブラの顔はいつもニヤケているだんご鼻)。

トータル・リコール

宣伝用に作られたトータル・リコール社のウェブ・サイト、ミニスカ着物姿の受付嬢が案内する。夢の職業一覧に「ビデオ・ゲーマー」があって笑ってしまうが、これはX-boxとのタイアップキャンペーン。それよりも「スポーツアナウンサー」があるのが嫌だ。日本人だったら誰も織田裕二にはなりたくないよ!

オマケ:トータル・リコール アイドル編

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マンガ『のたり松太郎』での八百長描写

マンガ『のたり松太郎』での力士たちの賭博と同じ話。今度は大相撲の八百長(別名:注射)が発覚した。発覚したといっても角界の八百長の存在を否定しているのは角界の人たちだけだったけど。で、傑作相撲マンガ『のたり松太郎』に八百長があるかどうかなんだけど、結論から言うと無い。主人公:松太郎は暴力団と付き合い、賭博に手を出し、飲酒運転で事故を起こし、連載初期では婦女暴行未遂事件まで起こす。数々の問題行動を起こすにもかかわらず、八百長描写自体は無い。だけど2シーンだけ八百長ネタのシーンがあるので、今回はそれを紹介する。

のたり松太郎

連載初期。松太郎は同部屋の田中を勝ち越しさせるために、対戦相手に星(土俵での勝ち星のこと)を貸すように依頼する。対戦相手が拒否すると松太郎は暴力に訴えようとするが、周囲に止められる。酷いシーンではあるが、田中の優勝までを描いたこのエピソードは長期連載の『のたり松太郎』でもっとも面白い。

のたり松太郎

連載後期。貴ノ波(貴ノ浪)が勝って暁(曙)が負ければ同部屋から優勝者が出るため、松太郎は大声で貴ノ波に星の貸し借りを依頼して観客を沸かす。曙も八百長疑惑が有名な力士である。

のたり松太郎

こちらは力士たちの地方巡業を描いたエピソード。ご当地力士が勝つことになっているらしいが、これはファンイベントなので八百長ではない。それよりも左下のコマで相撲ファンもお約束の勝利に納得しているのが、どことなくプロレス的で面白い。


というわけでハッキリと八百長を描いたわけではないが、星の貸し借りが存在することは想像できるし、俺も角界では星の貸し借りが存在するという前提でこの漫画を読んでいた。それでも現実に相撲の八百長が暴露されたことについては、アイドルの枕営業が発覚したような興奮を覚える。

ちなみに『のたり松太郎』では八百長は無いけれど、審判員たちの手引きによって不利な裁定が下されるというのが2回ある。しかも2回とも松太郎の優勝がかかったクライマックスだったりする。

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マンガ『のたり松太郎』での力士たちの賭博

角界の賭博行為が問題になっているけど、マンガ『のたり松太郎』を全巻持っている俺としては「それが問題になるんだ!」と思ってしまった。『のたり松太郎』の中では、力士たちの賭博がほのぼのとした日常光景として描かれているからだ。現実で賭博行為が告発されそうな力士たちも「日常行為なのに…」と言い訳していると思う。
マンガ『のたり松太郎』では、力士たちは相撲部屋で花札やマージャンでギャンブルにいそしんでいる。連載後半になって時代が変わっていくとギャンブル描写は減って、代わりにスーパーファミコンが登場してくるようになる。しかし連載後半でも支度部屋でマスコミも一緒にギャンブルに参加するというとんでもないシーンもある(以下に画像あり)。

ちなみに俺がちばてつやのマンガで一番好きなのは『のたり松太郎』だ。連載中盤までの「坂口」編も面白い。だけど連載後半で四股名が「荒駒」になると、マンガ内で時代の移り変わりも描写していくので、そこも魅力的なマンガだ。

のたり松太郎

主人公の松太郎は暴力団事務所に押し掛けてオイチョカブに参加する。このあと暴力団の幹部に「お関取がこんなところでバクチなんぞなさっては」とたしなめられる。だが暴力団の幹部は料亭を借り切って松太郎を接待する。時代は80年代初頭。

のたり松太郎

時代がだいぶ変わって若貴ブームの頃。マスコミを巻き込んで松太郎が魁皇と賭け腕相撲を行う。

のたり松太郎

この賭け腕相撲で大金を手に入れた松太郎は相撲に対してやる気を無くして、貴乃花相手に無気力相撲をとる。左下の背が低い力士は舞の海。

『のたり松太郎』の日常描写も今となっては問題大有りな風景だらけである。主人公の松太郎は暴力団からも御祝儀もらっているし…。

今回の賭博問題は琴光喜が暴力団に脅されたのが発端だ。世間では力士たちの賭博行為に注目が集まっているけど、警察が注目しているのはそこじゃなくて暴力団の資金源としての賭博だろう。もし暴力団が脅迫行為をしなければ力士たちの賭博行為は『のたり松太郎』の日常描写のようにほのぼのと続いていたのかもしれない。

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