以前も書いたけれど『アバター』はアメリカの負の歴史を描いている。アメリカはネイティブ・アメリカンから土地を奪い、戦争によって石油資源を確保したわけだが、これが『アバター』の背景になっている。もう一つ『アバター』の特徴的な要素として、宗教観がある。キリスト教やイスラム教の考え方は唯一絶対神というものだが、『アバター』で描かれているのは自然そのものを信仰するという考え方だ。これがキリスト教になると、自然は神が作り出したもなので自然よりも神のほうが偉く、地球温暖化も神の力ということになっている。アメリカ国内のキリスト系保守派は自分たちの宗教観を否定されたので『アバター』を痛烈に批判している。
映画『アバター』の地球人たちは、ナヴィたちの文化を理解しようとせずに、愚かにもナヴィを攻撃してしまった。そこには他文化を理解しようとしないアメリカへの批判も読み取れる。
『コーヴ』のポスター。”『わんぱくフリッパー』と『ボーン・アイデンティティー』を足した映画”というアバウトな映画評が書かれている。
その真逆のような映画がある。日本のイルカ漁を批判する目的で撮影した『コーヴ』だ。この映画の影響で、今年の和歌山県太地町のイルカ漁には海外のメディアがたくさん取材にくるだろう。それに対抗する画期的なアイデアを思いつきました。今年のイルカ漁の際には漁師の方々が全員体を真っ青に塗るというのはどうでしょうか?みんなでナヴィのコスプレするの。そうすればアメリカ人たちも「あれ?イルカ漁ってナヴィたちがパンドラで狩りをやっているのと同じことじゃね?」「っつーか俺たちがやってることってナヴィを攻撃しているのと同じ?」ということに気が付いてくれるかもしれない。「『アバター』のパクリだ!」って批判されたら「そうじゃなくて菊川怜のコスプレです。」と言い張れば大丈夫!
というか日本で勝手に『アバター2』を撮影すればいいんだよ、ストーリーは『アバター』の男女逆転バージョンで。ヒロインには『コーヴ』で泣き叫びながらイルカ漁に抗議しているヘイデン・パネッティーアを抜擢する。
ヒロインは町にイルカ漁の盗撮にやってきて海で難破してしまうが、町の青年に助けられる。青年は最初こそ「ホワイトピープルは帰れ!」とヒロインを罵るが、彼女が日本の文化を理解しようとしているので、その手助けをする。ヒロインも海の幸と共に生きる町の人々の生き方に憧れる。そしてヒロインと青年は恋に落ちるのだが……しかしその青年が実は町一番のイルカ殺しだった!ほどなくしてヒロインの手引きで、世界中のマスコミが町に集まってくる……。町の漁師たちはイルカ漁のテクニックで次々にマスコミたちを海に沈めていくが、高性能ボートには敵わない。マスコミとグリーン・ピースに囲まれて漁師たちが絶望に泣き伏せたとき、イルカ漁に反対していたはずのヒロインが伝説の大イルカを銛でブチ殺してトルーク・マクトとなる!
「『アバター』のパクリだ!」って批判されたら「そうじゃなくて『コーヴ』の続篇です」と言い張れば大丈夫!